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暗殺計画

 その時、建物の下階からどたどたと走る音が聞こえてきた。外の音はすでに静かで、足音は一人分だ。

 

 「ゴラだな、表は片付いたか。」

 

 ノブおじさんが言った通り、ぼくらがナイフ男と戦った部屋へ戻るとすぐにゴラノルエスさんが入ってきた。

 

 「全員無事・・・、ってわけでもなかったか。大丈夫か?」

 「セリエスさんは毒を受けていて、冒険者ギルドに戻らないと。」

 

 ぼくが説明すると、セリエスさんも弱々しく苦笑いをしていた。自分の失態を恥じるような気持ちとお手数をおかけしますという気持ちが半々といった感じだろうか。

 

 「まあ色々食らっちまうのは前衛盾役の宿命だな。町中だし俺も毒の治療薬なんかは持ってきてないから、一旦帰るか。その奥はどうだったんだ?」

 

 ゴラノルエスさんはセリエスさんの様子を簡単に確認しながら、ちらりと奥の扉を見て言った。

 

 「隠し通路があったから、そこからキューラと黒装束は逃げたみたいだよ。」

 「他に気配はないから、少なくとも隠れてはいないな。」

 

 ぼくが言うと、ノブおじさんからも補足があった。そしてそれを聞いたゴラノルエスさんは少し考えるように目を伏せたあと、すぐにまたこっちを見て口を開いた。

 

 「よし、じゃあ俺はすぐにセリエスを連れて冒険者ギルドへ帰るから、バッソとノブはここに残ってもう少し探ってくれるか?」

 「わかった、何か情報がないか探してみるね。ゴラさんはセリエスさんのことよろしくね。」

 

 そう決まると、セリエスさんは立ち上がって少しふらつきながらも歩き出した。なんとか動けるくらいの余裕は残っているようだ。

 

 「何か見つけても見つからなくても、その後は魔法ギルドの親父の所へ向かって報告しといてくれるか。俺も後からそっちへ行くから。」

 「おう、ゴラも移動中は気をつけてな。」

 

 最後にノブおじさんと後のことを確認して、ゴラノルエスさんはセリエスさんと共に部屋を出て行った。

 

 「じゃあ改めて見てみよう。」

 「そうだな。」

 

 奥の隠し通路があった部屋へと戻って、ぼくとノブおじさんは二人で何か情報を見つけるべく探り始めた。

 

 「まず怪しいのはやっぱり引き出しとか? ・・・、って鍵が閉まってるか。」

 「ん? 確かにがっちり閉まってるな。いかにも何かしまい込んでそうだ。」

 

 執務室内は隠し通路のあった戸棚の他には、本棚と立派な机とイスがあった。だけどいかにも何か入ってそうな引き出しはしっかりと鍵が閉まっていて、当たり前だけど近くに鍵は見当たらない。

 

 「ちょっと待ってな、今開ける。」

 

 そう言いながらノブおじさんはロングソードを抜き放った。

 

 「え? なにする気・・・」

 

 ぼくが問いかけたところでノブおじさんは振り上げていたロングソードを重厚な机の縁のあたりに向かってまっすぐに振り下ろした。

 

 鈍い音を伴いながら、けれど驚くほどスムーズに振り切って下がったノブおじさんの前で、机の側面が外れ、支えを片方失った机が大きな音をたてて倒れ落ちた。

 

 「開けるとは?」

 

 ぼくが机についての哲学的思考に沈み込みかけていると、ノブおじさんは残骸というにはきれいに壊れた机の側面から引き出し内部を探り始めた。

 

 「紙が色々と入ってるな・・・、手紙とか、メモ・・・、計画書か?」

 「ん、どんなの?」

 

 

 

 しばらく二人で漁って、色々と情報を得ることができた。

 

 「さすがにどことはわからんが、やはり他国からの依頼のようだな。」

 「うん、封魔紋章とモンスター召喚のマジックアイテムが依頼主から提供されて、切り札の傭兵、多分あの黒装束もいるから魔法ギルド長暗殺も可能だろうってあるね。召喚アイテムは・・・、蛇の彫刻が巻き付いた宝珠で、無尽蔵の魔力を宝珠からくみ上げて蛇が召喚し続ける、とあるね。」

 

 話し合っていた予測は当たっていたようだった。そしてモンスター召喚アイテムの見た目が分かったことは収穫だったけれど、肝心のキューラたちの居場所のヒントとなるような情報は見つからなかった。

 

 「あまりここで時間を使うのもまずいよね・・・。」

 「そうだなぁ。あと少しだけ探してから魔法ギルドへ行って、この辺の紙を魔法ギルド長殿に届けるか。」

 

 そしてそれ以上はめぼしい情報が見つかることもなく、ぼくらは魔法ギルドへ向かって移動することにした。

 

 外へ出ると時刻は夕方になっており、未だあちこちから戦闘音や破壊音が聞こえるソルベをオレンジ色の日差しが照らしていた。

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