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序章ノ弐 スイカ
(ここは・・・どこだ?)
まぶたを開けると明るい太陽が見えた。
(僕は・・・どうしてこんなところに?)
体が重い。思うように動けない。
一体僕の体に何があったんだ?
というか。
(僕は・・・誰だ?)
「うめえええええええええええ!!!」
正午をすぎても太陽は静まるどころか更に勢いを増して照り続けていた。
「うるさい!」
霊夢は隣でスイカにかぶりついている友人を一瞥すると
自分もスイカを一口食べた。
シャキッという音とともに口の中が潤っていく。
「おいしいいいいいいいいいい!」
気づいたら自分も叫んでいた。
「いやぁ、うまい!これほど美味いとはさすがは最高級!」
「へぇ、これ最高級なのね。通りでおいし・・・ん?」
霊夢は手を止め、隣の友人を見つめる。
彼女は霊夢の友人だ。それゆえに霊夢も彼女の事には詳しい。
それゆえ、このスイカの在り処が気になったのだ。
「あんたこれ・・・」
「美味いものをみるとさ、手が出てしまうこともないか?」
「・・・。」
昼下がりの博麗神社に巫女の叫び声が響いた。