表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

そばにいたい

作者: shino

「そばにいたい」それだけ。



サボり。授業についていけないわけでもない。自分で言うのもなんだが、成績は結構良いほう。

今日も空が青いなあ、なんて思いながら、実波はネクタイを少し緩めて、屋上のコンクリートのうえに寝転ぶ。

静かにまぶたを閉じると、カンカンカンと階段を駆け上がる足音が聞こえた。


「もぉ〜〜!実波またサボってる」

腰に手を当て、仁王立ちになって、俺を見下ろす。

実波は、片目だけ開けた。

「じゃあ何でお前がいるんだ?俺がサボりだったら、お前もサボりだろう」

「私は、幼馴染としてアンタを教室に連れ戻す義務がある!」

得意げに言うさくらがおかしくて、声を殺して笑った。どんな義務だよ。

「何がおかしいのよ」

ぷぅっと頬を膨らませて俺を睨んだ。はいはい。わかったから怒るなって。

「もぉ、サボってばっかだと授業追いつけなくなるよ」

そう言って、さくらは俺の隣に座った。

「頭いいからサボってんだよ」

ニッと歯を見せて笑ってやった。

「なにそれ。すっごいイヤミに聞こえるんですけど」

さくらが仏頂面で、唇を突き出す顔を想像しながら、静かにまぶたを閉じた。

「あぁ〜〜〜また寝る気だな!起きろ〜〜み〜な〜み〜!」

俺の肩を掴んで、激しくゆすり起こそうとするさくら。


俺には、こういうたわいもない平凡な毎日が、幸せだったりするんだよね。


俺がサボる理由?

それはさ、俺がサボるとさくらが迎えに来てくれるから。


俺はさくらの


「そばにいたい」それだけ。















「起きろ〜〜〜実波〜〜〜!」

平手で顔を叩かれた。こりゃさすがに痛ぇわ・・・少し手加減しろよ。

初の短編。私、文章を短くまとめるの苦手なので、結構大変でした。

感想などいただけるとありがたいです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 始めまして! 最近、恋愛の小説に興味がありまして、探していました。すると、この作品があったので、読ませていただきました。 ズバリ!面白いです! 恋愛を経験した事のない私ですが、実波の気持ちが…
[一言] 平凡に思える毎日を幸せに思えたらどんなにいいだろうと個人的には最近思っているので、「そばにいたい」って気持ちに素直になれる二人が羨ましかったです。僕も文章を短くまとめるのが苦手ものですから、…
[一言] ショートショートって感じですね。 でももっと長くてもいいような気がしました。この後、ふたりがどうなるかも気になります。 心温まる話しで私は好きです。けどちょっとストーリーがありきたりなきもし…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ