特殊水晶玉世界
ちなみにジミ・リード・フォン・ツェッペリンとジミ・リード・フォン・ツェペリンがいて、同一人物あつかいされたりするが、顔面は似ていないとして間違っていないほど。そして両者はライヴァルでもあると認識している。ジミ・リード・フォン・ツェッペリンとジミ・リード・フォン・ツェペリン、親族ではない。
ジミ・リード・フォン・ツェッペリンはケルベロスを飼っている。名前はマペット。
ジミ・リード・フォン・ツェペリンはキツネを飼っている。名前はミヤハ・ザッケローニ。
ニューリンオーズの近くにコマネチカという町がある。そこでは、『特殊水晶玉』に映る世界がある。そこはあきらかに異世界めいている、〝ニッホン〟等と呼ばれる場所。音まで伝わってくる。念力で映る場所は変えれるという。
『特殊水晶玉』に所謂不良の少年少女の日常だけが映されている。いまのところは。
オゼウ・ロックチャイルドは『特殊水晶玉』を過去に注文している。『特殊水晶玉』、値段は約三百十五億円相当。実家に届けられる予定がある。
特殊水晶玉内の不良少年たちは、今日もあそんでいる。
中学生、夜あそびは普通という不良少年たち。
「ヨウ! コウ! あそぼう!」
特殊水晶玉世界で〝わん公〟、〝えて公〟等と呼ばれるときに付く〝コウ〟があだ名の少年があそびにさそわれている。
「あそぼう!」
ノリノリで今日もあそびあい。
「横中の女子で、ノリコっていうおっぱいどでけえ女子いるから今日告りいこうと思うんだよ、愛を」
「ノリコなんて、知らねえ。もちろん、それは普通の名前であるのは知っているけどよ」
「デカキャメラのキタガワ第一号店の社長の娘らしい」
「デカキャメラか、お金持ちそうだな……キタガワ……ノリコ……だろ? キタガワ、ノリコ」
「そうだぜ、でもお嬢様って感じじゃねえ、噂だと麻薬やっているって」
「ダップンハーブ、だっけ、それか?」
「脱法ハーブ、だろ、常考」
「それにしても、今の学校のほかの女子と会える、愉しい気分」
「だろ、女子ってさ、人生の意味になりえるんだよ、いこうぜ」
「オッパイオッパイ、オッパイオッパイ、オッパイオッパイ、オッパイオッパイ、オッパイオッパイ、オッパイオッパイ、オッパイオッパイ、オッパイオッパイ、オッパイオッパイ、オッパイオッパイ、オッパイオッパイ、オッパイオッパイ、オッパイオッパイ、オッパイオッパイ、オッパイオッパイ、オッパイ」
「ははっ、『おっぱい』はおまえの口癖だけどさらに口癖になったみてえだな、ノリコのおっぱいでか? ……今のこのふたりだけじゃねえ状態でいこうぜ、エイイチとエイジ連れていこう、実際、むかう途中だった」
「そうか。……調子はどう?」
「ノリコと会うの楽しみ」
「拒否されたらどうする」
「わからん、どうでもいい。ノリコのことは気になるけど。今自転車パンクしていてさ、エイイチの昔乗っていた、そう、小学生の頃の自転車借りようと思ってさ。それよりさ、ノリコのおっぱい推定Gカップって。学校でもかなり目立っているふくらみようだって」
「実際に会ってはねえんだ?」
「画像は見た。あと前すれちがって、チラ見なら」
「青春だなぁ」
「ああ、オレの親父は言っていた、のちにさらに青春となる、と。青春過ぎて、より青春だ……ってよ」
「そうか。……まだエイイチの家遠いな」
「ああ。ノリコとの待ちあわせ時刻は午前十一時。今午前七時。まだ時間はある。場所はデパ地下」
「前の期末テストどうだった。ただでさえ勉強ほぼしてねえオレはもう勉強やめたで下から数えたほうが当然早い」
「こっちも塾の効果もねえ。あの塾長頭おかしいしさ、映画好きで映画くわしいのはべつにいいけども……。あの塾辞めようと思っている」
「ああ、やめてずっとあそぼう」
「ああ。……よし、エイイチの家も見えてきた。借りる予定のあの自転車、小学生時代のでも今乗っていてもべつにいいよオシャレ」
「でもあの電動バイクみてえなのあっただろ、そっちのが」
「そうだな、あれにしよう。あれ、乗ってみたかった」
「あの電動バイク、基本見ねえが、オシャレだし、楽だし、なぜ基本見ねえのか」
「ただ知らねえってだけだろ」
「サーヴィス・エリアまで走れそうだよな、車と一緒に。あれでみんなも一緒に旅しようぜ、一回目は長野までいこう、次は巨乳が多い県全部いこう。なぜ長野かって? ビトオ先輩が長野移住したから」
「キタガワノリコおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」
「家の前で何か声がすると思ったらおまえらか」
「おはよう、エイイチ。今からノリコ会いにいく、一緒に来いよ」
「そうか、たのしみだな。あの横中一巨乳で横中一美人のノリコか」
「そうだ。エイジも連れていく」
「エイジかよ。さっきノリコに会いにいくって」
「エイイチ、そこは気にするなよ。ノリコはエイジじゃねえよ。ノリコにチヤホヤされてえんだ。でもエイジのあの低い声でチヤホヤされてもそれじゃコメディにされるかもだ、そもそもあいつはどう見ても女じゃねえ、普通に前男湯入っただろ」
「ノリコ、大麻で逮捕されたあの先輩みてえに幻覚持ちかもな、天からの声とか聞こえちまう、宇宙人と通信とかさ、脳内の。特殊脳波とか言いだして」
「エイイチ、それはねえだろ。大麻先輩は今年で二十二歳の廃人だって、年違いすぎるわ」
「エイジはノリコをオレにゆずる気だ……エイイチ、そしてコウ、おまえらはどうなんだ」
「ああ、オレはノリコよりアキちゃんと子ども作りてえからゆずるよ」
「そうか、エイイチ、健闘を祈る。なら、コウ、どうだ?」
「オレはノリコの子が女の子だったら、子どもつくりてえ」
「つまり、オレの娘と結婚したいってことだな、いいぞ、認める、ならさっさと子どもつくらねえとな、娘できるまで、何回出産させる必要あるのかって話だよな、五人みんな男の兄弟グループもあるくらいだもんな、六回はいくのかな。そうだ、電動バイクあっただろ、貸してよ、何台あるの、もし四台あるなら今日みんな電動バイクでデパ地下いこう。遠出もどんどんしよう、電動バイクで。遠い地のいい女子の家泊まるとかも」
「兄ちゃんの分と従兄弟がいらなくなってくれた分で合計丁度四台だ」
「エイジの家はいかずに呼ぼう、電動バイク運ぶの手間だろ。エイジに集合のメール送っとくよ、ん? どうした、エイイチ」
「ああ、おっぱいって叫びたくなってきた……アキのおっぱあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああい!」
「オレが今日ノリコにもするようにさ、そろそろ告れよ、愛を、アキちゃんに。アキちゃん、Hカップだって聞いたぞ、ははっ、笑っちゃうぜ、意外と胸あるんだな、激着痩せってやつか」
「オレたちはゆとり世代、この世代は巨乳が激増したって、うちの親父がいっていた。特にゆとり世代でもゆとり世代かゆとり世代じゃねえか曖昧な世代のはデータ不足だって、あるだろ、あの、九〇年代終わり頃からの」
「そうか、エイイチの親父さん、医者だもんな、闇の。オレの嫁となるノリコのカラダを渡さねえぞ」
「わかってるよ。それにしてもさ、よく学校来て、女子のカラダ見るあのおっさんな医者のがゆるせねえだろ、なあ?」
「あああいつらな、どういう神経しているんだよって思っちゃう、横中もいってオレの嫁となるノリコのまで見ているんか」
「学校はつまらねえが、アキちゃんがいるから、愛せている」
「コウ、それはオレもだ」
「神仁、ノリコをゲットしろよ」
「どうした、コウ、いつもは〝カミヒト〟より〝ジンジン〟って呼ぶのに」
「将来、親族になるから、今後は気を変える」
「そうか。……〝ライドン〟だっけ、〝乗る〟って英語だか。ノリコにも乗りてえよ!」
「ジョニー・ライドンっているよな。兄ちゃんがたまに語っている。ジョニー・ライドンは語尾に〝ニャ〟とかを付けるパンク・ロッカーだって」
「だれだよそれ。エイイチ、おまえの兄ちゃんは四歳以上上で聞いているものオレらとは結構別ものだもんな。ロッカーって、もの入れるあれかと思ったわ」
「まあそうだけどさ、さっさとデパ地下いって今後『わが愛妻』となるノリコと子ども作る準備しようぜ」
「ああ、ノリコの子どもになって母乳吸えるのは幸せ者よ。魂の転移急にしたりさ、ノリコの赤ちゃんに」
「ナンバー・プレート48の闇医者変態親父も言っていた、仮に結婚とかしていい年になって時間かけてでは遅れているよ、もうノリコは子ども欲しがっているかもしれねえだろ。それにしても〝デパ地下〟って聞くと〝出っ歯に近い〟みてえ、出っ歯ではねえよな、ノリコ」
「来た。キタガワを攻めるってか」
「そうだエイジ、ついにこの日がやってきたんだぞ」
「ああ、だがリノコのが名前かわいいんじゃねえか」