第九話 黄昏
一日一話が終わったとしても
一話2000字前後は変わらないんだZE!
はっはっは・・・・すみません・・
ノワールを飼い始めてから数日が過ぎた。
最初はノワールを避けていたシロも、今ではちゃんと世話をするようになった。
まぁ、それでも警戒はしているようだけどね。
ノワールの食事風景を、シロが無表情でじっと見ている一見ホラーな光景。
あ、どうみてもホラーでしたありがとうございます。
俺はそんな馬鹿なことを考えていた。
そして、餌を食い終えたノワールは俺の前にやってきて
「にゃ~」
と鳴き、お座りしていた。
「おぉーよしよし。お手!」
「にゃん!」
俺が右手を差し出すとノワールはお手をした。
その後ノワールを抱えて
「遊んでやりたいけど、今は忙しいからごめんな。
かわりにシロが相手してくれるよ」
どう見ても忙しくない俺からの振りに、シロは怪訝そうな顔で俺を見ていたが
ノワールを渡すとおとなしく撫で始めた。
「にゃ~ん」
「・・・・・」
うん、美少女と猫って絵になるよね!!
できればシロに早く感情を戻してやりたいけど、まぁ焦らずゆっくりと、ね。
俺はその光景をまだ見ていたかったが、忙しいのは嘘ではないので
「じゃ、俺は傷薬作りと畑の世話してくるよ」
と言いその場を後にしたのだ。
しかし、この薬草色々とおかしいよな。
アルが残してくれた物の一つだけど、一日で育つ上に種も落とす。
難点は食材として使えないことだけど、傷薬はいくらあっても困らないからね。
ただ、自製でシロのあの傷を治せる物を作れるってことは、
どんな傷でも治る薬とか売ってるのかな。
その辺りは気になるけど、今は関係ない話だしいいか。
俺はレシピ(アルの手書き)の通りに薬を作り、次元袋に全部入れた。
普通に使ってるけど、次元袋もすごい性能だよな。
一見ただの手の平サイズのボロい麻袋。その実態はただの袋・・・ではなく、
なんでも入るし、いくらでも入る不思議袋なんだよな。
取り出すときも出したい物を念じながら取り出せばいいだけだし。
アルがこれを使ってるのを見て羨ましそうにしていたら、
「シカタナいな。これをアげてもイいけど、ゼッタイにナくすなよ?
イッコしかナいんだからな」
なんて言って、俺にポーチをくれたのだった。
それ以来ずっと愛用しているポーチ。
アルですら一個しか持ってないということは相当レアなんだろうな。
そんなものを俺に上げるんだからアルは・・・・
ちょっと泣きそう。
話を戻そう。
薬草と薬のストックがやばいことになっているけど、ポーチがある限り自重しない。
ただ、こっちは順調なんだけど野菜の方の成果はあまり著しくない。
それでも一週間に一回収穫できるから贅沢は言えないけど。
でも安定する食料もそろそろ考えていかないとな。
俺だけなら良かったけど、シロが増えて最近じゃノワールも増えたわけだし。
幸いどっちもあまり食わないからいいけど、このまま木の実乱獲していると
いつか採れなくなってしまうだろう。
出来れば木の実を栽培出来ればいいんだけど・・・。
それか野菜の量を増やすか?
薬草はそろそろ数を減らしても構わないだろし。
うん、そうするか。木の実はこれから自重しよう。
俺は薬草・野菜を8:2から5:5に変えたのだった。
いや、薬草大事だしね?
「・・・にゃぅん・・・」
「すぅ・・・すぅ・・・」
帰ってきた俺を迎えたのは、寝ている一人と一匹だった。
よかった、シロとノワールの仲は良いようだ。
まあ、シロが一方的に警戒していただけなんだけど。
俺も寝ようかなと思ったが、俺が近づくとシロが多分起きてしまうだろう。
シロと一緒に寝てからわかったことだが、シロは基本的に俺の前で無防備ではないようだ。
一緒に寝ている時、俺が立ち上がったりすると
「どうした、の?」
と声をかけてくる。
俺をまだ警戒しているのだろう。
そう簡単に悪魔に似ている俺を信用するわけにもいかないだろうしな。
恐らく俺が近くにいるとぐっすり眠れないのだろう。
「シロ。もし俺と居ることでちゃんと眠れないなら一緒じゃなくてもいいんだぞ?」
と言ったことはあるのだが、
「だい、じょうぶ」
と返ってきたためどうすることも出来なかったのだ。
だから俺はたまにシロを一人っきりにすることにした。
きっと一人だけならば寝てくれるだろうと。
今までは見てなかったが、どうやら俺の作戦は成功していたようだった。
こんなにぐっすり寝ているシロは多分始めてみた。
・・・・ノワールが羨ましいとか思ってないから!!
俺は一人と一匹を起こさないように静かに外に出るのだった。
外に出た俺はこれからどうするか考えた。
ノワールがやってきた時、思ったことがあったのだ。
シロをこのままにしておいていいのか、と。
例え故郷を悪魔に滅ぼされたとはいえ、シロは人間だ。
やはり同じ人間と一緒に住む方がいいだろう。
いや、俺も人間だけどさ。
俺とだけ触れ合ってちゃダメだろう。俺自身、本で得た知識しかないからな。
人間達と一緒に暮らしたほうがいいのだろう。
悪魔は村とかたまに滅ぼしているらしいし、シロと似たような子もいるだろう。
シロの意思を尊重するが、シロは今の生活をどう思っているのだろうか。
悪魔に似た俺との生活を、シロは・・・・。
俺は沈んでいく夕日を見ながらシロとの事を考えてしまうのだった。
簡単!今回のまとめ
クロ「果たして、シロはこのままでいいのか・・・・」
一行!短い!流石!
予定というか前提で、シロが無表情キャラが変わるまでは過去編終わりません。終われません、二話の設定的に・・・