表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/2

第1話 『静かなる炎』

プロローグ


赤い大地の過去に火星と呼ばれていた『エルラウンド』という惑星から

銀色に輝く翼シルバーウイングという、星間航行が可能な乗り物を使い

魂の集う場所『ソウルオブアース』へやってきた六人の男女


この惑星で最も進化を極めた

幻想歴ファンタジーブレス:5000~7000年あたりは特に科学的に栄華を加速させていた


世界の全てのエネルギーを、巨大な一本の剣で無尽蔵に供給することのできる

『ソウルシステム』により


大地そのものとも言える大剣『アースブレード』


この巨大な剣を扱える『ドニックス』一族

圧倒的な能力と慈悲により

大国となった


世界中が華やかな時代に暗躍した

エルラウンドから来た六人の秘密に迫った物語です・・・


エルラウンドと違い、青いイメージの惑星

ソウルオブアースと言うらしいが

俺にはあまり関係ない!!


心地よい環境の世界ならな・・・


「リーア様のお導きで、素敵な世界へ来れました・・・」


毎日の日課になっている、守護する女神である眠り姫ことリーア様

あなたの最後の勇姿は忘れませんよ

その行動で俺を含め無数の人々が救われたんだ


散り散りとなってしまったようで

この惑星にも数機の翼が飛来したみたいで

俺らが不時着した『風の丘』と呼ばれる地は

親切な学園により、住まわせてくれることとなった


まあ、丁度と言うか・・・偶然と言うか

俺らは、ソウルに関してエキスパートだったから

学園で講師として雇ってくれるらしい


「でもな・・・俺が先生とか場違いな気がする」


屋上で一人爽やかな風を感じながら

無駄な時間を過ごしていると・・・


「アダート~!! また、サボり~??」


若干、おっとり気味な口調

容姿は・・・個人的な感想でいいなら、最高だ!!

プロポーションは、青く輝くこの惑星の海のように綺麗で素敵な長い髪

顔も可愛いというよりも美人と言ったほうがいいだろう

ここは、意見が分かれるところだろうが

俺は、知的な女性が好きだから・・・そう、眼鏡は外せないぜ!!

身体も・・・胸は巨乳とまでは言えないがそれなりにあるし

腰も華奢までは痩せてないが、十分くびれもある

お尻も運動を欠かさずしているだけあって、引き締まった感じだ

何より、美術館に寄贈されてもおかしくないくらいの・・・美脚!!


俺が、どうしてここまで彼女を褒めるのか??


「アダート・・・恋人の私まで怒られるんだからね!! ちゃんと授業やってよ~!?」


「・・・俺に先生が似合わないって、お前も言ってたじゃないかクレア!!」


クレア・・・まあ、何だ・・・俺の恋人ってことだ!!

でも、言っておくが!!

それを差し引いても、十分に世界で通用する美人だぞ・・・


って、正直にクレアに言ったら・・・どんな反応するんだろうな

今度、酒の勢いでやってみようかな??

でも、真面目に言わないと説得力ないか・・・


「いつもセバスさんに任せてるじゃない~!! 彼は執事ですが、便利屋ではないのですよ~??」


「わかってるって、今日は風属性の授業だから任せただけだ」


クレアの言うセバスというのは

俺に付いている執事で

両親が死んだ後もほぼ無償で色々やってくれている


親の死ぬ前に多額の資産を受け取ったと噂もあったが

そうだとしても、俺にとっては大事な家族みたいなものだ

ついでなんだろうけど、恋人であるクレアにも色々と世話してくれてる


「ちゃんとセバスさんにお礼言うのよ~?? いいかしら~!!」


「ああ・・・お礼は必ずする、それは俺のセオリーだからな!!」


執事のいる家庭だからな、俺は貴族出身だったりする

躾もしっかりと教わり

特に礼儀に関しては厳しく言い聞かせられて

お礼は必ずすることと


だから、自分に対して何か有意義なことをされたら

どんな立場の人にでも礼はすると


「火属性の授業は、必ず出てるから・・・クレア、心配かけて悪かったな」


「・・・また、そうやって優しく迫るのね」


恋人同士だったら、別にこれくらいいいよな

誰も見てないし・・・

俺は、クレアにキスをした


これはお礼とかではなく、単純に衝動的な行為だったりする

それをクレアもわかってるみたいだけど

あえて、何も抵抗もしてこない

そういうところも、魅力の一つかもしれないな・・・


「相変わらず・・・私はあなたのキスには勝てないみたいです~♪」


「嬉しそうに言ってくれるんだな・・・こんな事するのはクレア以外にはありえないから」


クレアもだが、俺も一途に彼女を愛してる

お互いに出身も貴族で親同士が仲が良くて

小さい頃から、結婚するんだと思ってた

今でも考えは変わってないし

きっかけがあれば・・・という感じだな


「ねぇ~アダート??」


「何だ?? クレア・・・改まって、俺に迫って!?」


キスして、欲情したのか・・・

急にクレアが俺に抱きついてきた


「あのね・・・別に意味はないの、少しだけこのままでいさせてね~♥」


「・・・ああ」


言葉がまともに出なかった

クレア以外との女性と付き合ったことのない俺にとって

この状況は、情けなく思われるかもしれないが

緊張してしまった


「私ね・・・アダート以外の男性とのお付き合いの経験がないけど、他は考えられないよ~!!」


「それは、俺も同じだ・・・クレア以外の女となんて、面白くないし・・・まず、ありえない」


新しい世界であっても、俺とクレアの関係は変わっていない

むしろ、進展してるかもな・・・


「永遠にこの時間が続けばいいのに~アダートとずっといられるよ~!?」


「あはは・・・クレアの妄想も極みだな」


「何よ~!! アダートは私と永遠したくないの~??」


どういう質問だよ??

まあ、答えは決まってるけどな


「そんなの、聞くまでもないだろ?? 俺もクレアと永遠に一緒がいいに決まってるだろ~!!」


「~♪ 大好きよ、アダート~!!」


今度はクレアからキスされた

・・・こんなシーン、周りからはバカップルだと思われるんだろうな

そんなことは他人が決めることで

俺とクレアの間には些細な感情だよな


「今度の休みにデートしようよ~♥」


「デートか・・・何か毎日してる感じだけど、どこか行きたい場所でもあるのか??」


しっかりとしているようで

抜けている部分もあるクレア

俺の質問に、急に悩み出してしまった


「ノープランで、俺に任せるつもりだったのか・・・まあ、男がリードするのはセオリーだろうけど」


大体のクレアの行動はわかる

好きなものとかも

だから、普通にこんな事も当たり前だったりする


「・・・アダートとのデートだよ、どこでも楽しいから~♪」


まあ、そうだよな・・・

今度の休みまでに、デートプラン考えておくか


「期待はするなよ、一応考えておく・・・」


「うん!! 期待しないで期待してるから~♪」


意味不明だぞ・・・

もう、デートをすることが期待でいっぱいなんだろうな

俺もだから・・・さてと、今の時間は??


こっちの世界は、文明が進んでて

小型の機械が全てを網羅できる

ブレスレットの端末でネットワークにアクセスが可能だ

これはソウルシステムの応用で

宝石を持たない人もソウルを使用できるらしい


だから、ソウル・・・この世界では魔導と呼ばれているが

それを制御するための学校があり

そこで先生をしているんだ


俺もクレアもそれぞれ、体内に宝石を保有していて

その宝石により、ソウルを使える

外部干渉で更に制御を容易にしたのが


さっき説明した、ブレスレット型の端末で

それ以外にネックレスや指輪などの

宝石を使った装飾品として身に付けている


そんな宝石が体内の宝石の代用となり

ここで教えている内容を全て理解しなくても

ある程度の知識で簡単に使える


だからだろうか、その手の悪用も少なくない

この世界に魔法という存在はなく

概念だけはあるのだが

それと類似されるソウルは

科学の極みとも言える


難しいスペルもほとんどないし

(上級の一部には存在はしている)

音声認識か、システム干渉で思うだけで使える

あらかじめソウルをセットしておけば

時限爆弾のようにも使える


まあ、ほぼ自在にソウルシステムによって

誰でも扱えてしまう


永久機関として稼働している巨大なデバイスもあり

発電所がそれに該当する

国税を納めるその国の民は、無償で恩恵を受けることができ

エネルギーは無尽蔵に使える


そんな時代だから、特に科学が進化を加速させて

一気に豊かで便利な生活を手に入れることができたんだろう

実際、俺も暮らしてきて

ここまで気軽に最先端のテクノロジーを容易にできるのかと、正直驚きしかなかった


だが、住めば都というように

異世界であるここも、楽しく生活してる

しかし、環境というよりもクレアが一緒にいるという事が重要かもしれないな


「アダートは・・・風の丘のもう一つの仕事についてどう思ってる~??」


「何だ、改まって・・・今更聞く質問でもないだろう」


風の丘は慈善団体として表向きは活動をしている

まあ、大半はソウルを正しく教える学園の運営だが

その他にも、奉仕や介護といった分野にも力を入れていて

寄付という形で多額の資産を保有している

それも、みんなある程度は理解した上でのことだったりするらしい


どうしてかというと・・・

単純に学園の運営資金がかなりかかることが第一にある

通う生徒は無償で授業を受けられる

しかも、身寄りのない子供達は衣食住を援助していて

自立できるようになるまで斡旋もする


こんな無謀な活動を容易ではないが、行えるのは

特に上流階級の家柄の見栄の張り合いが水面下で行われているからだ


ここまで簡潔に慈善を行う団体に無慈悲で寄付できるだけの余裕があると公言できるし

余る資産なら、家に置くより有意義な活動に使われた方が

印象も全く変わってくるだろう

だから、余剰資産を迷わず寄付する


それに、寄付した分は国税から免除されるらしいから

上手い脱税の方法としても利用されているようだ


お金の綺麗さは、とりあえず関係ない

貧しく飢えた子供たちが笑顔で大人に成長してくれれば

と、建前の世界だったりする


表向きな活動は、ありふれた慈善に過ぎない

でも、不幸の数が少しでも減れば

貴族連中も名誉という肩書きが追加されて

評判だけでいえば、良い印象だろ??


俺の一家も同じ上流の貴族だったから、ということでもないが

打算で合理的な考えで、しっかりとしたプランが運用されていれば

それはそれで、構わないと思う


あくまでも、見えなければわからないからだ

非合法だとしても、合法になる


で・・・だ、さっきのクレアの言ってたもう一つの仕事についてな


慈善団体である風の丘が行う、こちらが本来の姿なんだろう

裏の仕事とは、簡単に言うと

ヨゴレ仕事関連だ!!


世の中、善人ばかりではなく

悪人も無数に存在する


特殊な環境下で選別され、認められた場合のみ

この仕事を依頼できる

これを制限しているのは・・・主に暗殺を引き受けるからだ


善人とまではいかないが、理不尽な悪人からのプレッシャーに耐え切れなくなり

死を決意するまでに追い詰められた場合・・・というのが基本的な条件で

それから、家柄の善悪や本人の善悪で判断され

見合った対価により、行動を開始する


あとは、同じ相手に複数の依頼がある場合は

合算されて、暗殺に踏み切る時もある


まあ、暗殺以外も夜逃げとか

特にダークな依頼が多い


「クレアがどう思ってるかは、知らないが・・・俺は、冒涜なのかもしれないが神に選ばれた存在として活動は・・・正しいとは言い切れないけど、完全に否定することもできないと思う」


「そう・・・なんだ、私は臆病だから・・・どのくらいの悪人だとしても人が裁くことには恐怖を感じるの・・・理不尽なという事で言えば、私とアダートの両親も・・・」


「また、号泣するぞ!! それ以上は、喋るな?? かなりの時間が過ぎているが、俺ですら消化しきれてないんだぞ・・・できる限りの事はしてやるから、無理に思い出そうとするな」


「・・・うん、わかった・・・ごめんね」


俯いて、小声で謝るクレア


俺とクレアの親は、当時の世界中で流行ってしまった貴族狩りの犠牲となったのだ

強盗団が無差別に貴族の家を襲い

金品を強奪

男は即、殺害

女は・・・まあ、これは俺も言いたくないが色々されてから殺害される


それが、俺の家で行われたんだ

当時幼かった俺とクレアは、執事のセバスと共に旅行中だった

お使いも兼ねた、親戚のところへ1週間滞在をしていた


その最中に強盗に襲われ

たまたま、居合わせたクレアの両親も犠牲となってしまった


この心の傷は、多分死ぬまで癒える事は無いだろうと思う

そのくらい、幼い俺とクレアには衝撃すぎたから


「リベンジではないが、救えるなら救いたい・・・偽善と言われようが、構わない!!」


「善悪どうあれ、同じ命ですよ・・・比べるの本当に冒涜じゃないですか~??」


クレアは、こういうところが・・・

真面目というか、律儀というか

俺と少し食い違う部分なんだろうな

言いたいことはわかるんだけど、どうしてもそこまで徹するだけの心は俺にはない


「今夜も、仕事あるから・・・クレアは待ってていいんだぞ??」


「ううっ~!! 意地悪なこと言わないでよぉ~!!!」


色々あるが、結局付いて来て

仕事を遂行してしまう、しかもだ・・・一番、冷酷に行うんだぞ!?


あれは、俺には真似できん


始まる夜まで時間はまだあるな・・・


1話ごと、語りの人物がそれぞれ注目されるキャラとなっています。


1~6話まではメインの登場人物を紹介する感じで

1人ずつクローズアップしています


そこまでにある程度の世界観などの概要が把握できたらいいかなって

若干、取り扱う内容が裏の世界な部分もありますが

華麗で優雅な6人の振る舞いに注目してて下さい!!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ