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冒険者デビュー

 次の日、ノブおじさんと二人で冒険者ギルドまで来ると、入ってすぐにセリエスさんが待っていた。

 

 「おはよ。改めてよろしくね。」

 「うん、駆け出しだけど精一杯がんばるからよろしく。」

 「まあ俺の方でもできるフォローはするし、肩の力は抜いていこう。」

 

 冒険者ギルドでは、受付で依頼を受けることになる。冒険者の実績や希望を考えて、提示された中から選ぶという形式だ。

 

 「おはようございます、セリエスさんとバッソさんでパーティを組んで受注ですね。」

 

 今日の受付嬢は初日に会った清潔感のあるきれいなお姉さんだ。

 

 ぼくとセリエスさんが一緒にギルド証を出したから、これは共同、つまりパーティで受注しますということになる。ちなみにセリエスさんは鉄ランク、一般的な冒険者のランクだ。

 

 あとノブおじさんは使い魔だからぼくとセットで一人扱いになる。宿ではこの理論は受け入れられなかったけどね・・・。

 

 「バッソさんの使い魔、ノブさんは非常に強い剣士だとメーネから聞いています。なので三人想定の依頼から出しますね。」

 

 おお、ノブおじさんが既に有名になりつつあるのだろうか。

 

 「ノブさんは本当にすごい技量の剣士なんですよ。マキリさんにもあのゴーレムとの戦いを見せてあげたかったですよ!」

 「ええ、メーネから散々に自慢されました。何でもお金がとれるほどの剣技を披露したとか。」

 「そんな人を大道芸人みたいに・・・。俺のは実戦剣術だから金はとれんて。」

 

 セリエスさんが食い気味にノブおじさんの技量をアピールしている。そしてこの受付嬢さんはマキリさんというらしい。

 

 ぼくらの騒がしいやり取りに苦笑しながらも、マキリさんはいくつか依頼候補を提示してくれた。

 

 「サローの森でのミツバ採取がいいんじゃないかな?」

 

 セリエスさんからはそう提案された。ミツバはフタバの変異種で日当たりのあまりよくないところに生えていることが多い。薬効はフタバ以上だが単純に数が少なく見つけづらい。

 

 「ソルベを出て一時間ほど行ったところにサローという小さな村がありまして、そこに隣接する森がサローの森と呼ばれています。内部のモンスターはそれほど強くないですが、数が多いのが厄介なのでよくこういった採取依頼がだされます。」

 

 「よくそんな危なそうな立地に村を作ったもんだなぁ。」

 「なんでも森の中でもモンスターの分布がはっきりと偏っているらしく、村がある側はかなり安全に木の実などが採れるそうです。」

 

 ノブおじさんがもらした感想にすかさずマキリさんの補足が入った。

 

 「つまり、今回依頼でぼくらが入るのは村の反対側・・・、ですか?」

 「そうです、モンスターが集中しているあたりにミツバが生えているそうです。ミツバは相場通りなら一株で十シルバー程ですが、今回の欲しい量や報酬などは依頼者が直接説明したいそうです。」

 

 

 ということらしいので、ぼくらはその依頼を受けることに決めて、商店通りの途中にある広場に向かうことになった。

 

 依頼者はそこで日にかかわらずに露店を出している。聞いたところ、町から町へと移動する行商人は滞在中はずっと出店するから、週に一度の決まった日以外でもひとつふたつは露店が出ているものらしい。

 

 今日露店を出しているのは一人だけだった、きっとあの人が依頼者だ。

 

 「あの、冒険者ギルドで依頼を受けてきたんですが・・・。」

 「ああ!はいはい、私が依頼主で行商人のモッスルといいます。ありがとうございます、受けていただけるのですよね?」

 「一応、詳しいお話を聞いてからになりますが、そのつもりです。」

 

 それだけ受け応えるとモッスルさんは説明をしてくれた。だいたいはギルドで聞いてきたのと同じ内容で、それに加えて。

 

 「あればあるだけ欲しいので、数は決めずにお願いします。ミツバを一株十五シルバーということで。」

 「へぇ、奮発してくれるんですね。」

 

 思わず、といった感じでセリエスさんが言ったけど、ぼくもすこし驚いた。聞いていた相場の一.五倍だ。

 

 「詳しいことは教えられませんが、いい商売相手が見つかりましてね。ミツバが手に入りさえすれば大儲けできそうなんです。この商機は逃せないのでぜひお願いします!」

 

 大した気合いだ、商人としての大一番、ということなのだろう。

 

 「できるだけ早い方がいいですよね?今から日帰りで行ってくるので、明日ここまで持ってきますね。」

 「ありがとうございます、助かります。明日は一日ここにいるようにしてお待ちしておりますね。あ、ミツバ以外でもフタバですとか他にもレッドリーフなども高く買いますよ。」

 

 森の中にはフタバはあまり生えてないだろうけど、行き帰りの道中でとっておこうかな。レッドリーフ?ていうのは聞いたことないな。

 

 「レッドリーフ、ですか?」

 

 あ、セリエスさんも知らないみたいだ。

 

 「ご存じありませんか?比較的大きな赤い葉の草でして、フチがぎざぎざとしているのが特徴です。薬効はなくお茶にするだけの嗜好品ですが、乾燥させて砕くので長持ちするし、かさ張らないということで行商人はよく仕入れるのですよ。こちらは一株十シルバーほどが相場なのでその値で買います。」

 「ふぅん、薬でもないのにずいぶん高いな。」

 「嗜好品とはそういうものです。」

 

 ノブおじさんは少し気に食わなさそうにしている。お茶嫌いなのかな?

 

 とはいえ目的としてはミツバ探しだ、ソローの森までは一時間くらいらしいから夜までに十分行って帰ってこれるだろう。

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