表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アレク・プランタン  作者: イチロー
3/68

003 企み

第1部転生編

第1章辺境伯の子編



俺が産まれて(母が亡くなって)しばらく。


「お館様、未だお悲しみのところ申し訳ありませんが、早くに新たな奥方を迎えなければなりますまい。お世継ぎの養育にも母親の存在は欠かせませんし」


辺境伯家の家宰であるアダムが言う。

細身の長身。神経質そうな外観の男である。


一代にして領爵、辺境伯となったヴィンサンダー家は、歴史がない。

寄子はいるものの、その関係性も未だ希薄と言えた。

近隣諸侯は元より、中央への顔繋ぎ、寄子を含む家臣の育成、安定した領地経営等々。

世継ぎの育成は、共に急務である。


「幸い寄子の男爵家に見映の良い娘がおりますので、すぐに手配致しますがよろしゅうございますか?」

「あいわかった」

「では早速男爵家へ向かいます」





家宰のアダムは新たなヴィンサンダー家の内儀を迎えるべく、婚儀を画策したその日の夜。


小さな屋敷で。

それでも平民のそれよりは大きい、貴族の屋敷で。

その一室の扉をノックもせずに開ける男。

家宰のアダムである。


部屋にはアルコールが染みついた臭いが漂う。

半裸のままベッドに横たわる女の腰を抱きながらアダムが言った。


「オリビア、計画通りだ。支度しろ。これから楽しくなるぞ」

「わかったわ、アダム」


ニヤリと笑い合う家宰と女。


こうしたことともつゆ知らず。

父上は新たな妻を、俺は継母を迎えるのだった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ