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出会い,そして夢の始まり  作者: 柴田盟
3/25

桶川楓

「少しは落ち着いたかな?」

 言われて、叫んで憂さを晴らしたのに、再びこいつにそんな事を言われて憤り、俺はこいつを殺したい気持ちで殴りかかった。

 だが、こいつは幽霊なので、物理的な攻撃はきかず、めがけて放った拳はすり抜けてしまう。

 それでもこいつに人生を狂わされた事を思うと、もはや怒りは止められず、殴り続けた。

「ふざけんなよ。誰のせいでこうなったと思っているんだよ」

 と罵り、思い切り突きつけた拳はすり抜けて、バランスを崩して俺は倒れる。

 橘は相変わらず黙って立ち尽くしている。

 物理的攻撃が効かないなら、こいつに今まで鬱積していた気持ちをぶつけるように罵った。

 そんな事を言ったって、何も解決しないし、自分が虚しくなるだけだと分かっていたが、もはや俺の理性では止められなかった。


 丁度五年前、夢にも希望にも満ちあふれて、大学受験に身を投じていた。

 いつもこいつが経営していた、フリースクールで賢明に勉強していた。

 俺は塾のみんなにも応援され、張り切っていた。

 そんな最中、橘にあいつを紹介された。

 紹介と言っても、俺の勉強をサポートする役目をその日に託されたのだ。

 あいつは、その時は知らなかったが、深刻な事情を持っている人だった。

 そして勉強を教えられ、分かりやすく丁寧に教わり理解して頭がすっきりした事を覚えている。

 あいつの教え方が上手なので、少し無理を言って、これからも勉強を教えてもらえるように懇願した。

 それで何回かあいつに勉強を教えられて、気づかぬうちに心があいつに向いていたのだ。

 そんなに美人ではない。でも俺にひたむきに勉強を教える姿に心を奪われてしまったのだ。

 そして思いは通じ合って、俺たちはつきあい始めた。

 デートがてら、喫茶店で勉強を教えてもらったりもしていた。

 本当に幸せだった。

 あいつとなら、自然とやっていけるんじゃないかと思ったりもしていた。

 だがしかし、あいつにはもうつきあっている彼氏が居たのだった。

 納得の出来ない俺は、あいつに聞きつめたところ、その彼氏に半殺しに合ったのだった。

 心も体もボロボロになってしまった。

 とにかく気を取り直して勉強を始めたところ、勉強には手が着かず、それでも無理して勉強をしようとしたが、あいつにつけられた心の傷がうずきだして、もはや手が着かず、それでも続けようとしたが、なぜか俺の心は壊れて、自宅の部屋で理性をなくして暴れた。

 それで俺は精神的な病に陥り、入院を余儀なくされてしまったのだ。

 そして日が経つうちに俺の心は弱くなり、退院してからも、勉強には手が着かず、バイトをしたのだが、バイトも続かず、それでも俺の居場所を確保するために、再びこいつが経営しているフリースクールで心をいやそうと思った。

 仲間も俺の事を心配しているんじゃないかと思ったが、なぜか俺は白い目で周りから見られて、一番仲の良かった友達に裏につれて行かれて、半殺しに合ってしまった。

 その理由はあいつが俺にストーカーをされたとか、ひどいことをされたとか、根も葉もないデマを流しやがったのだ。

 橘は俺の話を信じてくれると思ったが、彼女の事を信じやがった。

 せめて俺はあいつにひどいことはしていないし、何もしていないことをこいつにだけは信じてもらいたかったが、

でもこいつは彼女の事を信じるの一点張りだった。

 理由はその後に気がついたことだが、彼女は深刻な事情を持っているため、こいつは信用して、俺の事はほっといて彼女を贔屓したのだ。

 そして俺は決めたのだ。

 もうフリースクールの人間と関わらないと。

 気を取り直して勉強をしようとしたが、あの事を思い出してしまい心にドスグロい何かを注がれるように狂ってしまう気持ちに陥るため、もはや勉強も手が着かなかった。

 その後二年くらい何も出来なくなり、実家に引きこもってしまい、別に親には何も言われなかったが、このままじゃ自分はだめな人間になりそうなので、思い切って一人暮らしを始めたのだった。

 最初はすごく不安だったが、何とかバイトを探して、お金を稼ぐことは出来るようになり、あの惨劇を忘れて楽しく生活しようと決めたのだ。

 だが、せっかくあの惨劇を忘れかけたというのに、こんな奴にとりつかれて、俺の気が狂いそうな気持ちに陥った。

 

 橘は俺のこの忌まわしい過去の記憶を聞いて目を閉じて黙り込んでいた。

 でも何だろうか?鬱憤を吐き出した事によって、少しは気持ちが楽になった感じだった。

 あいつの嘘を信じた橘でも誰でも良かったのかもしれない。

 とにかくこの忌まわしき記憶を誰かに聞いてもらうだけで。

 でもこんな奴にとりつかれて殺されるのはゴメンだ。

 もしかしたら、あいつの仕業なのかもしれない。

 こいつを俺にとりつかせて、呪い殺そうとしているんじゃないか?

 あいつはそうして俺を苦しめるために、こいつをとりつかせたのだろう。

 あいつは楽しんでいるんだ。

 だったら戦うしかないのかもしれない。

 あいつに殺されるんだったら、差し支えてもあいつに一生消えない傷を付けてやろうと。


 とにかくそう心を整理して、とりあえず、帰ることにする。

 俺を呪い殺そうとしている橘は相変わらず、俺にとりついている。

 とにかく油断は禁物だ。


 そして俺は目覚める。

 朝の光は聖者でも凡人でも愚者でも凶悪な犯罪者にも平等に訪れる。

 それに俺を呪い殺そうとしている橘にも。

 俺がベット代わりにしているソファーから起きあがると橘が慌てて、

「たっ君たっ君」

「・・・」

 もうこいつの話に耳を傾けないようにしようと、俺は全力でシカトする。

「たっ君。多分僕がたっ君にとりついたのは、たっ君の心の歪みをぬぐい去るために現れたのかもしれないんだ」

 誰が歪んだ心だ。それを拭いさるだ?

 とにかくこいつの相手をしているだけ時間の無駄だし、聞いたら聞いたでこいつをとりつかせているあいつの思惑通りだろう。

 何で俺だけこんなひどい目に遭うんだろう?何て考えていると、またあの惨劇を思い出しそうなので、気分を切り替えるようにシャワーを浴びる。

 それでも空中に「たっ君。たっ君」と俺のことを呼ぶ。

 マジうざい。だからこの際だから言っておく。

「お前はあいつに俺をとりつかせたんだろ。それで俺を殺そうとしているんだろ」

「そんな事を彼女がするはずないじゃん。それに僕はたっ君にしか見えないし、たっ君が僕に触れられないと同じようにたっ君に触れる事さえ出来ないよ」

「・・・」

 もうやめよう、こいつと話していると本当に時間の無駄だし、憤る気持ちにしかならない。

 とにかく着替えて、バイトに行かなくてはいけない。

 それに俺は狙われている。

 外に出ていくときは、気をつけなきゃいけない。

 俺はあいつに狙われている。

 そんな俺の挙動を見て、橘は言ったのだ。

「たっ君は統合失調症と言う病気なのかもしれないよ」

 何て。

 その統合失調症と言う病気を俺は知っている。

 以前あいつの事が原因で入院したときに俺に診断された病気だ。

 でも何だろうか?こいつに言われると本当にムカついて、殺したい気持ちを押し殺して、黙っていた。

 統合失調症とは、ストレスにもろい人間になる精神的疾患だ。

 その症状は誰かに狙われて居るんじゃないかとか、誰にも聞こえない声が聞こえるとか、そんな表情に陥り、社会的コミュニケーションが困難になる病気だ。

 でもその知識は知っていても、あいつに狙われて居るんじゃないかと言う気持ちは治まらなかった。

 

 そんな気持ちの中一週間が過ぎて、何事もなかった事に、橘の言う通り、統合失調症だと言う事に気が付き、常識的に物事を信じられるようになった。

 でもこいつにとりつかれて、俺は本当に良い迷惑だ。

『消えろ』と何度も罵ったが、『僕にはどうにも出来ないよ』何て暢気な表情で訴える事に憤りが治まらない。

 もしかしたら一生消えないんじゃないかと思うと、それはマジ勘弁して欲しいと思って、人目のつかない、河川敷まで行って、とにかくこいつを成仏させるために、しぶしぶだが話だけでも聞くことにする。

「あんたは以前言っていたが、俺に対して未練があるんだな?」

「うん。多分」

「多分じゃ困るんだよ。とにかく俺に対して未練があるなら聞いてやるよ。このまま一生とりつかれたら、かなわないからな」

「うーん。確かにそれも一理あるんだけど、きっと僕が死んで困っている人たちが居ると思うんだ」

 話を聞いていらだち、

「だったらそいつ等にどうしたいんだよ」

「もちろん幸せになってもらいたい」

 即答だった。

 考えてみれば、こいつの塾生に居たな。こいつに出会って本当に良かったって思っている人が。

 でもこれは俺個人の事だが、俺はこいつに出会って最悪だと思っている。だからこいつの顔を見ていると、いらいらする。だからとにかく、こいつの未練を解決させて、早く成仏させて、消えてもらいたい。

 それが俺の意見だ。

 こいつには恨みがある。

 でもそんな恨みをこいつにぶちまけたって、自分が虚しくなるだけだし、良い思いもしない。だから忘れる事が出来ないなら、せめて思い出さないようにして、毎日を平穏に暮らしたいと思っている。

 だから本当に不本意だが、こいつの未練ってやつを聞いて解決させて、とっとと消えてもらいたいと思っている。

 とりあえず橘と話し合って、明日俺の仕事が済んだら、こいつが経営していた塾に行くことに決まった。

 本当は行きたくない。俺はあいつにはめられて、塾の連中に嫌われる羽目になり、一番仲の良かった豪に半殺しの目に遭ったからな。

 その事に関しては、橘は安心して良いと言っていた。あれから俺を知る生徒は卒業していったからだ。


 そして次の日、仕事が終わってほっと一息付きながら、そのまま秋葉に向かいたいが、本当に野暮だが、橘が経営していた塾に行かなくてはいけないことに、嘆息の吐息を漏らしながらしぶしぶ向かう。

 何だか訳が分からないけど、こいつの未練を解消させなければ、ずっと俺にとりついたままになってしまうからだ。

 俺の仕事の後の至福の自由時間が失われてしまうんだ。

 時計は午後七時を回った頃、とりあえず駅に到着して近くにある喫煙所で一服する。

「たっ君。急ごうよ」

「一服ぐらい良いだろ」

 と周りには人がごった返しているために、橘しか聞こえないような小声で呟く。

 橘は俺の頭上を浮遊して動き回っている事に落ち着きが見えない感じだ。

 一服すんで、電車に乗り込んで、こいつが経営していた塾の最寄りにたどり着いた。

 駅を出ると、あの時の惨劇を思い出してしまいそうだが、とにかくこいつの未練を解消させて、成仏させなければいけない。

 だからとっとと終わらせて、とっとと帰ろうと思う。

 向かいながら思うが、こいつが経営していた塾の道のりを歩いていると、思い出しそうで気が滅入りそうだ。

 こいつは俺以外の生徒にはいたわっているが、俺をいたわろうとする気持ちはないみたいだ。

 そんな風に考えると憂鬱の深みにはまり、死にたくなる気持ちになるので、とにかく用事を終わらせる事を考える。

 そしてたどり着いて、気が滅入りそうな気持ちを考えないようにして、こいつが経営していた塾の建物を見上げる。

 あれから建物は何も変わっていない。

 建物は民家に連なる三階立ての建物だ。

 でも中には誰も人の気配を感じられない。

「誰もいないんじゃないの?」

 舌打ち混じりに橘に言う。

「多分ね」

「とんだ無駄足じゃねえかよ」

 きびすを返して帰ろうとしたところ。

「待って」

 橘が俺を呼び止める。

「何だよ」

 と振り返り、

「ドアを開けてくれないかな」

 こいつは幽霊だから、物理的な物を使う事が出来ないので、言われた通り、ドアノブをひねって開けようとしたところ、鍵がかかっていて開く事は出来なかった。

「開かないみたいだけど」

「郵便受けに、多分鍵があると思うんだ」

 やれやれと言った感じで、郵便受けを開いて、手を入れ探してみると鍵はあった。

 とにかくドアノブに鍵を差し込んで、回してみると、ドアが開いて、中に入る。

 でも中は真っ暗で、何も見えないので、玄関に設置されているスイッチを入れると、明かりがついた。

 誰もいないみたいだが、電気はつけられるみたいだ。

「とりあえず入ろうよ」

 橘にそういわれて、靴を脱いで中に上がると、床は埃にまみれていて靴下が汚れて、不快な気持ちに陥ったが、とにかくこいつを成仏させるんだと、言い聞かせ、我慢した。

 辺りを見渡すと、懐かしいやら忌まわしいやら、気持ちがあたふたとする。

 あまりこの塾にいると、あの事を思い出しそうなので、とにかく用件を迅速に済ますために、

「こんなところに来たのは良いけど、あんたの未練は何なんだよ」

「とりあえず二階に上がろうよ」

 そういえば、一階は塾を経営していて、二階は関係者以外立ち入り禁止と言ったところか、上がった事はなかったっけ。

 まあそれはとにかく、二階に繋がる階段を一段ずつ上って行き、そこも真っ暗で、電気のスイッチを入れる。

 明かりがついて、右に台所、左に風呂場が合って、正面に部屋があり、プレートに書籍と書いてある。

「とりあえず、その部屋に入ろう」

 言われた通り、ドアノブを捻り中へと入っていく。

 中に入ると、左右に本棚が合って、中身はノートに敷き詰められている。

 正面にはパソコンが設置されている。

「ここは僕の書籍で、僕の奥さんと子供も入ったことはないんだ」

 そんな事は俺にとってどうでも良く。

「で、未練って言うのは見つけられるのかよ」

 すると橘は寂しそうな顔をして黙り込んでしまった。だから俺は、

「おい。聞いているのかよ」

「この左右に敷き詰められている本棚のノートの中身は今まで僕が請け負った人達一人一人の事を僕が詳細に書いた事なんだ」

「そんな事聞いてねえし」

「とりあえず、一冊でも良いからノートの中身を見てよ」

 言われた通り、左右の本棚に敷き詰められた適当に一冊ノートを取りだして見てみると。

 表紙には桶川楓と名前らしき文字が書いていることを察して、きっとこれはこいつが請け負った生徒だと分かった。

「楓ちゃんかあ」

 と橘は思い出に浸るようなうっとりとした表情でそのノートを見つめる。

 このノートの中身はきっとその橘が請け負った楓と言う生徒の事が詳細にかかれているんだと思って見てみると、その通りであり、ページをパラパラとめくって見ると、頭が痛くなるほど、文字で埋め尽くされていた。

 とにかくそれはそれで良いとして、ノートをパソコンディスクに置いて、

「で、あんたの未練は何なんだよ」

「・・・」

 先ほどと同じように寂しそうな表情で、左右の棚に敷き詰められているノートを見つめた。

 まさかと思って聞いてみる。

「もしかして、あんたが請け負った生徒すべてを何とかしたいなんて言うんじゃねえだろうな」

「そうだよ」

 と意気揚々に即答する。

「冗談じゃねえよ。そんな事になったら、一生かけてもあんたの未練を解決させる事なんて出来ねえじゃねえかよ」

「だよね」

 何て暢気な口調にいらだつ事を押し殺して考えてしまう。

 俺はこのままこんな疫病神にとりつかれたまま、一生をおえなくちゃいけねえのかよ。

 マジつき合ってられねえ。

 本当にどうすれば、こいつの呪縛から逃れられるのか?分からないことに泣き寝入りするしかないのか?マジ泣きそうだった。

 本当に本当に本当にこいつと出会ってろくな事がない。

 本当にこいつは俺にとっての疫病神だ。

 叫びたいが、ここは民家が密集した地域で近所迷惑になってしまうので、とにかくこらえる。

「ゴメンね、たっ君。本当は僕も、たっ君に迷惑はかけたくないけど、なぜかたっ君にとりついちゃって僕もどうすれば良いのか分からないんだ」

 そんな風に謝られたって何の解決にもならないし、気休めにもならない。

 マジ頭が痛い。

 幾年の時が過ぎて、あの忌まわしき過去と決別出来る直後に、こんな事になるなんて、何で俺だけこんな目に遭わなくてはいけないのか、自分を呪いたくなる。

 でもそんな事をしたって、何も良いことはないし、自分が虚しくなるだけだ。

 本当に頭が痛い。

 頭を抱えている俺に対して橘は、

「だったらたっ君」

「何だよ?」

 理性を保つことが出来ず、僕は罵る。

「怒鳴らなくても良いじゃん」

 怒鳴りたくなるわと罵りたいところだが、ここは冷静に、「何?」と対応する。

「今、見たノートの楓ちゃんの様子だけでも見につき合ってくれないかな?」

「知らねえよ」

「とにかく僕が請け負う生徒一人でも良い。幸せかどうか一緒に見に行ってくれないか?」

「成仏するって言ったって、その仕方があんた自身、分からないんだろ。何の保証もないじゃん」

「じゃあもし僕が消えなかったら、ずっと黙っているよ。僕を空気だと思っていればいい。とにかく楓ちゃんが心配なんだ」

「それにあんた疫病神じゃん」

「僕は疫病神じゃないよ。あの時スロットで負けたのは僕のせいじゃないよ。偶然たっ君の運が悪かっただけだよ」

「・・・」

 俺の口から自然と溜息がこぼれ落ちた。

「たっ君」

 土下座の姿勢をする橘。

 まあ分からないけど、こいつはどうして俺にとりついて来たのは分からないが、とにかくこいつはこの件がすんで、たとえ成仏しなくても黙っていると約束したのだ。

 確かにこの前、スロットで三千円という大金をつぎ込んでも、ボーナスが一回も出なかったのは俺の運がたまたま悪かったのかもしれない。

 でもこんな奴にいつまでもとりつかれるのはゴメンだ。

 このままこいつを放置して、本当に一生とりつかれたらたまったものじゃない。

 だから俺は、

「分かったよ。様子を見に行けば良いんだな」

 すると橘は、

「ありがとう、たっ君」

 あまりの嬉しさに勢いに乗って、俺に抱きついてきたが、互いに振れる事も出来ないので、すり抜けてしまった。

 面倒な事になってしまったが、とにかく明日こいつの生徒だった楓と言う女性の様子を見に行かなければならない。

 まあ、でもとにかく問題がなければ、こいつの呪縛から逃れられるかもしれない。

 俺は何もない事を祈る。

 とりあえず、この楓と言う女の子の様子を明日見に行けば良いのだ。

 参考にこの楓と言う子の事が詳細されたノートを持って帰る事にする。


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