2・新しい世界
幸いにも、ファーストコンタクトした人間大・二足歩行オオカミに即座にぱくりと食べられるような事は無かった。
ただ、それが本当に幸いだったのかは、非常に微妙。
只今あたしは周囲を先ほどのオオカミを初めとした動物達に囲まれ、その視線を一身に受けていた。なんというか、精神と胃にとても悪い。
「見た事がない子ねぇ、何処から来たのかしら」
「まだ子供だよなあ。親御さんが心配してるんじゃないか」
野菜籠を置いてきた豚さんが、首を傾げる。至近距離で牙を見せ付けられ腰を抜かしたあたしを小脇にかかえて村の中に連れてきたオオカミさんも、心配そうな声色だ。
非常に同情的な雰囲気であるのは、解る。
どこぞやの民家の庭先の木箱にちょんと座らせられたあたしを、彼らが取り囲んでいたというか、心配して集まってくれたようだった。
平和そうな雰囲気に違わず、この村に居る人……というか動物達は純朴で、とても良いヒト達のようだった。
「旅行者って雰囲気でもないし。ねぇボク、お名前言える?」
「……ま、まりや」
「あら良かった、言葉はおんなじね。お父さんやお母さんは、どこか解る?」
「…解り、ません」
いや、もう言葉が同じ事を驚いているのはあたしもですよ!!
品の良い服を来たヤギの女性があたしを覗き込む。きっと小さな子供に対して優しく接しようとしているのだろうけれど、怖い! 怖いのよ!! ヤギのドアップは!!
なんというか、王道ファンタジーとして獣人がいるという事実を受け入れる事は可能。
けれど、何処を見てもあたし以外に人間が居ない。
全てが二足歩行で服を着て、言葉を喋る動物達。
基本的に、人間という種族は突出した特技を持たない代わりに、平均的な能力と、大抵の環境に適応出来る柔軟性を持った種族だと思っている。
だから、どんな物語でもその数を増やし、広く分布し、故に世界における代表的な種族となる、…のだと、理解していたのだけれど。
彼らは、あたしを『人間』という種族だと認識していない気がする。『珍しい』と言っているから、他種族だとは思っているようだが。
となれば、この世界において『人間』はとても珍しい種族で。下手をすれば、ヒエラルキーの下の方に位置するのかもしれない。
そう、いつか見た映画で、星の頂点に猿が君臨し、人間を奴隷にしているような……
確かにそれなら『上ランクの知性体』として人間に転生した事は正しいが、そうだとしたらあたしの将来は真っ暗だ。
幸か不幸か、彼らはあたしをただの見た事の無い珍しい子、としか見ていない。
とすれば上手く種族の事をごまかして……
「何事ですか、皆さん。こんな所で集まって」
「おお、丁度良かった! オウリア先生、この子が森の中で行き倒れ寸前だったんですよ!」
行き倒れてた覚えは無い! ただ、アナタのいかつい顔に腰を抜かして、立てなくなっちゃっただけです!!
オオカミさんがぱくぱくと、大きな口でヒトの言葉を喋るのが違和感あって仕方ない。アナタに限った事じゃないけれど、声帯や舌はどうなっているの…
オウリア先生、と呼ばれたのは、やっぱり人間サイズの梟だった。しまった、鳥というパターンもアリなのか。予想外。この分なら、まず間違いなくリザードマンも存在するだろう。
鳥のクセに小さな丸めがねをちょこんとつけた梟は、あたしをまじまじと見つめる。
それから、ばさっと音を立てて両手、というか両羽を振り上げ、漫画みたいに飛び上がった。
「この子…! この子は、人間じゃないですか!!」
うわあ!! 認識できるのが居た!! 流石、めがねキャラは頭が良いって、誰かが言ってた!!
ざわりと周囲の動物達の雰囲気が変わる。
まずい。これは非常にまずい展開。
このままこの年にしてヒエラルキー最下層に落っこちて、奴隷か召使扱い一直線?! …ならまだいいけど、今度こそ食べられるっ?!
自分でも解るほど血の気が引いた。切り替えが早い、楽天的があたしの長所ではあるけれど、そんな展開は許容量を超えてしまう。
せめて、…せめて生のままは勘弁して欲しい! いっそトドメを刺してから…!!
「かわいそうに! こんなにくたびれた格好で、苦労したのでしょうね!!」
「はうっ?!」
ばふ、っとオウリア先生の翼に包まれた。
こ、…これは、極上の羽毛布団の感触…!!
…じゃなかった、ええと、それは、どういうこと??
「まだ生き残りが居たんだなあ。父ちゃんや母ちゃんとはぐれちゃったか?」
「大丈夫よ、怖がらないで。貴方達と戦争をしていたのは、もうずぅっと昔のお話なんですから」
ふかふかの羽毛に抱き締められ、ぷにぷにの肉球に頭を撫でられ、ヤギの女性には謝罪を浮かべた瞳を向けられる。
……んー、と。
察するに、かつて人間の国とこの動物達の国は戦争をしていたらしい。そして、人間達は負けてしまった。きっと、駆逐されるようなレベルで。
けれどその歴史を、彼らは正しいとは思っていない。経緯は勿論解らないけれど、今この時代の彼らは人間を憎いなど思っていないし、滅ぼした事を後悔している、のかしら。
「どっから来たとか、本当に解らないか? おくってってやるぞ?」
「わからない、です。…気がついたら森にいて、ここまであるいてきました」
彼らの同情心を戸惑いに変えない為にも、女言葉にならないよう、意識して敬語を使う。これなら、口調による男女の差異は解らないし、しっかりした子供という印象も与えられる。
「あの、ここに置いてもらえませんか。…いっしょうけんめい、お手伝いとか、します。いくところが、ないんです」
身寄りの無い絶滅危惧種? であるあたしを、彼らはどう扱うだろうか。
村人達がとても善良である事は理解出来た。とりあえず、即座に食われるという展開にもならないようだし、他に行くあてもない。
オオカミさん以外は、肉食動物も居ないようだし。…あ、いや梟は猛禽類だから肉食かもしれないけれど、彼女は特にあたしに同情的だ。まだ、ふわふわの羽の中に居る。
「……どうしますか? 私が引き取っても構いません」
「いや、先生はお忙しいでしょう。ここは俺が」
「独り身の男の所に、こんな小さな子を預けられないよ!」
「う~ん、先ずは領主さんにお伺いを立ててからじゃないかね、そういうのは」
とりあえず、誰も追い出せと言い出すヒトは居ないようで、ほっとする。
領主さん、と大柄な牛さんに呼ばれて視線を向けられたのは、あたしが遠目から初めて見た羊さんだった。
仕立ての良い服を着てパイプを咥えた、紳士然とした羊さんは、確かに他の村人達と違った上品な雰囲気を持っている。
彼はぷかりと煙を吐き出すと、箱の上に座らされたままのあたしと目線を合わせるようにしゃがみこんだ。
「始めまして、私はこの地方を任されている者で、ゴーティスという。マリヤ君、だったね?」
「…はい」
「きっと、大変な思いをして、ここまで来たのだろう。一人ぼっちになっても泣かずに、きちんとお願いも出来る、とても良い子だ。ご両親が君の将来を心配して、しっかりと育ててくれたのだね」
撫で撫で、優しく髪をなでてくれる。
偶蹄目だけあって肉球のオオカミさんの手より柔らかくはないけれど、撫で方でこの羊紳士がとても良い人なのだと解る。
「どうだろうね、シフィル。私はこの子を、うちで引き取りたいと思うのだが」
「ええ、あなた。わたくしもそうお願いしようと思っていたところです」
傍らに居た、先ほどあたしを気遣って覗き込んでくれたヤギの女性は、どうやら羊紳士の奥さんであるようだった。……そういう種族の隔たりは別に無いんだ。
2人は視線を交わし合い、目を細めあう。…多分、微笑み合ったのだろう。
「君さえ良ければ、うちにおいで、マリヤ君。うちには君と同じ年頃の娘が居てね、友達になってやってくれると、私達もとても嬉しい」
「……はい。ありがとうございます、よろしくお願いします」
「ふふ、畏まらなくても良いんですよ。これからゆっくり、家族になりましょうね」
うわあああすっごく良い羊さんとヤギさんの夫婦だああぁぁぁ。さっきドアップが怖いとか考えてすいませんでしたー!!
あと、ありがたいけど畏まってないとうっかり女言葉になりそうなんですよ!!
ここでドン引きされて前言撤回されても困る!!
……打算的だなあ、あたしは。こんな良いヒト達相手に、少しどころじゃなく申し訳ない。
「良かったな、坊主! ゴーティスさんの所なら安心だ、まあちょっとお嬢さんが気難しいが上手くやれよ!」
「ここにもいつでも遊びにおいで、あんたはこれから、私らの仲間になるんだからね!」
「是非、学校にも来て下さいね。子供はよく遊び、よく学ぶべきなのです」
ぐしぐしとオオカミさんに頭を撫でられ、豚のおばさんは恰幅の良い身体を揺らして笑い、梟のオウリア先生も羽の先で眼鏡を上げる仕草をする。
うっわああぁぁ、このヒト達本気ですっごい良いヒト達だあぁぁぁぁ!
初見だったから仕方ないとは言え、しばらく本気で怯えてて申し訳ありませんでしたー!!
良かった、どうなる事かと思ったけれど、なんとか生きていけそうだ。
ヤギのシフィルさんに手を引かれて、歩き出す。地方を任されている領主様、というだけあって、村のはずれには馬車が止められていて、それに一緒に乗せて貰う。
お、お金持ちだ。
流石にこのまま本当に養子になるって言うのは、図々しいわね。
奴隷なんて御免だと思ったけれど、この優しいヒト達の所で下働き、とかなら充分に許容範囲内だ。むしろ、喜んでお手伝いさせて頂きたい。
もう滅んでしまったらしい敗戦国の種族なくらいだし。それが領主様に引き取ってもらえて仕事を貰えれば、間違いなく破格の待遇。
……強いて言えば、同族が居るか居ないかも解らない、というのは、少し切ないけれど。
あ、…ってことはあたし、今回の人生でも恋人は出来なさそうなのか。
……いや、まあいいか。今のあたし、どっちに恋愛感情を持てばいいのかも解らないし。むしろ変な状況を招かない為にも、同族には出会わない方がいいかもしれない。
男として生きる事は腹括ってるけど、20年以上培った女としての感覚や精神が簡単に覆るかと言ったら、そんな事はないんだろうしね…
「マリヤ君、どうしたの?」
「えっ? …あ、その。なんでも、ないです…」
果たして、馬車の窓から外を見て遠い目をしていたのを、どう思われたのやら。
多分、同族が他に居ない事とか、両親とはぐれて知らない環境で生活する事になる不安とかを感じている、と心配されたのだろう。また、頭を撫でられる。
…実際、こうなったのだから、食われる心配がないのなら後はなるようになれ、とか吹っ切れてたりするのだけれど。
割と、あたしは乙女にあるまじき図太さを前世から持っているので。
――――――
あの村から馬車で10分ほど、だろうか。
領主様のお屋敷は、先ほどの村にあった家の、およそ5倍ほどの大きさがあった。
その周囲に立派な石造りの塀があり、しっかりした門もある。
「おっきな家…」
「ははは、私はこんな田舎地方の領主だからね。小さい方なんだよ」
これで?!
となると、大きな街を抱える領主や、貴族はどれだけでかい屋敷に住んでるんだ。
謙遜なのか事実なのかは解らないが、笑うゴーティスさんとシフィルさんの後について、門をくぐり屋敷の中へと入っていく。
小さいなんていうが、中もやっぱり綺麗にされていて、立派だ。
石造りのお屋敷には、飾り剣が壁にかけられていたり、複雑な模様が織り込まれたタペストリーが飾られていたり。廊下には絨毯もひかれて、生けられた花も花瓶も品が良い。
鼻につかない方向性の、お金持ちだなあ。
「お帰りなさいませ、ご主人様」
真っ白な兎のメイドさんが、うやうやしく礼をして出迎えてくれた。わあ、素敵。
メイドさんはすぐに旦那様と奥様だけではないと気付いて、視線をあたしに向けて、不思議そうに首を傾げる。耳がぴこんとなって、可愛い。
「…あの、そちらのお子様は?」
「ああ、私が引き取った子供だよ。名前はマリヤ君、人間の生き残りだそうだ」
「まあ…」
くりっとした赤い瞳が、ますます驚きで丸くなる。
その様子に驚きは見えるが、嫌悪やそれに類似する感情は見えない。
どうやら、人間というだけで無駄に敬遠されるような風潮ではないらしい。その事は本当に安堵した。
それから、メイドさんに向き直って、ぺこりとお辞儀する。
「マリヤです。今日からおせわになります、がんばりますので、いろいろ教えてください」
「あら、ご丁寧に有難う御座います。宜しくお願いしますね」
やっぱり、この兎メイドさんも、良いヒトだ。
こんな小さな子供に、引き取られた絶滅危惧種の孤児に、同じようにお辞儀を返してくれる。
ヘタすれば稀少種族として売り買いされたり、ペット扱いされても不思議ではないと思うのだけれど、真っ当な人格の持ち主が沢山いる世界でよかった…
「お父様、お母様! お帰りなさーい!!」
兎さんとほのぼの微笑み合っていたら、急に上の方から元気な少女の声が降って来た。
それから、たたたたっと軽い足音がして、階段から降りてきたピンクと白のふりふりしたワンピースを着た小さな羊さんが、ぴょんっとゴーティスさんに飛びついた。
…ああ、彼女があたしと同じ年頃の娘、なのか。
羊とヤギの子供は羊……いや、やめよう。深く考えたら、きっと負けだ。
「ただいま、メルル。良い子にしていたかい?」
「もちろんよ! 予定よりおそかったから、何かあったのかって心配して…」
すりすりお父さんに甘える幼い羊さんは、ふとあたしと目が合った。
言葉を途中で止めた彼女は、お父さんの腕の中からすとんと着地すると、つかつかとあたしの傍に寄って来る。
その視線は、明らかに胡散臭いものを見る目。
「……なぁに、この子。汚いカッコ」
まあ…育ちの良いお嬢様からすれば、当然の感想だと思う。
正直、あたしが今着ている服はかなり汚くて粗末なものだ。村人達と比べても、ハッキリ解るほどに。
自分ではあんまり気になっていないが、もしかすれば結構な体臭もあるのかもしれない。
「あの、…はじめまして、マリヤと言います」
「ふぅん。わたしはメルルよ、それでアナタは、どうしてここに居るの?」
警戒心を隠さない刺々しい口調だけれど、名乗られれば名乗り返すくらいの礼儀は持っているらしい。そのせいか、別段苛立ちは感じない。
というか、自分の家に知らない、小汚い誰かが来れば、当然の反応だし。
「メルル。その子はね、人間なんだ。家族と逸れてしまって、行くあてがなくなってしまったんだそうだよ」
「それで、お父様が引き取るって言って連れて来たのね」
説明の途中で、娘は父の行動を見通した。
年の頃はきっとあたしと変わらない、という事は10に満たない年で、聡明な娘さんだ。
お父さんは難しい年頃の娘の反応が気がかりなのか、今までの余裕を持った紳士の雰囲気はどこへやら。若干落ち着かない様子で、メルルを伺っている。
お母さんは……相変わらずの、ふんわり穏やかな空気を纏ったままだった。
「とにかくっ、先ずはお風呂ね! そんな格好で屋敷をうろつかないでちょうだい! ラビアン、お湯をじゅんびして! マリヤ、その服におもいいれとかある?」
「えっ、えと、べつに…」
「そ、じゃあもうそれ捨てちゃうからね! とりあえずわたしのお古を貸してあげるわ、ありがたく思いなさい! ほら、行くわよ!」
テキパキと、兎のメイドさん……ラビアンと言うらしい、に指示を出し、メルルはあたしを連れて歩き出す。
汚い、と言ったあたしの手を平気で取って、浴室に連れて行き。服を剥いている途中で男だと気付いたのか流石にピタっと止まり、身体を洗うのは自分でさせられた。
女だったらお嬢様の手ずから洗うつもりだったんだろうか? まさかね。
随分と手早く沸かしたお湯で身体と髪を洗う。…かなり、さっぱりした。元々汚れていたのもあるし、結構歩いて汗もかいていたらしい。
あれやそれやと有りすぎて、あんまり意識できていなかった。女子失格。今男子だけど。
「うん、まあまあかしら」
メイドさん、…ラビアンさんが髪を梳かしてくれた後で、メルルは一つ頷いた。
それから、ずずいっとあたしに接近し、びしっと鼻先に指……というか蹄をつきつけられる。
やっぱり二つに割れている、偶蹄目だもんね。羊だけに黄金の蹄とでも言うべきか。
「いい? お父様達はヒトが良いからアナタを引き取ったみたいだけれど! 領主の養子になったとか思って、ぐうたら生きられると思ったら大間違いなんだから!!」
まるであえて厳しくしたような口調で、彼女は言う。
あたしは、それをきょとんとした表情で、大人しく聞くだけだ。
「先ず、アナタにはラビアン達の手伝いをしてもらうから、そのつもりで居るのよ。まあ子供なんだから、ムリはさせないように言っておくわ」
「はい……」
「ただ、食事はトクベツに、わたし達といっしょでもいいわ。あと、ちょっとくらい、ときどきなら、お父様達に甘えたりしてもいいから。…ホントに、トクベツによ!」
あー……
そんなテンプレーションを感じる言葉と共に、ぷいっとメルルはそっぽを向く。
口調は突き放したような雰囲気がある。
けれどその内容は、やっぱりあのゴーティスさんとシフィルさんの娘らしく、ヒトの良さと思いやりに溢れまくっていた。
突然つれてこられた他種族の子供に、きちんとここに居て良いと彼女は即座に結論付けた。
こうして仕事をいいつけるのも、領主に引き取られ環境が激変し、肩身が狭い思いをしないようにと、気を使ってくれている。
この年にして、それだけの気遣いが出来るとは、子供らしからない聡明さ。
うん、ハッキリ言おう。
この子とは、間違いなく上手くやっていけると。
「ありがとうございます、メルルさん」
「うん、なかなかスナオでいいわね。…あと、さみしかったら遊び相手くらいしてあげるから、ちゃんと言いなさいよ! ただし、勉強してるトキ以外ね!」
「はい」
何この可愛いツンデレ。…いや、ツンなのかしらこれは。語調が強いだけ?
ラビアンさんも理解しているのか、微笑ましそうに彼女を見ていた。
……ん、最初はどうなる事かと思ったけれど。
同族は居ないけど、それ以上にこれだけ良い人ばっかりの世界なんだから。贅沢すぎるくらいよね。
相変わらず、あたしは果報者だ。
このままここで、精一杯生きてみよう。
きっと、それなりに幸せに、……もしかしたら、物凄く充実して幸せな人生が送れるかもしれない、そんな希望を持つ事が出来たから。
タイトルは執事さんなのに、マリヤさんが執事さんになるのは大分先になってしまいそうです、すいません。
まあ、そのうちに。
というわけで、今後もこんな感じでのんびりほのぼのと進みます。
獣人世界の中、ひとりで人間として生きるマリヤ君の明日はどっちだ。
尤も、彼女は女子力A、男前S、適応力EXという人なので、なんだかんだと上手く生きて行くのでしょうが。
(2014/7/6 誤字脱字、他一部表現を修正)