表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/5

第5章 巨大な力

星獣の山の頂上付近で得体のしれない魔物に

遭遇する、相手は気配を消していたが

俺はリンスゥと協力して敵の姿を炙り出す事に

成功した。だがその相手は星獣ヴァリオスだった

奴は巨大な魔力を生成して奈落の底にエネルギー体を

作った、なんとか崩れ落ちる岩に飛び乗っていたが

埒があかないと思った俺はリンスゥの媒介を使って

魔力の最大値を引き出した

なんとかヴァリオスに渾身の一撃を加えた所だったが

一瞬の隙で首に齧りつかれてしまった




力がどんどん抜けていく・・・こいつに1発でも

喰らわせることができれば・・・・



「シェイド!今助けるぞ!」


眼下からアティラスが呼びかける・・・



「無駄だ・・・こいつを盾にするぞ!」


目の前の星獣は俺を人質にしたつもりか・・・

リンスゥのように身軽だったらこいつの動きも

読むことができたはずだ・・甘かった・・・


バスッ



俺の力なき拳の一撃を喰らわせる

・・・・撫でたような一発は

相手を打ち倒すには足りない一発だ


「己の無力さを悔いるがいい!」


星獣は首を横に向き、勢いをつけて

俺を放り出した



俺と星獣の差が開いていく

首から出る出血が止まらない

魔力・・・・振知体を出すことはできるが

それを攻撃に転換することは出来・・・



・・・・・光だ・・・

光が見える・・・魔物の

体から流れる光・・・奴の体の中にはある

・・・・もうひとつの光だ



振知体を奴の体の中に形成する

あまりにも微弱なお陰で、

奴が感づくことはない、


星獣の中心から光を伸ばす・・・伸ばし続ける

・・・・光は俺の首に巻きつき

体の中に入る。傷付いた体は

光を通じて修復する・・・俺の出血は止まっていく

奴の体の一部を縫い合わせたように感じたが

実際に傷そのものはなくなっていた。


「き・・・貴様・・何をした!?」


グググッ


奴の体から出た光は俺の首と繋がっている

俺は奴から出る光を首から手に繋ぎ合わせた後

引っ張るように糸にぶら下がった。


シュルルルル


それに合わせるようにもう一本の糸が

下から這い出てくる、

風の魔力を帯びた鮮緑色の糸が

俺の糸と合わさった


「シェイドすごいじゃん!私の物真似ができるなんてね・・・・

風の糸をこの岩にくくりつけたよ!・・・


これで・・・この変な領域を止めないと

・・・・あんた自身も危ないのわかったかな?」


「ぐ・・・・貴様らぁああ!」


風の糸は光の糸と合わさる

いや・・俺が結び合わせた

・・・これで奴は俺の体重と

リンスゥと乗っている岩分の

重力に引っ張られる事になる


俺は糸をどんどんよじ登って

奴との距離を縮める


「させるかぁ!」


星獣は首を大きく振り

俺を振りほどくように

激しく暴れる


ドッドドドド


「グッ・・・・・」


暴れる奴は格好の的だ

奴の後ろ足を狙って

アティラスが炎のナイフを連続で投げた



「ったく・・・俺を忘れるなっての」



「シェイドっ今だ!・・・とっておきのぉ!

プレゼントっ!」



シュウウウウウ


光を帯びた風が俺の横を通り過ぎる

ものすごい速さだったが

そこから伸びる長い糸を見逃さなかった


俺はぶら下がっている糸を急いで解くと

飛び乗るように糸に飛びついた



ガクゥウウン


新しい糸に飛び乗った俺は

天井に突き刺さった光を

確認する・・・・



「リンスゥ・・・助かった・・・!」


俺は光を引き抜き

落下するとともにその感触が

先ほど形成した剣だと確認し


降下しながら奴に叩きつける



ガァアアアアアン

バキィイイ



「・・・・やったかな!?」


「いや・・まだだ!・・・魔力が足りない!」



「愚かな人間よ・・・角を壊した事は認めよう

ただそれだけの事だった・・・


汝らが命尽きた後もこの戦いは

心に留めといてやろう」



風の剣が壊れる・・・さっきのように

二つの魔力を合わせる時間が足りなかったからか

・・・・星獣を完全に倒す事が出来なかった


まただ・・・また・・俺は

力が足りない俺がでしゃばったお陰で

何も成す事が出来なかった


結局俺はお荷物だった

何も出来ない・・・

ディンも救う事も・・・


「く・・・・そ・・がぁああああああ!」


俺は手を翳す・・・奴の光は見えている

さっきと同じだ・・だが振知体の

大きさは比べ物にならないほど大きい


魔力は形成できない・・・

大きすぎる魔力は相手に悟られてしまう

そして魔力が放出される前に消される・・・


だから奴の光に干渉する事が出来ない

・・・・・だが俺は届かないと思っても


拳を振るっていた・・・

それは虚空を虚しく描き

俺は奈落の底へ落ちていく


「シェイド!今助けるよ!・・・うわっ」


リンスゥの乗っていた岩は

風の糸で奴と繋がっていた

だが奴が暴れる事によって

こっちに手出しできないように

リンスゥの身動きを封じていた


力が欲しい・・・さっきは何故

・・・・力を手にする事ができた・・?


俺の体は奈落に引っ張られる・・・体は反転し

頭と足の位置も逆転していた

地の底は無限の光で埋め尽くされていた


俺は水中で潜っているかのように

光の地面に触れる

手の一部は光に飲み込まれ

体に激痛が走る


「がぁああ・・・」


手が動かせない・・・いきなり岩の中に

手をねじ込められたような痛みだ

あまりの激痛で意識が朦朧とする


死に直結する痛みを味わったお陰か

俺は抵抗する・・・

思いっきり手を引き抜いた



ブチブチブチィ



手首ごと光に引きちぎられる

血は流れ今度は頭に接触する寸前・・・

俺は反射的に

千切れた腕を翳す



ドク・・・ドク・・・


今度も腕が飲み込まれると思ったが

どうやら・・俺の血とこの光は

結合する事ができるらしい


落下する俺が止まる事ができた

だが俺の腕は動かせない

巨大な光の塊と繋がっているだけだ



「あれはどうなっている・・・?どうやっても人間業じゃない・・

あれが月の石の源だとすれば・・・血と魔力結合しているのか・・?」



「アティラス何ぼやいてるの!?シェイドを助けないと・・・」


「だが俺があそこまで行けば飲み込まれてしまう・・・

リンスゥは行けそうか?」


「シェイドがいなくなってこの岩・・どうやら

魔力を流し込まれたみたい・・足が動かないんだ・・・

靴を脱げば良いってレベルじゃない・・・足自体が動かないよ・・」



「くそ・・万事休すか・・・」



シュウウウウウウウウウウウ



巨大と思っていた光の塊が

どんどん縮んでいく・・・

俺の中に吸収してるようだ



「何をしている!?・・・・お前まさか!」



・・・・・・気が付いた時には

光の魔力はなくなっていた

吹き飛んだ俺の手は

形成し直されていた



俺は星獣を見つめる

体の中に小さな振知体を置いたはずだが

まだ残っているようだ

俺はその振知体に向かって

手を翳す・・・俺の掌から

光が溢れてくる・・・これなら・・・



「どうだあああああ!」




バァアアアアアアアン



奴の体が爆発する

この山に住み着いた

魔物のように体の形状は

ガラス体になっていたようだ

ボロボロと崩れ去っていった




ドサドサァ



浮いていた岩は重力を取り戻して

地に伏せる・・・それに乗っていたアティラス達は

順番に降りてきた


「いったー・・・・シェイド・・大丈夫・・?

手が吹き飛んでいたみたいだったけど」



リンスゥが心配する

だが俺の手は完全に動かす事ができた


「問題ない・・星獣はどうなった・・?」



星獣の体は吹き飛んでいて

頭だけが残っていた・・

だが奴はその状態でも会話をする事ができるようだ



「・・・・見事だ・・・我を完璧に負かすことができるとは・・・」


「・・・確かに危なかったー・・・でも・・・・シェイドが

あの光を吸収しているように見えたけど・・?」



「・・・そうだ・・・お前は・・・普通の人間ではないな・・・?」



俺に真実を求められていても困る

この山の魔力を吸収出来る等

知っていたはずがない



「・・・・・ふん・・・星獣が言うんなら俺はマトモじゃないんだろ・・・

これが月の石の力か・・?」



「・・・・・この魔力を吸収できるのは我と同族の者のみだ・・・

それができるお前は・・・我と同じように・・・作り直されているのだ・・」



「どうゆうことだ?作り直されている?・・・・・・?」


「・・・・・ハハハハ・・・そうか・・・お前は・・・

あの者達の・・・・・なる・・・ほ・・・ど・・」



「答えろ!・・・そいつらは影の魔物を作った奴らか!?」



「・・・・いずれ・・・・解る・・・」



星獣は最後に一言喋ると

何も動かなくなった

本来あった獣という性質ではなく

ガラス細工の置物のようになってしまった




「・・・・・・・シェイドさっきの力は・・・?」



俺は振知体を手の中に収める

体の中に吸収した魔力

光の魔力を入れるように注ぎ込む



パアアアッ



「眩しい・・・シェイド!・・・凄い・・光の魔法なんだ・・?」



「この力があれば影の魔物に対抗できる・・奴らの勢力に抵抗できるな・・」


「シェイド・・・後で王国に戻って身体検査を行おう・・

お前の中でどんなカラクリが起こっているか知りたい・・・」



「とりあえず王国に戻ろうか・・なんか疲れちゃったし・・・」



「そうだな・・・・」




そして俺達は下山する事になった

月の石の魔力の秘密を聞く事は

出来なかったが・・それに近い

魔力は手にする事ができた


地形そのものを揺るがす事ができる魔力が

俺の中に眠っている・・・いや


俺の知る事が出来なかった事が

今知れている・・・あの影の勢力と

会う事ができれば俺の秘密もわかるのか・・・?

原作でもヴァイオス君は消えてしまいましたが

今回は喧嘩したようですね

しかし作り直された?^w^シェイド人間ではないのか?

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ