第2章 進展と仲間
俺たちは田舎から抜け出してきた、俺は出稼ぎに、ディンはただの小間使いとして
だがディンは世界を見たいと抜かしやがった、ディン・・・まずはムーンストーム王国からだ
この島は大きくない世界の内の小さな島国だ
そこから制覇するんだ
っと思ったが変な魔物を出すやろうがでやがった
ディンは連れて行かれるし、俺はボコボコにされた
・・・・くそ・・・どうなる?
第2章
そして幾分か時間がたった・・・。
意識はまだ薄いが
俺の周りに気配を感じる
・・・
・・・・誰かの声は聞こえるが
はっきりとはわからない
「なかなか起きないねあの人・・・」
「そうだな・・・俺が診たところ、たいした怪我も無かったはずだがな・・・」
「じゃあなんで起きないのかな?・・・」
「うーん・・・この人は何かの催眠?か幻術を見せられてるんだと思うぜ。
しかし驚いたね、あの森に人が倒れてるなんてな・・・お前の嘘かと思ってたけどな。」
「ひどいなぁ。・・・・この人まだ起きないのかなぁ」
俺の意識は・・どんどん遠のいて行く、
そして他の場所に引っ張られる
・・・森で倒れたはずだが
意識がはっきりとしたのは
他の場所だった
「ここは・・・暗くてよく見えないな・・・。
そうだっ!俺はあいつにやられて・・・ディンがさらわれたのか・・・早く助けてやらないと!!」
手探りであたりを探ってみると
松明のかごを見つける事ができた
その1本を取って灯りをつけた
「ここは・・・どこだ?」
どうやら俺はどこかの砦に連れて行かれたらしい。
建物の中・・のようだ・・どこかの城・・とも言えるか
建物の灯りでは外の様子は完全に把握できない
「んっ?話し声が聞こえるな・・」
「さっきのガキ・・結構いい影の力を持ってるな。」
「ああ・・・俺たちくらいか・・・それ以上の影の力を持ってたな。」
「(・・・何だ?その影の力というのは・・・あのガキというのは、俺のことか?)」
ガランッ
ちぃっ・・・立てかけてあった
松明用のカゴにつまづいたか!
「しまった!」
「誰か居るのか!!!」
「・・・・・・・」
「・・・・・・・・・?」
城の傭兵・・?と目があったが
お互い頭の上に疑問符が
飛び出した
「何だ・・誰も居ないのか・・。」
「???もしかして・・・俺の姿が見えないってのか?」
「誰かいたのか?」
「いや・・・誰も居なかったよ。」
いくら建物の内部が見えないからと行って
視覚から逃れられない位置で対面している
それで誰もいないという報告はあり得ないはずだ・・
・・・・であればだ・・・
俺は調子に乗って、大声を出してみた。
姿が見えないのであれば音も聞こえないかもしれないからだ
「はっはっはっ!!!どうだ!お前たちには俺の姿が見えまい!!!!!!!」
「!!!!!だれだ!」
「えっ?」
失策だった。俺は調子に乗って、黙っていればいいものの、
敵に侵入者が居ることをばらしてしまった。
冗談じゃねぇぞ!完璧な透明人間じゃねぇのかよ!
「誰か居るのか!!!!!!」
「まずいな・・・」
俺はそそくさとその場を逃げた。
「侵入者が居るぞ!!!!!!」
「やっとばれたか・・・何ていってられないな・・・ディンを探さないと・・・」
・・・我ながら間抜けな事をしたもんだ
慎重に行動しないと今の俺の状態が
元に戻らない可能性もある
とはいえ、俺の声が聞こえるという事は
俺の何らかの存在はここに残留しているのか?
「・・・ここは・・・牢屋のようだな。もしかしたら、ディンはここに捕まっているのかも・」
俺はしらみつぶしに
ディンを探した。
牢屋の数はそこそこあるが
捕らえられている人物はそう多くはない
聞きお覚えのある声を聞くのに
そんなに時間はかからなかった
「あれはっ!」
「何すんだよっ!糞やろう!俺をここに閉じ込めてどうする気だ。」
「お前の影の力を開放してやる・・・」
ディンだ!・・・もう一人の男は誰だ・・・こちらからじゃ
顔も見えやしねぇ
「何言ってんだ!やっやめろ!
俺に触るんじゃねぇ!!!!」
このままじゃディンが!
「やめろおぉ!」
俺は手近の荷物にあるナイフを見つけ
取り出すと、奴に斬りかかろうとした。
「またお前か・・・しつこい奴だ。」
謎の男は、俺の手を掴んで止めた。
「くそっお前には俺の姿が見えるのかっ!」
「当たり前だ。お前の荷物とお前に俺が仕掛けを細工させてもらった。俺以外、お前の姿は見えない。」
「なんでこんなことをする!?」
俺は掴まれてない腕で男を殴ろうとした。
「無駄だっ」
ドッ
バァン
「ぐぁっ」
俺は奴に蹴られて、壁にたたきつけられた。
「くそっ・・・」
「ふふふっ、お前がどのようにあがこうが、俺に太刀打ちできないさ。」
「なっ・・・んだと!!」
「お前の精神だけをここに、呼び止めさせる術を用いたのさ。
お前も影を召集させる力があると見込んだのだが、どうやら、見込み違いのようだ。」
奴がそういうと、俺は意識が薄れていくのがわかった。
「まてっ!ディンに何をする気だ!
まだ話は終わってない!!ま・・・て・・・」
俺が視認できている体は
薄まって行く・・・
何かのカラクリ・・つまり完全な幽体ではない
状態の俺をここに留める技を仕掛けたって事か
目の前はどんどん暗くなっていく・・・
「・・・・・やっと消えたか。うるさいやつめ。・・・」
俺の体を冷たい風が撫でる
・・・・先ほどいた
地下牢の陰湿とした空気はなく
開放的な風が吹く
草木が風に揺られる音も
森林がざわめく音も鮮明に聞こえる
近くに何者かの気配を感じる
「・・・・・・」
「んっ?・・・」
「まて!!!!!!!どこに・・・ん?」
「!!!!きゃっ!!!・・・・びっくりした。」
女・・?・・・・・・まさかさっきの奴らの仲間か?
「おや。やっとお目覚めかい?」
「な・・・・なんだここは?・・・」
さっきの場所か・・・?あいつは荷物に細工したと言ったな
・・・俺の荷物はどこかに捨てるしかないか・・・それにこいつらは・・?
「ここは、ムーンストーム王国だぜ・・・
おっと、自己紹介というものがあるな。
俺の名はアティラスって言うんだ。
あんたは森の眠りの王子様かな?」
「何ふざけた事言ってんのよアティラス・・・」
「はははごめんよリンスゥ。
こいつの名前はリンスゥってんだ。
森を探検したかった変な女だ。」
「変とは何よっ!!・・・・あっ・・・・ごめんね。うるさくて。」
「いや・・・別に問題はないが。それより、君が俺を助けてくれたのか?」
女の装備を見る・・・軽装な感じだが見た所
小さい短剣の様なものを所持しているな・・・
散歩しにきた少女って感じじゃないな
そしてもう一人・・かなりガタイのいいおっさんだ
普通の服装だが筋肉量が普通じゃない
女の方はどうとでもなりそうだが
この男は結構できるな・・・様子を伺って見るか
「私は、倒れてるあなたを、見つけただけだよ。
運んだのはあの、おっさんだよ♪」
「ぐっ、おっさんじゃないやい。」
変な二人組だがどうやら敵という訳でもなさそうだ
挨拶でもしてとっとと離れるか
「危ないところを助けてもらって、かたじけない。本当にありがとう。」
「いやぁ、そんなたいしたことしてないよ♪」
「本当は俺だけがほめられるはずなのになぁ・・・・」
「何か言ったかな?」
「いや何も!言ってませんよお嬢様」
「まったく!調子良いんだから・・・・
それより、あなた何故あそこに倒れてたの?」
「そういえば、俺の自己紹介がまだだったな、
俺の名はシェイド、マハラダ村出身だ・」
「えっ!(あんな田舎に!)」
「俺・・・何か変なこと言ったのか?」
「いやいや田舎じゃないよなっ!リンスゥ!!!」
「なっ何も言ってないわよ私は!!!」
「田舎・・・・・・」
「こほん!それは置いといてだな、まずは君がなぜあそこに倒れていたのか、俺は知りたいな。」
余計な事を聞かれたな・・
いや・・この二人のペースに乱されたか
「あ・・あぁ
・・・・・俺は仲間と一緒に旅をしていたんだ。」
「いいなぁ!私も旅をしたいなぁ。」
「この際だから、シェイド君と一緒に旅でもしてきたら?
(これでうるさい奴がいなくなるぜ)」
「あっそれいいかも!ねぇシェイド君!
一緒に旅に付いていってもいいかな?」
「えーとあの・・・」
「ほら、困ってるじゃないか・・
それにまだ話の続きがあるんだろ?」
「はぁ・・・・(中々面倒臭い連中だ・・・)・・・」
そして、俺はここにいたるまでの、ディンと俺の旅について話した。
適当にまくしたてることもできたが、あえてそうしなかった
手がかりが一つでも欲しかったからだ
「何か凄い話だね!それ。何かの悪の組織かな?」
「にわかに信じがたいが、
さっきの君の様子を見ていた限りは、
やっぱりそいつらに術をかけられていたのは、確かか。」
「その、シェイド君の仲間を助けてあげられないかな、アティラス?」
「うーん・・・・」
「・・・王様にこの事を、話してはだめなのか?」
「うーん・・・話してもいいけど・・・
王様は力を貸してくれないと思うよ。」
打つ手なしか・・・王国で聞き回るしかないのか・・・?
「でも・・・王様は、その怪しい連中のこと知ってそうでしょ?
行ってみる価値はあるかも・・・」
「まぁ、俺は止めはしないが・・・
俺は一応国王と仲がいいんだ。
王国に入れるように書状を書いてもいいぜ。
(やっぱ書かないとだめか・・・)」
「かたじけない、恩に着る。」
「ねぇ・・・そのことなんだけど。
・・あたしも連れて行ってくれない?」
「俺はかまわないが・・・・・」
「俺もか・・・?別にこいつのことは心配してないよ。
もう書いたからこれを持っていけ。」
「もうできたのか?胡散臭い・・・」
「大丈夫だって。ちゃんと通してくれるさ。
(前書き置きした奴、名前書いておかなくて
よかったゼェ)」
「アティラスも昔は結構えらかったらしいよ。だから、大ジョブだよっ」
「・・・・今もそこそこ偉いんだがな・・・」
俺は、リンスゥの言葉を信じて、城に行った。
もちろん扉の前の兵士に
止められたが、リンスゥが
率先する
「まてっ、何の用事で入るのだ?」
「これを・・・・」
「・・・・ん、アティラス殿の御友人か!ならば、入ってよし。」
「ねっ大丈夫だったでしょ?」
「ああっ、どうやら仲がいいのは、本当のようだ。」
・・・・知らぬ男を通すのに友人であれば
簡単に通すのか・・・事がうまく行きすぎている
気がするが・・・・まぁ気のせいであれば良いが
思うところは多いが・・王城の兵士達は
俺を警戒する事なくすんなりと王室まで
案内された
「話は、アティラスの書状を見させてもらったよ。アティラスのご友人達。」
王に謁見したのは初めてだ
アティラスもリンスゥもひざまづいている
俺も急いで真似したが・・・間抜けだったか
「顔を上げて結構、私はセレスタ王だ、私のことは知っているかね?」
「いや、知らん・・・王って偉いんだろ?」
アティラスが苦虫を殺した顔をした
そして頭を下げられる
「こらっ無礼だろ!申し訳ありません陛下
こいつは大分無礼な奴でして」
セレスタ王は大いに笑っていた
寛大か・・・・いや・・・どうだろうな
あえて無礼で対応したが
信用するためにあえて礼儀を欠いた
これで断られるなら俺も
単独行動で動きやすいからな
「いやいや結構結構・・・その方が私も話しやすい
無礼で構わん、姿勢を崩して話したまえ」
・・・・・とりあえず信用しよう
俺も無礼を働いてまで相手を騙すような事は
したくないからな
「俺の仲間・・・ディンが訳のわからない組織に連れられたんだ
知っていたら何か教えて欲しい・・・
俺は術をかけられて・・・おそらくだが
精神体のままその組織の砦に連れていかれた
おそらく影の魔物を操る組織だと思うんだが・・・」
「ふーむ、私も影の勢力のことは、よくわからんのだ、
それに私はまだそなたたちのことを、信用しているわけではないのだ。」
この王は随分呑気な事を言う
もし国民が連れ去られる事態になったとしたら
遅いんだぞ
「セレスタ王!このままだと、
やつらはどんどんモンスターを作っていきます。
俺はこの眼で見たんだっ!間違いない!」
「だがな・・・影の勢力の魔物はどんどん力を増して居る。
それに太刀打ちできるような力が・・・残念ながら
今の王国にはないんだ・・・
それに、そのやつらの居所もわからない。
まさに、うつてがないのだよ。」
・・・・・やはり頼るだけ無駄か・・・
国王が他所の人物を助ける余裕などある訳が無い
「・・・・・影の魔物に対抗できる力を
俺が見つけてやる」
「シェイド・・・・・」
「無理だ、そなた一人でかなう相手ではない!」
「私がいます。私もシェイドと一緒に、対抗する力を探します。
・・・私だけじゃない。アティラスだっている。」
・・・・・・・・なんで見知らぬ俺にここまで
してくれるんだ・・・
「・・・・・関わらせるつもりはなかったんだが・・」
「・・・・水くさいなぁ・・・乗りかかった船じゃん・・それに面白そうだし」
・・・どうする?ここで断ったとしても
振り切れるかわからん・・・奴らの仲間である可能性の方が高い
一旦協力関係になって、その後でこいつの動向を探ってみるか
「・・・・すまん・・・助かった
・・・・セレスタ王!もしその組織と渡り合える力を見つけたときは
協力してもらえます・・か?」
「・・・・いいだろう。そのときは、私が力を貸そう。・・・・
しかし、私たちは影の勢力が何処にいるのかも検討が付かない。
もし本当に奴らがいるのならば、奴らの居所を突き止めてくくれないか?」
やはり変だな・・・こんなにうまくいくものか?
・・・・・・ここは早く立ち去った方が良さそうだ
「はいっ!かならず突き止めて対抗できる力をもって必ずここに来ます。」
「すまないな・・・お前たちのことを信じてやりたいが、物騒な世の中だ・・・何があるかわからん。
だから、必ず奴らがいる証拠を持ち帰ってくれ。そのときは、私も全力で力を注ごう。」
まず証拠か・・・王に発言力がない決め手になったな
どこまで協力してくれるかわからない・・・
まずは様子見だ
「ありがとうございます。陛下!」
そして俺たちは奴らの居所を探るため再び森にきた。
「何で俺まで、一緒にいるんだ・・・・」
「うるさいなぁ!もう。アティラスだって、
少しは魔法使えるんでしょ?付いてきてくれて当たり前だよ。」
「(小娘め!)まぁ、俺みたいな保護者がいないと駄目だしな。」
「なんか悪いな・・忙しいんじゃないのか?」
・・・本当にお節介なだけか・・?
何かを狙ってる訳じゃないのか?
「お前に気にされてもな・・・
こいつがまた怪我してもメンドくさいしな・・・
まぁそんなことはいいんだよ。さっさっと行くぞ!」
「はいはい・・・」
俺たちは、リンスゥが俺を発見したところまで。
何かの手かがりがあるかも知れないので行ってみることにした。
俺の荷物があったが、
追跡できる能力だと、王国中があの状態になる可能性もある
リンスゥとアティラスには説明なしで
荷物は処分してしまった
逆にその手かがりになる可能性もあったが
こっちが巻き込んだ以上被害は最小限にすませたかったからだ
いや・・それとも無意識に俺はあの敵に
恐怖していたのかもしれない
また俺が打ちのめされる恐怖に・・・
・・・・・・・本能に叩き込まれていたのか・・?
・・・・・・・あたりをくまなく探して見たが・・・
「・・・・・・何も手がかりは無しか・・・・・」
「・・・・ん?そういうわけでもないみたい。これみてみろ。」
そういうと、アティラスは木を指差した。
「ンッ?何も無いぜ?」
「また、アティラスのでまかせかぁ。」
「違うっての・・・よくみてみぃ。」
そう言って、アティラスは木の一部に水をかけた。
「これは!ディンのの字だ!。」
アティラスが水をかけたところに、文字が浮き出てきた。
これもアイテムの一種で、あらゆるものに溶け込み
溶け込んだ色に対して、あることをすると浮き出てくる仕組みになっている。
ディンはそれに字を書いたらしい。文字体であれば薄く書いてあるのが
微力の魔力で見えることができるはずだ
ちなみに仕組みは、青色の場合、水をつければ浮き出てくる。
赤色は火を炙る。黄色は砂をつける。
「よくわかったな・・・」
「木の一部の色が変だったからな。読むぞ!」
「・・・・シェイド助けてくれ。俺は変な奴に
カルジメット小国の反対側のマゼッタ島の砦に連れて行かれるらしい。
奴らは俺の・・・・・
ここで終わっているな。」
「なるほど・・・回りくどいが・・・
ムーンストーム近くの離島の方がわかりやすいが
あえて書くところに・・・謎が・・・・?」
「・・・罠である可能性もあるって事?」
「まぁ一理あるな・・・水で濡らして見えるって事は雨でも
この文字が浮かび上がる可能性があるって事だ・・・
もし一流の組織ならこんなヘマはしない・・だが逆手をとれば」
・・・・罠でも良い乗り込んでみるしかない
「マゼッタ島に俺は行く・・・」
「ちょっとちょっと落ち着いてよ・・おっさんが
考えているんだからさぁ・・」
「罠であっても敵情を知らなければ
どうする事もできない・・・嫌ならついて来るんじゃない」
「まぁ・・そうだけど・・・・言い方きついなぁ・・」
「まぁ、まてよマゼッタ島はここからだと結構遠い。
まずは、月の山へ行かないか?」
「何でそこへ行かないといけないの?」
「忘れたのか?ムーンストーム王国は明かりを点けなくても明るい王国だろ。」
「そういえば確かに明るいな、何故なんだ?」
「月の石の力だよ。あれは不思議な力を持っていて、魔物も近づかないんだよ。」
「!だったらその月の石を使ったら、
影のモンスターは近づかないんじゃないか?」
「ご明察!」
「だったらこの事を王に伝えた方がいいんじゃないか?」
そしてこいつらを王国に置き去りにする
ディンの場所がわかった以上同行する意味はない
「まぁ落ち着け、シェイド。まだ
敵がマゼッタ島に居るとも解らないだろ?
あせらずゆっくりいこうぜ!」
・・・・?
罠である可能性を示唆して
あえて対策をするって事か?
「でもでも・・・月の山は星獣がいるよ。」
「星獣?聴いたことがないな・・・。」
「昔、月に住んでいた守り神みたいなものさ。
その守り神さんから、力をもらっていたそうだね。
・・・・月の魔物はもう絶滅した・・はずだが・・
その残り香でも頂こうって話だ」
話にならんな・・・そんな眉唾の話を
鵜呑みにする必要ないが・・・
「私・・・戦争は嫌い!・・・」
「どうしたんだ?リンスゥ。」
「だって、昔はこの星と月とで戦争があったんでしょ?
星獣だって、昔はたくさん居たと思うし
・・・人だってたくさん死んだって昔聴かされてきたから、
大切なものまで失ってまで戦う理由がわかんないよ!」
・・・・?・・・!
星獣も大量にいた・・・・もしかしたら
使役していた可能性もあるのか・・・だとしたら
魔力増強できる何かがもあるかもしれない・・・か?
「大切なものを守るから戦ったんだろ、
だれも楽しくて戦争しているわけじゃない。
互いの存在する大切なものを守るため戦ったんだ。
正しい・・正しくないじゃない自分が信じているもの、
それがこの星と月とは違ったんだ。それで、
たまたま月はこの星に落ちてしまった。愚かな事だよ・・・。」
「月が落ちたっ??そんなのはじめて聞いたぞ!!!!」
「あれっシェイドは知らないんだ。月とこの星との戦争の結末・・・・」
「ああっ俺は戦争をしたとこまでしか知らない。」
「この星の人もびっくりしただろうね。
まぁそんなに古い話じゃないんだがな。・・・
戦争の発端はわからないが、
どちらが先に仕掛けたかも俺は知らないんだ。
ただこの星が、
月との衝突を防ぐために古代魔法を使って、
衝突を緩めたぐらいしか・・・。」
「悪かったな・・・悲しい話をさせちまって・・・・・」
「いいんだよ・・・。それにシェイドにも知って欲しかったし。」
「あぁ、リンスゥは月の星の住人の血が混じってるからな。」
「じゃあ・・・リンスゥは月の住人の生き残りみたいなものなのか・・・・」
「うん・・・おばあちゃんが話してくれたんだけどね。・・・」
「・・・・まぁリンスゥは出生が不明だからそう言われてたんだろ
・・・・出生が不明な奴は少なくないからな」
「もう・・アティラスは夢がないなぁ・・・確かに
近所のおばあちゃんのお話だけど、本当だったら面白いじゃない」
「なんだ嘘か・・・まぁ俺も出身はマハラダだが
生まれはどこかは知らん・・つまり俺たちは似た者同士だ」
「シェイド・・良いこと言うじゃん!そうゆうの仲間っていうんだよね?」
・・・・まだ信用した訳じゃない・・・だが
・・・・・悪くはない・・・
「・・・・ほらっ・・」
ギュッ・・・
「・・・・なんだよ・・?何なんだお前・・・?何で握手?」
「・・・・・なんとなくしてみたかっただけ!
なんか嬉しくてさ・・・」
「ゴホゴホ・・・・シェイド・・」
「・・・くっくそ・・観客がうぜえな
さっさと行くぞ」
「うん!」
「・・・ひでぇ・・」
そして、俺たちは月の山の入り口に着いた。
大昔の小説すぎて情緒不安定なセリフが多い、いきなりリンスゥが支離滅裂な発言をするし
アティラスは摩訶不思議ちゃんと化していたが、なんとか修正した。
リンスゥがリンスと呼ばれていたのが修正しますた
本当はリン=スゥ か リンスー という呼び名にするつもりが
もうリンスゥで定着しちゃったんですね・・・・
まぁ島の名前も設定もちぐはぐになりがちですな^w^・、