第3話『点と数』
SE :キンコンカンコーン
先生 :ハイ、そこまで!
後ろから答案用紙集めて~
男生徒:うわ~ 全然できなかったー
先生 :それじゃ、サクッと採点してくるから、
チョッと待ってろ~♪
川越 :田波目さん、補習のテストどやった?
田波目:私、過去は振り返らない主義なの
川越 :いや、30点取れへんかったら、もう一週間補習やん
田波目:その時は、また仲良く補習を受けましょう♪
川越 :僕、たぶん、大丈夫やけど?
田波目:その時は、仲良く学校に通いましょう♪
川越 :なんでやねん‥
田波目:小声君って血液型、、何?
川越 :話飛んでるやん‥
てか、田波目さんも性格判断とか気にする人なんや?
田波目:いえ、血液型性格判断は気にしないのだけれども、
その行為自体には意味があると思うのよ。
川越 :それ、なんなん?
田波目:友達同士で『何型に見える』とか喋っているうちに、
相手の血液型を認識できるじゃない?
川越 :そやね
田波目:もし、その友達が怪我をして緊急に輸血が必要になって、
その子が何型かの情報があれば対処が早くなるじゃない?
川越 :そんなん、調べた方が早いんとちゃう?
田波目:今はね、でも今ほど医学が進んでいなかった時代だと、
急な検査では間違ってしまう事があったらしいのよ‥
川越 :だいぶ古ない?
田波目:で、ちゃんと調べた血液型を、身近な人に教える方法として、
『血液型診断』という面白媒体を使って、
周りに認知させていたのよ‥
川越 :あぁ そうやったんや?
田波目:えぇ、自論なのだけれども♪
川越 :自論かいwww
ほんで、田波目さんは何型なん?
田波目:人の血液型を聞くのなら、
先ず自分の血液型を名乗るべきではないかしら?
川越 :武士か。ま僕はA型やけど。
田波目:私はAB型よ。
川越 :コレで緊急の時も安心やな♪
スマホの連絡先にも追加しとくわ♪
田波目:スマホって便利ね。私ガラケーだから。
川越 :あ、そうや、連絡先教えてもろてえぇ?
田波目:人に連絡先を聞くのなら、
まずは自分から‥
川越 :はいはい、080-(ゼロハチゼロの~)
田波目:『川越大雅A』と登録しておくわ。
川越 :藤子不二雄Aみたいやね‥
田波目:血液型性格判断で思いだしたけど、
それよりも酷いのは、『星座占いランキング』ね。
川越 :それ解かるわ。
順位が低くて『ラッキーパーソン』とか言われても、
周りにそんなモン無いやん!ってヤツやんな?
田波目:それ以前の問題よ
川越 :え、そうなん?
田波目:ふと目にしたニュースの星占いに、
順位や点数を付けられるなんて不本意極まり無いって話よ‥
川越 :別に信じなかったらエェだけの話やん‥
田波目:勿論、信じてはいないのだけれども、、
川越 :ほな問題ないやん。
田波目:じゃぁ、想像してみて?
川越 :はいな
田波目:貴方は清々しい晴れた朝に家を出て遊びに出かけました。
川越 :ほんで?
田波目:突然背後から肩を叩かれて、振り向いたら知らないオバサンから
『今日の お前、40点。(悪意をこめて)』とか言われたら、
どう思う?
川越 :知らんオバサンが怖いわ!誰やねん。
田波目:新宿の母だとか原宿の母だとか?
川越 :結局、知らんオカンやな‥
田波目:問題は そこじゃなくて、『朝イチから他人に自分の点数を
付けられる』って部分よ。
川越 :確かに、イイ気分はせぇへんな‥
田波目:でしょ?
今日の良し悪しは自分で決めるから放って於いて欲しいのよ。
SE :ポンポン
先生 :委員長、今日の お前、31点。(チョッと強めに)
田波目:よ、良かったぁ(安堵)
川越 :点数つけられてるのに、メッチャ 喜んでるやん(笑)
【エンディング】
先生 :熊谷! 29点!
熊谷 :うぉおぉお!! 先生、何とかなりませんか‥?
先生 :それは コッチの台詞だ!
生徒 :熊谷 ウケるぅ♪