運命の朝
「君は、選ばれし勇者だ。」
はぁ、こいつ何言ってるんだ、と俺は思った。だが、これは夢だ。夢では何起こるか、分からないからしょうがないなと思った。このセリフを言ったのは8歳ほどの少女いや幼女だ。髪の色は銀色だ。それより幼女の頭には猫の耳と尻尾があったのだ。それでも俺は、生意気だな、どうしてやろうかなと考えてたら、急に幼女が近ずいてきた。少し身構えだが、幼女は俺の肌に触った。正確には、中に入ってきた。幼女が俺に入りきった瞬間に、世界が暗転し足場から崩れた。
「うわぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーー!!!!!」
と、足元から崩れていった。
チュンチュンと小鳥が鳴いていた。カーテンの隙間から、朝日が漏れていた。
「何だ、朝か」
とこの俺、神山優はデジタル時計を見ながら言った。ちなみに6時だった。さっきの夢は何だったんだろうと俺は思った。あんな夢を見るなんて初めてだった。俺は、見たものや思った事は絶対に忘れない体質だ。もちろん夢も例外ではない。
「まあいいか、走ろ」
いつも通りに走る準備をする。ジャージを着て、準備運動をして玄関を出る。ゴールデンウィークの初日にしたら、風が気持ちよかった。ゴールデンウィーク初日に走るなんてと皆さん思うかもしれないが、日課だからしょうがない。ストップウォッチをスタートさせて、12年間走って来た道を2.4km走る。この道にもいい加減に慣れた。1.2kmの目安としての橋も越えた。今日は地味に速かった。家の前に着いて、ストップウォッチを止めた。今日は8分27秒だった。やはり速い。いつもなら8分45秒ぐらいだ。汗を掻いたから、風呂に入る準備をする。湯は事前入れていた。頭と体を洗い、湯に入る。いい湯加減だ。肩まで浸かってたら、いつの間にか寝ていたようだ。危ないなぁ自分と思うくらいだ。最後にリンスをする為に、シャワーの前に行く。そこでやっと自分の異変に気が付いた。
「何じゃこらーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!」
ソプラノの高い叫び声に成っていた。なんとあの夢に出てきた幼女に成っていた。だが、若干あの幼女とは違う所がある。背丈は一緒だが、髪の色が銀に黒が混じっていた。しかも、耳と尻尾も付いていのだ。
「どうすんの、これ・・・・・」
ゴールデンウィーク初日の朝は優にとって最悪の朝となった。