024 真の転生
第1部転生編
第1章辺境伯の子編
深夜、目を覚ました俺にモンデール神父様がここまでの顛末を教えてくれた。
別れの祭壇には俺の身代わりとして、スラム街で亡くなった孤児をあてたこと。お詫びとしてその子の孤児仲間を教会で保護したことなどのあれこれを。
「あ、ありがとうございました。モ、モンデール神父様やみ、みな、みなさんが助けてくれたこの生命。み、みなさんに報いるためにも俺はせ、精一杯い、生きていきます」
仮死から目覚め、動かない身体でやっとこれだけを口にした。
ひたすら、ただひたすらに涙が出る。
転生前、俺は突然の難病でやはり動かない身体だった。
痛さや悔しさ、虚しさから出た涙は、なぜ俺だけが病いになるんだと世の中全てを恨む涙だった。
転生して。
ありがとうございますと自然と口から出るのは感謝の言葉と涙。
俺を害した者への怒りの気持ちはもちろんある。
父上を殺し、俺を殺した者へはいつか必ず復讐を果たすと誓う。
それでも溢れ出る涙は怒り以上に俺を救ってくれた人たちへの感謝の気持ちの顕れだった。
俺は今日転生した。
今度こそ。
今度こそ精一杯生きようと思った。
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夜半、モンデール神父様に背負われて訪れた先は、教会の熱心な信者である農夫夫妻の家。
これから家族として過ごす家だ。
王国内ヴィンサンダー辺境伯家領土は、北の辺境と呼ばれる地。
そのさらなる辺境の地で。
農民の養い親夫婦や村の人の愛を注がれて俺は育つのだった。
第1部 転生編
第1章 辺境伯家の子編 完




