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或る男の殺人後の行動

 やばい、破滅だ。そうその男は思った。

彼の足もとには糸の切れた様にだらしなく、生命の欠片も感じられな女性が横たわっている。今もその赤き生命の源が腹部から流れ出て、止まる様子はない。それを見る男の目にも生命が感じられない。いや、感じられないのではなく彼の目にはカオスが宿り、生命が感じられ過ぎるが故に、生命を不思議と感じない。男は迷う、迷う、迷う!

死んだのか、生き返るのか、いやそれは無理だ、アリバイは、指紋は、凶器を隠さなくては、今は何時だ、動機による情状酌量は、この女が悪い。グルグルグルグル、止まる事を知らない思考の大渦が彼の頭に巻き起こる。その大渦は思考を呑みこみ、呑みこんだ後にまた浮かぶ。グルグルグルグル。

大渦が小渦になり、カオスは安定し、一つの答えを導き出す。アリバイを作ろう。そのために光速を超える速度で走り、走り、走り、過去に行こう。そしてアリバイを作る。理論上ではそれで過去に戻れるはずなのだから。

走った!

走った!

走った!

そして彼は光速を超え、過去に消え、この次元から彼はいなくなった


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