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最後の手紙
―タグロ、君もいつか俺と同じ道を歩むんじゃないかと、俺は思っている。ここではないどこかを、ここでは手に入らない何かを探して、あてども無くさまよう旅を。
だって、君は俺に興味を示したじゃないか。
よそ者の俺の、一番の親友だったじゃないか。
それに、写真を見ていた君の顔。
きっと、他の人から見たら愚かなことなんだ。
ありもしない虹の向こうを追い求めるなんて。
そんなのは俺だって百も承知だよ。
それでもじっとしていられない。
見たことの無い景色を求めて俺は、俺たちは、さ迷わずにはいられない。
タグロ、幼い虹の旅人、お前はきっとその素質を持っているんだ。
さよなら、タグロ。
二度と会えないと思うが、君の親切も、笑顔も、忘れない。
いつか君が虹の彼方に立たんことを。
―リュウイチロウ
