第5話『川越家の人々』
【SE】蝉の声
田波目:たーいーがーくんっ あーそびーましょっ
【SE】階段ドタドタ
千晶 :チョお大我!アンタもう彼女デキたん!? めっちゃ可愛いやんけ!!
田波目:あ、いえ、私は彼女ではなくて‥
【SE】ドタドタ
大我母:ホンマに可愛いやんけ‥ この泥棒猫‥(泥棒猫は小声で)
田波目:あ、初めまして、私 田波目礼央奈と申します。
大我母:お初にお目に掛かります。大我の母で御座います。
千晶 :お母ちゃん、丁寧すぎるわ(笑)
大我母:つーつつつ(障子を指でなぞる音)あらやだ、こんな所にホコリが‥
千晶 :掃除したのお母ちゃんやろ‥チョッとしたボケやから気にせんといてな(苦笑)
【SE】ドタドタドタ
川越 :ホンマに田波目さんやん。 図書館集合ちゃうかったん?(焦)
田波目:迎えに来たかったの(照)
千晶 :け、健気‥ アンタどんな弱み握ったん1?
川越 :何も握ってへんわ
大我母:洗脳ね!何したん!? はっ!A5ランクね!? 特上なのねぇぇ!!
川越 :そんなん通用すんのオカンくらいのモンや。
騒がしくてゴメンやけど、準備して来るからチョお待っててや(焦)
大我母:あの子はホンマいけずやなぁ。 ね、上がってちょうだい♪
田波目:あ、いえ‥
千晶 :えぇから、えぇから、色々話も聞きたいし♪ カルピス濃い目にしたるから♪
田波目:は、はぁ‥(珍しく押されてる)
【SE】トタトタトタ
千晶 :お父ちゃん!居間で仕事せんといてって言うてるやん!!
大我父:すまん、すまん。 おっ 千晶 の友達か、いらっしゃい。
千晶 :ちゃうちゃう、大我の彼女やって。
田波目:お邪魔致します。田波目礼央奈です。
それで、あの、私は大我君の彼女ではなく友達です‥
千晶 :え?そうなん? なんやぁそれやったら早よう言うてくれたらえぇのに♪
おかしい思うててん、あのズボラに彼女なんて、なあ。
大我父:田波目‥珍しい名字やね。 田波目‥ 田波目‥
大我母:はい、カルピス♪ 牛乳割りやで♪
千晶 :お母ちゃん、この子、大我の彼女ちやうねんて。
大我母:あら、残念やわ~ こんなベッピンさんやのに‥
千晶 :大我と友達って事は、高校一緒なん?
田波目:あっはい。夏風高校です。
千晶 :おー♪ それやったらウチも同じやで♪ 学校でも仲良ぅしてな♪
田波目:こちらこそ宜しくお願いします。
千晶 :ほな、礼央奈ちゃんって呼んでえぇ?
田波目:あっ はい(照)
千晶 :をほ♪ 可愛い後輩ゲットやで♪
大我父:タッバーーメェェ!!(イタリア語っぽく)
千晶 :お父ちゃん、急にどないしてん?(引き気味)
大我父:田波目さん、お父さんて『田波目 耕三』さんちゃう?
田波目:‥はい、そうです。(あまり知られたくない感じ)
大我母:え?お父ちゃん 知り合いなん?
大我父:ちゃうねん、
田波目というたら、ライオンズの黄金期を支えた名キャッチャー‥
現在二軍監督を務め、次期監督候補とも言われている人なんや!
千晶 :へー そうなん? 凄いやん♪
大我父:二軍落ちした大塚選手は元気ですか?
田波目:父と仕事の話はしないので‥
千晶 :女の子なんやから野球とか興味あるわけ無いやん。
大我母:ごめんね、お父ちゃん熱烈なライオンズファンやってん
田波目:あ、いえ、大我君から聞いていましたし、父も喜ぶと思います。
大我父:ふむ、近々大我と一緒に挨拶に伺うとしよう‥
川越 :なんでやねん。 準備できたし、図書館行こか?
大我父:大我、田波目家の ご令嬢に失礼のない様にな。
川越 :ご令嬢って‥
【SE】歩く音
川越 :お父さん、野球選手やったんや
田波目:ええ、知られると冷やかされるから高校では内緒にしているの‥
川越 :ほな僕も内緒にしとかなアカンね(優)
田波目:友達同士の秘密‥(憧れ)
川越 :そんな大袈裟な‥ っと、姉ちゃんにも口止めしとかんとアカンな‥
田波目:それはそうと、お母様、シマウマ柄のシャツを着ていたわネ♪
川越 :ん? シマウマ柄‥? いや、あれはただのボーダーのシャツや!
END