疲れました。
さて、困った。廊下にあるたくさんの部屋。どれだろう俺の部屋…。
「………?」
「知らない人がここにいる、つまり新人ってことだよ、お姉ちゃん。」
これからどうしようかと、呻っていたら、いつの間にか目の前に二人の子供がいた。双子だろうか?顔立ちが、よく似ているし、プラチナブロンドの髪を両者とも腰まで伸ばしている。服装も、いわゆるゴスロリと呼ばれるような、黒と白のみの可愛らしい服でお揃いである。違いがあるとすると、片方が両目をアイマスクのようなもので覆っていて、もう片方が首元にチョーカー?いや、リボンだな、うん。リボンは首の後ろで蝶々結びされていた。
そんな彼女たちは、手をつないでこちらを見上げていた。
「………。」
「そうだね、間抜けそうな顔してるよ。ね、お姉ちゃん。」
「………………。」
「ロリコンなのかな?だらしない顔してるよ。ね、お姉ちゃん。」
「違うよ?!」
「………。」
「うるさい、死ねばいいよ。ね、お姉ちゃん。」
「辛辣過ぎない?!」
いちいち行動がシンクロしてるし、耳塞ぐ仕草が地味に可愛いな、こいつら。
いやいや、俺ロリコンじゃないよ?紳士だよ?
いや、それよりも、こいつら誰?
「…?」
「ふつうだよ。ね、お姉ちゃん。」
「はぁ、もういいよ。ところで、君たち誰?」
「………?」
「いまさら?頭大丈夫?ね、お姉ちゃん。」
「相変わらず辛辣だね?!」
今更だが、さっきから辛辣な言葉を言っているのが目隠しをしている女の子。もう一人は、さっきから、ぼそぼそと何か言っているのが、リボンを巻いている女の子である。
「はは、やっぱり話し進まないか~。君たち帰っていいよ~。僕説明するから~。」
「……。」
「やった!カル兄ありがとう。ね、お姉ちゃん。」
なんか、新しい人が来ました。茶髪に長身なイケメンですね。なんだろう、この“自分、爽やか系男子です”みたいな人?目が夕日の色みたいなきれいな橙色をしてる…。
状況は、よく分からん方向に行ってる気がする…。
て言うか、おい双子?そんな嬉しそうな顔して、お兄さん泣いちゃうよ?
そして、双子は体が薄くなるように消えていった。
「ごめんね?あの子たち、マイペースだから。」
「いえ、大丈夫です。まぁ、事実助かりましたけど…。」
「はは…、はぁ。やっとまともな子が眷属に増えた…。」
ん?乾いた笑いの後のため息。その後の言葉?聞こえてますよ?お兄さん。まとも?眷属?
もしかして…。
「君は気づいてると思うけど、さっきの子も、僕も君と同じ、《邪》の主神様の眷属だよ。毎回、新人が、ここの拠点についての説明を新しい見習いにするんだけど…、ね?」
“ね?”って察したけど…。
なるほど、つまり先輩ですか…。しかもまともな人って、さっきの言葉からだと俺とこの人だけ?他の人は、さっきの奴らみたいなのってこと?メンタル強いと言われた俺でも辛い仕事場じゃないかな?なんだろう、初日にしては、重くないかな?メンタル削られてくなー。はは…、はぁ…。
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