表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
39/152

言わなくてもいいことを言わないことがコツなんですよ

「いやー、いいライブだったなぁ、っと」


 現在時刻は夜の9時。人気のない夜のファミレスで食事を食べ終えた俺は、若干くたびれたソファーに寄りかかりながら、スマホをのんびりいじっているところだった。


「今回の新曲も良かった。やっぱりダメンズは最高だ! ルリちゃんのダンスがカッコカワイくて僕はもう……! ふむ、評判は上々、か」


 クラスのKANE(ケイン)に書き込まれたクラスメイトたちのメッセージは、どれもこれも高評価なものばかり。

 かくいう俺も、とても良かったと思っている。結果から言うと、ミニライブは成功していた。

 新曲を含め、今回のライブで用いられた曲が盛り上がり重視のものであったことも大きかったんだろう。会場は大いに盛り上がり、その流れのままサイン会に移行。最後はファンとの記念撮影で締められた。皆が笑顔で満足できた、良いライブであったと言えるだろう。


「変なトラブルとかもなかったし、そういう意味でも良かったよなぁ」


 一般客が多い祝日のモールにて行われたため、多少の不安がなかったといえば嘘になるが、思い返せば何事もなく終われたのは当然のことだったかもしれない。

 なんせ会場には伊集院財閥のお嬢様がいたのだ。俺たちには分からないよう、SPが各所に配置されていたのかもしれない。

 伊集院のことだし、『ダメンズ』になにかあってはならぬと独自に警備を強化していただろうことは容易に想像できる。

 実際、間近で『ダメンズ』を直視した伊集院が興奮しすぎて、ぶっ倒れかけた時には、いつの間にか現れたいつもの黒服さんが支えたことによって事なきを得ていたからな。

 根性でライブは乗り切っていたようだが、終わり際はフラフラだったし、しばらくは寝込むかもしれない。もっとも、伊集院からすれば本望だろうし、俺が気にする必要はないことだ。


「ま、姫乃は苦労するかもしれないけどな」


 そこはメイドでもあるし割り切ってもらうしかないだろう。

 そんなことを考えていると、スマホがブンと音を立てて振動する。

 来たかと思い画面を見るも、そこに表示されてる名前はアリサのもの。

 アテが外れたことに若干肩透かしの気分を味わうも、すぐにスマホを操作し耳に当てる。


「もしもし」


「あ、和真? アタシだけど」


 聞こえてきたのは聴き慣れた声。あの時とは違い、いつも通りのアリサだ。

 そのことに内心胸をなで下ろしながら、話を続ける。


「お、アリサ。お疲れさん。打ち上げ終わったのか?」


「うん。ミーティングも軽くやったけどね。雪菜と一緒に今から帰るから。和真はご飯食べた?」


「ああ、今ファミレスにいるとこ。先輩に奢って貰って、今はひとりだ。もう少ししたら帰るよ」


「……アンタ、外食ばかりしていちゃダメって言ってるじゃない」


「はは。今日くらいはいいだろ? なんせライブを観たんだからさ。誰かと語りたくなるのがファン心理ってものなんだよ。聖先輩も褒めてたけど、今日のアリサもすごく良かったよ。クラスメイトたちの前でも堂々と歌っていて、思わず見惚れちまった」


 俺がそう話すと、アリサは少し間を置いて、


「……バカ。あんまり遅くならないよう、早く帰ってきなさいよ」


 そう言い残し、プツリと電話は切れた。

 暗くなった画面を見ながら、俺は小さく息を吐く。


「フゥ。余計なこと言われずに助かったな」


 会話が短く済んだのはありがたい。

 実際、俺は嘘は言ってないのだ。少し前まで聖と一緒にいたのは事実。

 だが、それももう一時間ほど前までのこと。今ここにひとりとどまっているのは、とある理由があってのことだ。


 カランコロン


「お、来たか」


 入口から響く誰かの入店を告げる音と、続けざまに入るメッセージ。

 素早くスマホを操作すると、一分もせずにその人物は姿を見せた。


「お待たせしちゃいましたか、おにーさん」


お久しぶりです、また投稿を再開させていただきますのでよろしくお願いします。

今月25日に本作の1巻がオーバーラップ様より発売されますので、どうかよろしければ……。

読んで面白かったと思えてもらましたら↓から★★★★★の評価を入れてもらえるととても嬉しかったりしまする(・ω・)ノ


ブックマークや感想も大歓迎で嬉しいです


挿絵(By みてみん)


下にあるポイント評価から、一人10ptまで応援することができます。


ご協力のほど、よろしくお願いします

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ