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「Kill me」の名は。  作者: 古川 嘘
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俺の名前は喜多陽介。高校2年生だ。

東京で、いろいろなバイトをしながら、それなりの学園生活を送っていたが、

ある朝、目が覚めると……


女の体になっていた。


「こ、これは……!?」


夢か現実かを確かめるため、思わず自分のおっぱいを揉んでしまう。


……やわらかい。


小ぶりながらも張りがあって、テンピュールのように深く沈みながらも、

掌の中で、こんにゃくのように弾き返ってくる。


揉んでいるうちに気持ちが昂り、興奮するが故に揉んでしまう。

いつまでも揉め続けられてしまう自発的永久機関。桃源郷が、そこにはあった。


いや、こんなことをしている場合ではない。

これはいったいどういう状況なのだ?

部屋にあった鏡を見ると、そこには見覚えのない女の子の姿があった。


「え?」


急いで下の服を脱ぐ。


「えええっ?」


黒髪、清純そうな女の子。鏡に映っている、これが自分?

そういえば、このかわいらしい部屋にも見覚えがない。

もしかして自分は今、見知らぬ部屋に住む、女の子になっているということだろうか。


「夢なら夢でいいから……」


30分後。

今まで味わったことのない快楽を、全身で味わっていた。


一通り堪能し終わったところで、ようやく部屋を出る。

とりあえず状況を確認しなければ。

ゆっくり廊下を歩いていると、茶の間だろうか、座布団に座った男の人の背中が見えた。


「あのー……」


もしかして、この子の父親だろうか?

そっと肩を叩く。すると……


ゴトッ。


男はゆっくりと体勢を崩し、まるで取り壊された煙突のように床に崩れ落ちた。


「はっ?」


し、死んでる……?


思わず手を伸ばそうとする。

と自分の左腕に、何か文字が書かれているのが見えた。

そこに書かれていた文字は――


『Kill me』


その意味は……


『私を殺して』


よく見ると、男の頭の一部は、イチゴジャムのようにグチャグチャになっていた。


いったい、何がどうなっているんだ……?

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