サックスとソックス
ダヴィデ・ドナテッロ・ムステインは二十四歳となった。軍人となった、そして、男優となった。肩書は大佐。必殺技は『テラデス・フレア』、『コーネル・ムステイン・トルネーズ』。彼の紅い『ダブル=ネック・ギター・フライングVV』を斧として戦うエレクトリック・ソルヂャーである。オゼウ・ロックチャイルドを守護する忠誠心が他にまさったことで、最上位のナイトとして世界のリーダーとなった。本日姫から女王となったサンドラから最上位のナイトに任命され、シャッターを切ることで射撃が行われるやや大きめのキャメラ、『アツテック・キャメラ』を授与された。奉仕担当の美三つ子、アッパイ、ウッパイ、エッパイも授与された。
アッパイは、ど変態性ゆえ徹夜つづきのダヴィデ・ドナテッロ・ムステインに〝寝んねせな……〟と言いたげな態度でベッドを支給した。ウッパイは、〝一緒にスリーピィしようよぉ……〟と言いたげな態度でメイド服からネグリジェへ。エッパイは、〝これで体調崩さないようにね〟と言いたげな態度で実はロックチャイルド家の庭で普通に育てられていたヨタティンを朝食にしてくれた。
オゼウ・ロックチャイルドは十四歳となり百六十五センチメートルとなり、同時期サンドラは百六十三センチメートルとなった。ウサインは百八十三センチメートルとなった。
イアン・カーティス・メイフィールドは薬の副作用により九百二十一歳の延命をした師、マハヴィシュヌ・マクラウリンの意志を反し世界滅亡させることを一流大学の卒業論文にした。ベアトリスという彼の精神世界だけの美女神との失恋はイアン・カーティス・メイフィールドによるテロの動機となり、テロに向かった途端、宇宙の終焉がおとずれた。
中学二年生の頃見つけた、樹海の宙に存在しつづける水晶の壁を破り特殊水晶玉内の世界から神仁は脱出し、終焉した世界に入り、同時に抹消され、特殊水晶玉内の世界と通じた結果サックスとソックスは除きすべては無となった。
宇宙は不思議なもので、またいつか始まることも可能。宇宙なしでサックスとソックスだけを残すことも可能。ちなみに〝スックス〟は宇宙終焉と同時に消滅したまま。それをくだらないと思いながらも今日もだれかは生きている、死んだことにしても生きている、このようなくだらなさも最大級の人生愛と思えるほどたのしげに。某令嬢のよき夫である彼は某令嬢いわく『すばらしき意味で特別な存在』だから。
最初予定していた文字数と別ですが、148274、これもいいと思いこれへ。