014 暗雲
第1部転生編
第1章辺境伯の子編
父上の葬儀の翌朝から。
俺への扱いは一変した。
食堂では父上が座っていた上座に弟のシリウスが座った。その右隣には継母のオリビアが座るようになった。
家宰のアダムもシリウスの左隣に座り、3人で食卓を囲むようになった。
家宰のアダムには、シリウスの相談役との肩書きもついたそうだ。
そんな彼らから離れて。
長いテーブルのいちばん片隅が俺の食事場所となった。
使用人と同じパンに同じ野菜のスープ。それだけ。
食器もよく見れば欠けたりしている。
食事の内容も食器も。彼等3人とは違い、目に見えて貧相になった。
「毎日食べられるだけ感謝なさい!」
「母上の言う通りですよ、あ・に・う・え!」
「食事がいただけるのもシリウス様の温情ですぞ。残してはもったいないですからな、ショーン様」
ひゃっはっはー
継母オリビアの嬌声が食堂中に響き渡った。
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秘密裡の会合
獣人メイドのタマが厩の爺マシューに連れられ、内密に教会を訪れたのは葬儀のあとのこと。
身体能力の高い獣人のタマはもちろんのこと、元A級斥候職のマシューとの2人だからこそ、誰にも誰何されず迅速な行動速度で教会に着いた。
厩の爺としか知らなかったマシューの圧倒的な身軽さに驚きを隠せないタマである。
「遅いよ。疾風のマシューも老いたねぇ」
薬師のルキアが、爺の昔の二つ名を軽く揶揄る。
「えっ⁉︎厩のマシューさんに二つ名が…」
猫獣人メイドのタマは耳をぴくぴくとさせ驚いた。
「おおタマちゃん、この婆さんも、昔は毒蜂のルキアと恐れられたもんじゃよ」
「阿呆!美魔女のルキア様と呼ばんかい!」
ワッハッハー
フフフ
「え〜っ!?」
軽い掛け合いの冗談は緊張していた獣人メイド タマの気持ちをずいぶんと解してくれた。
「揃ったかの」
最後に扉を開けて入室したモンデール神父が言った。




