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アレク・プランタン  作者: イチロー
45/68

045 開拓村の改良(後)

❸16第3部幼年編

第1章前期教会学校編


デニーホッパー村全体の畠の改良に先立って。わが家、ジャン、アンナの家の畠を改良している。

石だらけで痩せて水はけの悪い粘土質だった土が、水はけも良く肥料も与えた良い土に変わった。

学校の皆んなの家からもらった竈門の灰、枯葉、草木灰等の肥料も撒いた。だんだんと農作物の生育に適したいい土に変わってきている。

天候任せだった水も家毎に井戸を掘った。水やりも以前より格段に容易になった。

森に近い外向きの畠には塀も築いて獣等の侵入防止もしている。


今日明日に結果は出ないが、そう遠くない未来はこれまでより良くなることが予想される。楽しみだ。


畠の面積あたりの改良時間や改良に必要な人数(生活魔法を発現できる人)、散布した草木灰やその他の肥料の数量等々もシャーリーが記録を残してくれている。今後はそのデータが増えれば増えるほどにその精度が上がるだろう。

こうした生きた情報もまた村全体の共有財産にしていきたい。





半年が過ぎた。

今日はわが家の畠に、学校のみんなに集まってもらって芋掘り大会を開いた。


「僕は8つー」


「俺は9つー」


「わたしは12こー」


「私は15こー」


「芋掘り、株の個数競争は15個を掘った妹のスザンヌの勝ちだ」


「「「おめでとーう!」」」


「やったー!」


「お芋茹でたからみんなで食べてね!」


「「「アレクのお母さんありがとー!!」」」


「この芋うまいねー!」


「みんなー俺が作った新作芋お菓子も食べてくれー」


「何これー!うまーい!」


「さすがアレクだなー!」


「パリパリして初めて食べる味だぞー!」


「これが芋なの?いくらでも食べられるわー!」


「こいつはエールが合うじゃねーか、ガハハ」


いつのまにかチャンおじさんも混じっていた。

俺が作ったポテチも大好評だった。



学校のみんなは、わが家の畠がどの株を掘っても芋がたくさん採れることに驚いていた。

土壌改良をする前は1株に良くて5、6個。しかも痩せ細った芋ばかりが採れたものだったが、今年のわが家やジャン、アンナの家の畠は丸々とした芋がたくさん採れる。

麦も芋以外も豊作だ。収穫量も品質も過年度までとは明らかに違う。

採れたたくさんの芋は、学校のみんなに持って帰ってもらった。


「「「家の芋より美味しいかったよ!」」」


みんなからうれしい言葉をもらった。

味も良い農作物が豊作だ。

こうして改良モデルケースの3軒の畠は周囲の畠より格段に成果が出た。

収穫は朝から晩まで忙しいくらいになった。もちろん味も美味しくなった。家族だけでは食べきれないくらいの収穫はこれまではとても考えられないことだ。

村の人が、毎日何人も見学に来て羨ましがっていたほどだ。


これを受けて、師匠(ディル親父様)の主導で行われた村民全体会議でも俺立案の開墾地改良のプランが村民の全員一致で承認された。


「ではデニーホッパー村の新たな改革案に賛成かな?」


「「「賛成だ(よ)‼︎‼︎」」」


そうそう、これまでデニーホッパー村には村長がおらず、村の決め事や決裁の要る代表事にはディル神父様(師匠)があたっていたが、今回を良い機会に村長職が選ばれるようになった。

てっきりヨゼフ父さんが村長になるのかと思っていたが、父さんは強く固辞していた。マリア母さん曰く、「相変わらず父さんは口下手なのよ」だそうだ。

そんなこともあり、わがデニーホッパー村の初代村長にはジャンの父さん(チャンおじさん)が就任することになった。

明るいチャンおじさんだからますます村の雰囲気も明るくなっていいんじゃないかな。


人伝に開墾地改良の評価が高くなり、移住者相談も増えているという。現在70戸のデニーホッパー村がこれから半年余りで30戸増えて100戸になるそうだ。開拓できる土地はまだまだ広い。辺境の開拓村でも有数の貧しさだったデニーホッパー村が、充分に人が暮らしていける村に脱却していくのにそんなに時間はかからないだろう。

村がもっと賑わう。とても楽しみだ。

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