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不死不殺の魔王(打ち切り)  作者: 酢兎
第一章 現実逃避
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第五話 血まみれの少女

???視点


「はぁはぁ・・・」

油断していた。

最初にアレを使っていればよかったんだけど。

まさか一人隠れていただなんてね、不意打ちを食らっちゃった。

かろうじて返り討ち出来たけど、今の状況じゃとてもじゃないけど戦えない。

血は止めたけど、すでに大量の血が流れていたから全然足りていない。

魔界からは結構離れたけど、この森にだって魔獣とかはいるだろうし安心できない。

「っく!?」

足がもつれてこけてしまった。しかし、もう立ち上がる体力も残っていなかった。

「あぁ、もうだめ・・・かも」

瀕死なせいで意識も朦朧としていた。まさかこんな最後になるなんて。

私は仰向けに寝転んで、空を見上げた。

「きれい、だなぁ・・」

雲ひとつないきれいな青空だった。私はその光景を見た後、そっと目を閉じた。。

そうして意識が沈んでいく中、声が聞こえた。

「・・・・・ぃ!しっかりしろ!!」

その声を最後に、私は意識を失った。


クロ視点


ドサッ

「ん?」

アルが居なくなって数日、主が変わった住処を整理していると入り口付近で音がした。

誰か、或いは何かが来たのか?

俺は気配を消しながらゆっくりと入り口に向かっていった。

入り口につくと、そこには血まみれの少女が倒れていた。

俺は慌てて近づくと、

「大丈夫か!おい!しっかりしろ!」

少女を揺さぶるが返事はない。息はしているがすごく弱々しかった。

「これじゃ、無駄かもしれないが」

俺は少女を抱き上げ、治療するために住処に戻っていった。

少女をベッドに寝かせ、俺は応急手当用の道具入れを持ってきてその内の一つ、

アル特製傷薬を取り出し、少女の服を・・・・

「治療のためだ、許してくれ」

返事は返ってこないだろうが、一応断りを入れ少女の服を脱がした。

髪も白く、肌も白いそんな少女も血まみれじゃとても痛々しい。

少女の体に付いている血を拭き取ったあと、髪の毛を申し訳程度に拭ってやり、血が出ている箇所に薬を塗って包帯を巻いた。

「手当というにはひどいもんだが、ないよりかはマシだろう」

俺は手当を終えると、少女に服(少女の服は血まみれだったため、俺の替着)を着せた。

血まみれの少女の服を置いておくにはいかないので、俺は少女の様子を見て大丈夫そうだと感じ、外の川に洗いに行った。

しかし、一体あの少女は何なのだろう。あの血の量は普通じゃない。

この辺りの魔獣にあんな傷を負わせれるヤツなんていただろうか?

まぁ、なんだっていいか。今の状態じゃ助かるかどうかも怪しいしな。

そう思い、洗濯を開始したが中々落ちない血に苦戦を強いられてしまった。


少女の傷に薬を塗り包帯を巻きを繰り返して数日が過ぎた頃。

俺は驚きを隠せなかった。少女の傷の治りが早いのだ。

あんなにひどかった傷が今じゃもう目立たないぐらいになっていた。

この調子だと今日か明日にでも目覚めるだろう。

アル特製傷薬が効いたのか?

それとも少女事態の治癒能力が高いのかも知れないな。

おっと、今考えることではないな。

それよりも少女が目覚めた後について考えることにしよう。

この数日間、少女の正体を確かめるため血痕らしきものを辿って行ったのだが、魔界付近で途切れていた。

そこから考えるに、この少女は悪魔にさらわれたのだろう。

機を狙って脱出したのはいいが、途中でバレてしまい瀕死になった。

恐らくそういうことだろう。

「だとすると不味いよなぁ」

何がって、髪の色が。

アルとアルを呼びに来た悪魔しか見ていないが、恐らく悪魔は黒髪をしているのだろう。

だとすると村での扱いにも納得ができた。悪魔が皆黒髪だって言うなら怖がるに決まっている。

話がずれたが、この少女も恐らく俺の髪色を怖がるだろう。

せっかく逃げ出したのに目が覚めても悪魔じゃ絶望してしまうかもしれない。

ならば、少女が目が覚めたらすぐに追い出してしまおうか?

少女を狙っていた悪魔も多分もう諦めているだろうし。

そうするか。俺もあまり人間に関わりたくないからな。

とりあえず起きた後の予定も決まったし、しばらく放置していた整理を再開するとしますか。

ついでに傷薬も補充しておこう。もしかしたら結構効果が高いのかもしれないし。



???視点


「ここ・・は?」

目が覚めた時、私は知らない場所で寝ていて、知らない少年が隣で寝ていた。

寝る前、いや目が覚める前私は何をしていた?

そうして思い出した事実、血まみれで瀕死だったはずの自分の体。

しかし今の私は怪我など一つもなく血も見当たらない。

恐らく、そこの少年が治療してくれたのだろうけど・・

「悪魔が、私を治療?」

髪の色を見て少年が悪魔だと思い、そして疑問に思った。

本来ならすぐにでも悪魔を殺すか、この場を抜け出すべきなんだろうけど私はそうしなかった。

例え悪魔であろうとも治療してくれたことには変わりないのだろうし、

治療した後に何かするつもりでも油断さえしなければまた同じ事にはならないだろう。

私はそう考え、急に襲ってきた睡魔に抗わずそのまま再び寝ることにした。


簡単!今回のまとめ!


少女「ドジって瀕死になっちゃった。バタッ」

クロ「うお、瀕死の少女発見。とりあえず治療しよう」

少女「悪魔が治療してくれたおかげで助かった!目が覚めたけど、また眠くなったので寝ます」


ついにシロ登場 過去編はあと二話予定

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