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ヒツジさんの執事さん  作者: 美琴
第一章
9/67

9・収穫祭 後


 ……さて、どうしたものか。

 見知らぬヒトに口を塞がれ小脇に抱えられてぶら下げられた状態で、考えてみた。

 驚く事に、まさかの大絶賛拉致られ中である。

 突然、後ろに引っ張り上げられてジュースをカップごと落としたあたしに、隣に座っていたメルルは気が付いた。彼女の驚きの声に反応して、少し離れて座っていたクルウや他の子供達も、皆気が付いたようだった。

 ただ、それで立ち上がり行動を起こすよりも、誘拐犯の動きはもっと早かった。

 どうやら、誘拐犯は2人組。あたしを抱えているヤツと、もう1人。

 口を塞がれて固定されてるので見上げられないが、この手の肉球でもなく羽でも蹄でもないゴツゴツした感じから察するに、爬虫類系ではないだろうか。

 あたしを持ち上げ走る2人は、演劇場から即座に離れ、比較的シラフの人が多いこのサーカスエリアから酔っ払いでごった返すビアガーデンエリアへと迅速に移動していた。

 人ごみに紛れてしまうと、スタートダッシュで遅れたクルウ達が追いついてくるという事は考えづらい。

 開始から数時間経ち、日が暮れた今となっては、幼児を小脇にかかえた死ぬほど怪しい2人組を注視するヒトも殆どいない。なんせ、村ごと酔っ払いだし。

 ……おい、大人の皆様。勘弁して欲しいわ。

 勿論、ほぼ空になったほかの村や、この村も警備する駐屯兵のわんこさん達がいるのだが。それに遭遇する可能性は、低い気がする。

 その巡回路を知らずに拉致を決行するほど、頭悪くないだろう。

 知らなかったとして、大騒ぎのオオトラどもの対応で手一杯という可能性。

 ……さてどうしよう。いや、ホントに。

 冷静だなと思われるかもしれないが、驚きすぎると逆に冷静になるものです。というか、取り乱しても事態は好転しない。

 なら、大人しくしておいて油断でも狙った方が良いだろう。


「いけそうか?」

「ああ。誰も気付いてねぇな、収穫祭様サマだぜ」


 徐々に周囲から人通りが減っていく。だが、それでも居るのは酔っ払いどもだ。

 走るのに不便しなくなった辺りで、2人がいかにもごろつき風のガラの悪い声で話すのが聞こえた。

 2人とも男だ。やっともう1人の姿がなんとなく見えた。案の定、トカゲだかイモリだかヤモリだか、多分それ系の爬虫類さんだ。


「しかし、こんなレアモノが無防備に歩き回ってるたぁな。これは、俺達にもツキが向いてきやがったぜ」

「全くだ。ニンゲンなんてついぞ見ねえ上に、まだ子供だからな。高く売れるぞ!」


 売る気満々か。ま、ですよね。

 しかし、隣に居た領主の娘を無視してあたしか…。領主脅して金取るより、あたしを売った方が高くなるのか。まあ、絶滅危惧種の珍獣だしなあ。

 でも、あたしは好事家で稚児趣味のおじさまのお世話になるのは断固拒否だ。…おばさまでも拒否だ。

 どんな状況になろうともしぶとく生きる腹積もりではいるが、それを甘んじて受けるつもりもないので。


「どわっ?!」


 さてどうやって逃げようと考えていたら、キモイ笑いを零していた男達のうち、あたしを抱えていない方が突然すっころんだ。

 それで姿をしっかり確認。トカゲだ、茶色っぽい。

 何だとよく見たら、暗くなった道のど真ん中で、誰かが大の字になって寝ていた。

 おい、酔っ払い…


「おぉ、悪い悪い。ちょっと飲みすぎて、星が見たくなってなぁ~。おぉいリシッツァ、そろそろ起きろって……」


 その隣で座っていたらしい誰かが、随分と間延びしてほわほわした口調で謝ってくる。

 聞き覚えのある声。

 よくよく見れば、酔いつぶれて寝ているのは、さっき見かけた狐さんだ。

 そして、彼をリシッツァと呼ぶ隣で星を見ていたらしい……、ちなみに道のど真ん中である事には変わりない…、そこに居たのは、ウルガさんだった。

 へらりと笑った彼は、転んだトカゲと、その隣のあたしを捕まえている男を見る。

 必然的に、口を塞がれて抱えられたあたしは、ウルガさんと目が合った。

 途端に酒気を帯びてぼんやりしていたオオカミさんの瞳が、さっと正気になる。


「てめぇら!! マリ坊に何してやがる?!」


 初めて聞くウルガさんの怒声は、もう酔いなどカケラも感じさせない鋭い物だった。腰を降ろしていた状態から即座に立ち上がる動きも流れるようで、無駄がない。

 けれど、トカゲ達も決して怯まない。転んだトカゲもすぐに立ち上がり、あたしを抱えた方は離脱の隙を伺って僅かに足を後方へと向けようとする。

 目の前のオオカミは酔っ払いとは言え、容易には突破できない障害であると彼らは判断したらしい。

 意識は、当然目の前のウルガさんへ。

 そのお陰で。ほんの僅か、あたしの口を押さえていた手が緩んだ。

 無論そんな千載一遇のチャンスを逃しはしない。


「いってえぇぇぇぇ?!!」


 上がる悲鳴。ほんの少しの隙間を利用して、口を押さえていた手を思い切り、噛み千切るくらいのつもりで噛み付いてやった。

 誘拐犯に、手心など加えません。

 思わず手を離した誘拐犯から逃れ、地面に両手両足使って着地し、痛みを堪えながらももう一度あたしを捕まえようとした男に、むしろ突進する。

 その動きは予想外だったのだろう。思いっきり体重を乗せて、みぞおちに頭突きを入れたら頭上で『ぐえっ』と声がして、後方に倒れこんだ。ざまあ。

 人体急所が基本的に体の中心にある事くらい知っている。みぞおちとか鼻とか顎とか喉とか股間とか。

 反動であたしも頭痛いけど、それを我慢して数歩分距離を取る。

 あたしを捕まえていたのは、イグアナだった。

 …普通のグリーンイグアナとかは可愛いと思うけど、ごろつきの誘拐犯だと思うとただの人相悪い怪獣もどきだわ…

 さて、と。

 殆ど運だが、拘束状態からは逃げられた。

 あたしがみぞおちキメたイグアナを足止めできるのなんて、ほんと10秒あるかないかだろう。

 もう1人はウルガさんと睨み合いが続いている。うかつにあたしへと動けない様子。

 ならば。


「マリ坊、逃げろ!!」

「お言葉に甘えて!!」


 ウルガさんが叫ぶと同時にあたしも行動に結論を出して、迷うことなく踵を返して全力でこの場から離脱した。

 彼が強い人なのか知らないんだけど、もし強かったとしても2対1は分が悪い。あまつさえあたしがこの場に居たら、彼はあたしを守らなければいけなくなる。最悪、1人がウルガさんを抑えているうちにもう一回捕まってしまう。

 足手纏いは、速攻離脱こそが最善だ。

 しかし、この後はどこに逃げるか。憲兵さんを探し出して通報するのが一番いいが、今何処を巡回しているかは解らない。

 大人達の殆どは酔っ払いで使い物にならないし。

 子供達と合流して、どうにかなるもんでも無い気がする。

 よっぽどの金ヅルみたいだし、これであたしを諦めるかと言うと、しつこく探し回るような気もする。

 というか、今逃げ切っても、後日また来るんじゃないか。

 この村に、あたしが居るって知れてしまったのだから。


「待て、クソガキー!!」


 速攻追ってきたよ!!

 チラっと見ると、イグアナの方があたしを追って走ってきている。トカゲは、ウルガさんが抑えてくれてるんだろうか。それだけでも助かるけど。

 人ごみに紛れちゃうか…?

 とっ捕まえてやりたいトコだけど、さすがにあたし1人じゃ無理な相談だ。見渡した感じ、憲兵さんもいないようだし…


「マリヤ! こっち!!」

「ムッカ?!」


 物陰から、ひょいと顔を出した小さな牛さん。

 急遽全力ダッシュしていた所を急制動をかけて、そちらへと駆け寄る。


「とまらないで! そのまま、このみちをまっすぐいって!」


 ムッカが右手で示した方は、人通りが殆ど無い。

 けれど、そっちに何があるのかは解る。

 あたしが走り抜けるや否や、ムッカは手にしていたバケツの水を地面にぶちまけた。


「こおれー、ピキーッ!」

「うおっ?!」


 ムッカの魔法で、地面にまかれた水が氷へと変わり。あたしを追ってそこに足を踏み入れたイグアナは見事に足を取られて素っ転ぶ。ざまあ!

 ムッカはそのまま、サっと再び物陰に入り姿を隠す。

 ごろつきの怒声が聞こえるが、結局ムッカを追わずにあたしを追ってくるようだ。

 …よっぽど美味しそうなんだろうな、あたしは。金銭的に。

 当然ながら外灯なんてない、大通りからも離れた薄暗い道を駆け抜けて、ムッカがこっちと言った先であろう場所には辿り着いた。

 クルウのおうち。スゴン村の4つの牧場の内の1つ、だ。

 祭りの間は門が閉まっている筈なのに、細く開かれている。

 そこから身体を牧場の中へ滑り込ませる。

 やっぱり誰も居ないように見える、家の中も暗い。

 ただ、そこかしこでがたごとと、誰かが何かをしているのだけは察せられた。

 …どうやら、味方は多いようだ。そして、考えている事も、あたしと大差は無いと見た。

 門から離れて、牧場の奥へと走っていく。ここ暫く、クルウのとこの牧場で遊んでいたから、何処に何があるのかは大体解っている。


「まりやー! こっちー!」


 積み上げられた牧草の上から、女の子の声。これは確か、クルウの妹のあの象さんだ。

 その案内に従って、牧草の山を掠めるように走る。

 いい加減足止めして貰ったりしているが、向こうはあたしを見失ってはいない。

 困ったことに、今日は月が綺麗な夜なのだ。あたしの金髪が月光を反射して、目立つことこの上無い。

 だからあのイグアナはかなり距離が離れてもあたしを追ってくるし。

 同時に、クルウ達はあたしが逃げてこちらに戻ってくるのを見つけて、誘導したりこの牧場に誘い込む作戦を決行したり出来たのだろう。

 きっと一生懸命後を追ってくれてたんだろうな……


「待ちやがれ、この……ぶほっ?!」


 そろそろ、全力ダッシュもキツい。

 誘う目的も兼ねて少しだけペースを落とすと、向こうはさすがに荒事になれているのだろう大人の体力と脚力だ。

 あっという間に距離が詰まった、……と思ったら、牧草の山の上から何か落ちてきた。

 バケツ。金属製のバケツが、イグアナの頭に綺麗に被さった。

 そのバケツから、ぼたぼたなんか落ちている。…まさか、牛糞か…?

 こ、これは牧場の子供ならではの、エグいトラップ…!!


「…く、……そ、ガキがぁぁぁぁぁっ!!」


 当然のように、更なる激昂をするイグアナ。気の毒に、でもざまあ!!

 アレは足止めもあるだろうけれど、怒らせる目的の方が多いんだろうな。

 何せ、相手は大人だ。体力腕力もだが、あたし達よりも多くの魔法を扱う可能性がある。

 けれど、魔法を使うには相当な集中が必要になる。我を忘れて魔法を使っても、発動しないかしても大した効果が出ない。そもそも、走ってたら多分使えない。

 魔法使いへの常套手段よね。ただでさえこの世界、生活魔法レベルとは言え、誰もが魔法を使うんだから。発想次第ではとんでもない複合魔法も生み出せそうだしね。

 という訳で、あたしも走ってるから魔法使えないが、立ち止まった時に即座に使えるように冷静さは失わないで置こうと努めて居る訳だ。

 牧草の山の間を縫って走り抜ける。

 この先は、えーと……牛さんの洗い場があったような。

 イグアナは、牧草の山の上の子供達はシカトして、やっぱりあたしを追うようだ。まあ他の子を追って肝心のあたしを見失ったら、ヤツら的には骨折り損のくたびれ儲けだしね。

 や、儲けさせてやる気などさらさら無いが。

 暫く行くと、木で出来たコンテナがいくつも置いてある場所に辿り着く。資材置き場は近いんだけど、ここ暫くバタバタしてたせいで、結構放置されちゃっている。

 それが、今は有難い。


「ひだりから三つ目入って、そのまままっすぐ洗い場に行け!」

「転んじゃダメよ、マリヤ!!」


 聞こえた声は、クルウとメルルのもの。

 2人が居るってことは、王手は近いようだ。

 あたしへの指示の声は、無論イグアナも聞いている。

 手を噛まれみぞおちに一発決められ、氷で転ばされ牛糞を被せられた彼は、相当な激昂状態だ。

 もうそこで諦めればいいのにとも思うが、ここまできたら最後まで付き合ってもらおう。

 クルウに言われた通りに左から三つ目のコンテナの脇を曲がる。無造作に放置された木箱の間はまるで迷路のようだ。

 でも、場所の把握は出来ているし、洗い場に行けと言うのだからそちらに向かうのは出来る。クルウとの鬼ごっこも散々しましたからね!

 やっぱり、人生何でもやっとくもんだ。お手伝い、しておいて良かった。

 コンテナの合間を抜けきった辺りで、足元に何か粉が撒かれているのに気がついたが、用途は想像出来たので気にせず走り抜ける。

 そこはもう、洗い場だ。

 次いで、イグアナもコンテナの隙間を抜けようという所で。


「風よ、来なさい!」

「吹きあれろ、魔の風よ!」


 メルルとクルウの風の魔法が、イグアナの足元に撒かれていた粉を吹き上げ、完全にその視界を奪う。

 それにしても、何度聞いてもクルウの呪文の恥ずかしさったらよ。なんだ魔の風て。

 まあそれは今は良いとして足元の粉、…多分小麦粉かコーンの粉…にまかれたイグアナはそれでも前進を続けて。

 直進方向にあった大きなタライに足を引っ掛け、そのままバシャンと満たされていた水に突っ伏す事になった。

 ほんの数秒だけ、待ってあげる。

 両手をつき、顔を水から出したのを確認したところで。


「アイス!!」

「ピキーっ!!」

「こおれーっ!!」


 あたしとムッカと、ラビアンさんの娘さんであるミミィ、三人分の氷の魔法が即座にタライいっぱいの水を氷に変える。

 そして、イグアナは大きなタライの中で、両膝と両手を氷中に突っ込まれた状態で固まった訳だった。

 窒息しないように顔上げるまで待ってあげただけ、有難く思って欲しい。


「まったくもう! コドモを連れ去ろうとしたあげくにコドモにいいようにやられて、はずかしいオトナね!」

「ホントだよ、てめーオレの友だちに何してくれやがんだ!」

「このクソガキども…! タダで済むと思ってんのかコラァ!!」

「言ったなコノヤロ! エレナ、牛糞もういっぱい持ってこい。もっかい食らわせてやる」

「今度こそちっそくしちゃうわよ、それ」


 メンチを切るゴロツキなど何処吹く風と、子供達はわらわらと集まってきてイグアナをいぢめ出す。

 二杯目の牛糞は流石に嫌なのか、そんな物で窒息するのは御免なのか、本当に持ってこられた二杯目に青ざめていたが。まあ、手を封じられてるから自分ではずせないしね…

 そういえば、もう1人のトカゲは追ってこないけれど、どうしたんだろう。

 思っていたら、急に足から力が抜けて。ぺたん、とその場に座り込んでしまった。


「! マリヤ、どうしたの?! 大丈夫?!」

「どっかケガしたか?! 足か、おい、平気か?!」


 慌ててメルルとクルウがあたしに駆け寄る。

 あーもう、ホントに。


「だいじょーぶ…。つかれたのと、ちょっと、安心しただけ」


 極度の緊張状態から解放されると立って居られなくなるなんて、聞いた事があるだけで経験したのは初めてだ。

 誘拐なんて、前世でもされた事は無い。

 頭の中身だけでも大人として。努めて冷静で居たつもりだけど、やっぱり動揺したり不安だったりはあったようだ。

 へにゃりと笑うあたしに、メルルもクルウも安心したようだった。クルウはほっと息を吐き、メルルはあたしをぎゅうっと抱き締めてくれた。

 もー、ホント皆大好き。

 子供達だけで追ってきて助けてくれたってのは、普通考えて危ないことなんだけど。でもやっぱり友だちとして、嬉しいなあ。泣きそうだよ。


「おーい! マリ坊、メルメル、クー坊、無事かー?!」

「君達、大丈夫ですか?!」


 遠くから聞こえてきたのは、ウルガさんの声と、知らない男性の声。

 ちっちゃい子達が迎えに行き、やって来たのは先ほど助けてくれたオオカミさんと、茶色い毛並みの犬の憲兵さん。毛並み的にゴールデンレトリーバーか。


「良かった、無事だな! 悪かったな、一人逃がしちまってよ。怖い思いしただろ」

「だいじょうぶ。…ありがとウルガさん、あなたがいなかったら、つれてかれちゃってたと思うわ」


 どういたしまして、とウルガさんはあたしを撫でてくれた。

 彼も無事で、特に怪我をした様子はない。てことは、トカゲの方をやっつけて憲兵さんに通報してくれたのか。

 犬の憲兵さんはすっかり観念した様子のイグアナの氷を砕いて、猿轡をかませて両手も皮の手錠で固定し、びしっと敬礼して去っていった。

 収穫祭の後で、細かい事情なんかは聞かれるんだろうけれど。

 何はともあれ、とりあえずは一件落着だ。


「ありがとうね、ウルガさん! マリヤを助けられたのも、あなたのおかげだわ!」

「ちょーおおてがらだぜ! ウルガ、こんどオレの宝物やるよ!」

「いいっていいって。何事も無かったんなら、それが一番だからなぁ」


 メルルやクルウを始め、子供達に英雄扱いされて照れくさそうにウルガさんは鼻を爪で軽く掻く。

 しかし、草食系だと思っていたけど、ウルガさんって強いのね…

 頼りになるお兄さん、という認識をしても良さそうだ。

 ……ところで、道で大の字で寝てた狐さんは、どうしたんだろう…。元を正せば、彼のおかげでもあるのだけれど…




 夜が明けてから憲兵さんとウルガさんに話を聞いて、ゴーティスさん達は大層驚いて、随分とあたしを心配して、抱きしめてくれた。

 割と酷い目にあったが、そんなにトラウマになるような事でもないので大丈夫なんだけど。でも心配されるのは、申し訳ないけどちょっと嬉しいなあ。

 わたし達でまもったから! …と胸を張るメルルは可愛いが、それはそれで危ない事をしないの、とちょっとたしなめられていた。

 ……しかし、本当にアレだな。

 平和なのはそうなんだけど。コレを機に、ちょっと色々考え直すべきかもしれない。





 バカとハサミは使いよう。子供の魔法も使いよう。


 相当な達人クラスでも、激昂状態・激しい運動中は魔法なんて使えません。

 あとは発声出来ないと魔法使えません。

 魔法使いには状況把握と冷静さが必要なのです。誰もが魔法を扱えますが、本物の『魔法使い』はそれはそれで絶滅危惧種です。



(2014/7/7 誤字脱字、他一部表現を修正)

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