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眷属見習い~邪神の眷属になりました。~  作者: かかかうどん
八番区 チュートリアル
3/10

笑われました。

ええい、やってしまえ~!

「SPについては初回20ポイント上げたからね~自由に使っていいけど、取り直しはできないから注意ね~。次は~メニューね。これも念じれば出るから――――」


少年がなんか言ってたが、俺には聞ける精神状態ではなかった…。


―――――――――――――――――――――――――――


「――ねぇ、ねぇってば無視しないで~。」


船の端で足を抱え座っていた俺は、誰かに揺すられ、やっと、誰かが話しかけていることに気が付いた。


「君は?」


と問いかけてから、ちょっと後悔した。相手を見れば、先ほど全体説明をしていた少年がいた。子ども特有の中性的な顔に短い髪、綺麗な目は、吸い込まれてしまいそうなぐらい澄んだ青色だ。身長は、俺のお腹位だろうか。


「君さっきの説明聞いてた?はぁ…、まぁいいけど、僕は主神の一柱、通称“馬”だよ。」

「すみません。ぼーっとしていました。自分に何か用事ですか?」


そう言って、俺はまた後悔した。俺は、邪神の眷属である。ならば他の神様と、敵対しているのではないだろうか。俺は、ここで殺されてしまうんだろうか。


「なんでそんなに怯えるの?」

「…、俺は…。」

「男の子でしょう?はっきり言いなよ?」


ええい、なるようになれ!!


「俺は、邪神の眷属なんです!!」


神様は目を限界まで開き、顔全体が驚きを表していた。あ…、終わったわ。俺終わったわ~。転生初日で、他の神様に殺されるわ~。


「くくっ。」


俺が、現状に絶望して遠くを見ていると、押し殺すような笑いが聞こえてきた。その方を見ると、神様が笑いを堪える様に下を向きながら肩を震わせていた。えっと、どういうことですか?神様は、堪えきれなかったのだろう、ついに声を出して笑い始めた。笑いが収まるまで、数分。それまで呆然とする俺。何この状況?


「くく…、ごめん、ごめん。そっかそっか、だから怯えてたんだね。大丈夫だよ、“龍”は邪神だけど、君の思う邪神じゃないから。もちろん、敵対もしていない。」

「…っ、それは、よかったです。転生初日に、神様と戦うとか、終わったと思ってたところです。」


絶望から、一気に解放され、俺はため息が漏れた。絶望しつつも、緊張をしていたんだな俺。


「“龍”の眷属ってことは、ステータスひどかったの?」

「えっ…。」

「あいつの眷属、初期ステータス酷くなるんだよね。もはや、呪いだよ、あれは。」


神様は、笑いながら俺にそう言った。えっ?つまり、爺さんのせい?


「まぁ、正確にはあいつが悪いじゃなくて、あいつが眷属にする子がみんな特殊なんだけどね。前回の双子ちゃんも酷かったけど、君はどんな感じなの?見てもいい?」

「見る?どうするんです?」

「僕は、《賢》の担当だからね。相手のステータスを見ることができるんだ~。」


なるほど、ゲーム的に言えば、《鑑定》かな?俺は、頷くことで肯定の意思を返した。


「それじゃあ、見るね~。…、これは…。」


見ると言っても、何かされている気はしないのか。鑑定が終わったのだろうか?最初驚きに染まっていた顔が徐々に笑顔になっていく。最終的に、また声を出して笑い始めた。また、呆然とする俺。この人、笑い上戸なのか?そして、待つこと数分。


「いや~、ごめん。ごめん。君も酷いね~。全ステータス10分の1って、Lv.表記無いから、これずっとそのままってことだよ?さすが、“龍”の眷属酷すぎる(笑)。」


おい、笑い上戸さん、他人事だと思って笑いすぎでしょ?!こちとら、死活問題なんですが…?なんか、ムカついてきたな、この笑顔。


「むぎゅ?!ふぁにしゅるのしゃ?!」

「笑いすぎだ!それと、何を言ってるのか、分からん!」


ムカついた勢いで、笑い上戸の頬を右手で両方から挟む。後悔はしていない…。ごめんなさい、嘘です。この人、そう言えば、神様でした。今度こそ俺死んだわ~。


「ふぁなせぇ~。」


ぺちんと、手を叩かれる。即座に俺は、自らの姿勢を変える。抱えた足を崩し正座をし、手を揃え、頭と一緒に下げる。要は、土下座である。


「申し訳ありませんでした!!ムシャクシャしてやりました!!後悔はしています!!」

「謝って許されると思ってるの?僕これでも神様だよ?」


お、終わった…。空気が一気に数段下がった気がする。張りつめていく空気に俺の顔全体に嫌な汗が流れる。


「まっ、僕も笑いすぎたから、別にいいけど(笑)。それにしても、僕にこんなことするの、“龍”以外だと君が初めてだよ~。」


よ、よかった。どうやら、助かったようだ。そして、さらっと出てくる爺さん。あんた何しとんねん!


感想、誤字脱字、お待ちしております。

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