私はわたしでいたい。
もう嫌。心も身体もボロボロ…。いないほうがいいのかなあ。
ピロリン
それが、貴方との出会いだった。
あれは私がまだ学生の頃。まだ何も知らない可愛い女の子だったとき。
今でも覚えてる。
「うるせー!!」
怒鳴り声で目が覚める。リビングに行くと母親と父親が怒鳴り合っていた。
どうやら母親が不倫をしていた?らしく、その事で話そうとしたら口論になったそうだ。
そりゃあその時の私は動転して何が起こっているか分からない状態で、混乱状態の私を置き去りにして、母親は興奮してパニックになったのか、父親に包丁を向けた。その瞬間、今まで母親と過ごしてきた微かな違和感がなくなった。
“母親と思わなくてもいい”私の脳はそう判断した。その日から私はその人を避けるようになった。
しかし、その脳の判断に心がついて行けなかった。今まで過ごしてきた日々。その出来事で全てが消えるわけではない。私の心は衰弱していった。
そんな時、一通のLINEが届いた。
そう。『あの人』だ。
私は藁にもすがる思いでその人に助けを求めた。幸い次の日部活の集まりで会う予定だったのだ。
その日。私はあの人に全て話した。
母親が父親に包丁を向けたこと。そして心と身体がついて行けていないことを。あの人は全て受け入れてくれた。私が辛いこと。私が苦しいこと。決して、ほしい言葉をくれる訳じゃない。厳しいことも沢山。でも、私が辛い時、絶対に助けてくれる。そばに居てくれる。会いに来てくれる。言わずもがな私は惹かれていった。