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短編

自殺スイッチ

作者: 小沢琉祢
掲載日:2019/01/29

『社会には二通りの人間がいます。

 必要な人間とそうで無い人間です。

 皆さんの中には自分は必要な人間だと勘違いしている人間が多すぎます。

 自分が必要ないと感じた時、このスイッチを押してください。

 すぐに楽になれます。

 死は罪ではありません。

 むしろ無理して生きてもらう方がこちらとしては迷惑です。

 さあ、すぐにこのスイッチを押しましょう。

 その方が楽ですよ』

いらない人間は消えろというこの世界。

それが正しいのか私にはわからない。

でもきっと正しいのだと思う。

だっていらない人間は生きている価値がないのだから。

こんな風に無駄に酸素を消費し、無駄に命を頂き、そのくせ社会に全く貢献していない人間は死ぬべきだ。

最後に、大親友だと思ってる人にメールをした。

『今からさ、自殺スイッチ押そうと思う。

 私社会の底辺だからさ…』

返信を待っている私は、誰かに止められたいのだろうか?

自分は必要ないと思っているのに、誰かに必要とされたい。

矛盾しているなと思う。

『今どこ?家?』

短い返信がかえってきた。

『家』

そのまま事実をかえした。

『今からそっち行くから。

 いい?変なこと考えちゃダメだよ。』

変な事?自殺スイッチを押すことだろうか?

何処が変だというんだろう?いらない人間が消えるだけなのに。

彼女のそういうところは昔からだ。

私が自殺スイッチを押そうとするたびにわざわざ止めに来る。

そうやって自分のステータスをあげてる気にでもなっているのだろうか?

くだらない。

でもそういう彼女が家に来てくれるのを待っている私はもっとくだらない。

もう終わりにしよう。

私はスイッチを…





「まやー来たよー」

チャイムを押してもまやは出てこない。

なんでだろう?もしかして…

ノブを回すと、ドアは開いていた。

「まや!!!」

急いで部屋へ入る。

リビングで、泣いているまやを見つけた。

そばにはスイッチが転がっている。

「まやぁ!!!」

「りつ…ごめん、私、死ねなくて…」

「何言ってるの?」

「私…底辺なのに……存在しない方がいいのに…」

「まや…」

「ごめんね…ごめん」

「謝らなくていいんだよ。まやはいらない人間じゃない。私にとって大切な親友なんだから」

それっぽいことを言っておく。

これでしばらくは死なないだろう。

私はまやが生きていればそれでいい。

いつもそう。

死にたくなっては自殺スイッチを押そうとして、結局押さない。

そういう人間なのだ。

かわいいなあ。

私がいないと生きてけない彼女。

彼女を励ますことで自分を保ってる私。

こういうのを共依存と言うのだろうか?

もし共依存だったとして、それは悪いことなのだろうか?

結局、二人ともいらない人間なのだろうか?

分からない。

それでも生きる。

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