前へ目次 次へ 5/56 5.賭け ビール好きの美子は快調に空き缶を増やしていく。背後から古谷が声を掛ける。 「美子ちゃん、少し控えた方いいよ」 逆に日下部と組長は大いに煽る。 「遠慮しなくてもいいよ」 席が別の古谷はやや分が悪い。 実は出発前の喫煙所で日下部が持ち掛けたというのは、金沢に着くまでに美子が何本ビールを飲むか賭けをしようというものだった。日下部と組長が5本と言ったのに対して古谷は4本と言った。当然、そのことは美子には内緒だった。