農民2 ボロ屋はつらいよ。
「うぅ、ぐずっ」
アイツめアイツめ!!異世界って人が敵なの?何なの?歓迎しろよ転生人を!
「あ、いたいた。おーい」
掛け声に俺は応答する。
「はい···」
「私です。さっきの」
青服······じゃない。最初の女性か。
「分かります。」
「どうしました?」
どうしたもこうしたもねぇだろ········。お前もどうせっ······!って言いたいけどこの人にまで嫌われたくない。説明するのも恥ずかしい。誤魔化そうとした時、
「······分かりました。受付に泣かされたんでしょう?あの人のクセで···転生してきた人、皆そうなってます。昔よりはましですけどね。」
何!?異世界で最初のトラウマが女だと!?もう··········いやっ!
「それで私の名前はクレファと言います。住まいは用意してあるので、ではまずそちらに行きましょうか」
「クレファさんは何してるの?」
「私ですか?不動産経営です。ついでにあなたのパートナーを任されました。常時共に行動することはできませんが、全力でフォローやヘルプをいたします。」
マ、マジ!?ヒロインクレファ決定!?いやいや早まってはいけない。それはこれから考えることにしよう。
どうこう行ってるうちに着いたな······。ここが······俺の······ニューハウス!!って言いたいところだけど········何このボロ屋·········?どういうこと?ここまで異世界は俺に冷たいの?
「言いたいことは分かります。すみません、どこも空いてなくて。ここを探すのも苦労したんです···どうかお許しを······」
············許す。だが、中はどうなってんだ?どうか·······どうか睡眠は取れる程度でありますように···········!!
「では中に入りますか。」
クレファがドアを開けた。
ギイッ······グギュッ
うわっ·········。最後の何!?怖っっっっ!!電気つけたいけどどこにあるかわからないな。というか異世界にはないか。ランプとかか。
「この家にはランプがないので、ロウソク300本を用意しときました。オマケですよ」
300本か。······300本!?オマケ!?みじんも嬉しくねぇ!!何処に置くんだよそんな数量······。
「それと色々な説明がまだでしたね。この国は「ペクトリア王国」といい、この町は「オリピアルト」と言います。たくさんの職業がありますが、基本的なものは、Lv.1農民、Lv.10バイト、Lv.30勇者、Lv.60勇者軍指揮者、Lv.75航海士、Lv.80地区警備員、Lv.999受付、といったところですね。この世界の人々全員が転生人ではないので、人によってレベルの感じ方は違います。現在相葉さんはレベル1ですね。」
多いな。これから頑張らないと暮らしていけないってことか······。Lv.999はやべぇな···。職業受付て······、いや待てよ?あの青服············レ、レベル999!?一体何やってきたんだよ······。