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刻印術師の高校生活  作者: 氷山 玲士
第五章 世界刻印術総会談編
72/164

6・来日

――西暦2097年7月16日(火)放課後 明星高校 風紀委員会室――

 勝の刻印具は、あの後すぐ雅人とさつきによって連盟本部へ持ち運ばれた。JFSが開発、生産した刻印具に間違いはなかったが、購入者は神槍事件で死亡した過激派の一人であり、その後の行方は不明となっていた。同時に南の術式が組み込まれていた理由も、ある程度は納得できた。過激派は自分達の間で術式の横流しを、日常的に繰り返していた。勝の刻印具に数人のライセンスが組み込まれていた理由も、これが原因だ。

 むしろ問題は、術者本人にも影響が出るような、危険な細工を施された術式にあった。この刻印具を愛用していたであろう術師が過激派であろうと、使用するのは自分自身だ。危険な術式を組む理由はないし、必要性は皆無だ。とすればこの術式は、神槍事件後に何者かによって術式の構成を変更された物と見て間違いない。

 だが一ヶ月近く経った今でも、犯人の目処は付いていない。雅人とさつきも連日調査に狩り出されており、刻印管理局も動き出したと聞いている。飛鳥達も何度か協力しようとしていたが、期末試験の時期と重なってしまっていたため、連盟からも学業に専念するよう通達されてしまった。だから今週の夏休み前の一週間、風紀委員が年度一忙しくなると言われている期末明け週間も全員が登校していた。


「佐倉君、今回はどうだったの?」

「8位ッスね。まあ今回は納得してますが。委員長は?」

「私は5位だったわ。やればできるものね」

「さすが委員長。で、こっちの方々はどうしたんですか?」


 大河と雪乃は風紀委員きっての成績優秀者だ。今回もトップ10に入っていた。だが約数名、かなり絶望感を漂わせている。


「どうせ飛鳥と氷川は、佐倉と三条に歴史負けたんだろ」


 飛鳥と香奈は学年末の借りを返すため、他の教科をある程度犠牲にしてまで歴史に力を入れていた。その結果平均点ギリギリだった科目もあるが、歴史はそれぞれ96点をマークした。

 だが大河も雪乃も、学年末でプライドを捨てたことが功を奏しており、100点満点という、去年からは考えられない点数を叩きだしていた。これは飛鳥と香奈にとって計り知れないショックであり、完膚無きまでの敗北だった。


「武と鬼塚は、赤点でも出したってとこだろうな」

「あれ?鬼塚先輩、成績悪くなかったですよね?」


 良平は見た目や素行に反して、成績は悪くない。刻印術や刻印学に関しては風紀委員全員がトップ10入りしているが、他の教科も中の上といった具合だ。


「……数学の回答欄、途中から一つずつズレててな……」

「……ご愁傷様です」


 回答欄を一つ間違えてしまうことは、ごくごく稀にやってしまう凡ミスだ。だがその結果、良平は数学が赤点となり、追試を受ける羽目になってしまった。


「武。どうすんだ、お前。もっかい2年やった方が良かったんじゃないのか?」

「うるせえよ!追試クリアすればいいだけだろ!」

「学年末も似たようなこと言ってなかったっけ?」

「言っとくが、この時期は俺達も手伝えんぞ。そもそも追試って明後日だろ?」

「鬼塚君はともかく、酒井君は今回かなりマズくない?」

「傾向と対策はしてあるから、それでがんばってもらうしかないわよ。一夜漬けになっちゃうけど」


 既に雪乃は手を打っていた。結果を見る前から用意しているというのもどうかと思うが、答案を見なければ追試における傾向と対策は立てにくいのだから、ある意味では用意が良すぎると言えるだろう。


「既に用意してあるって……それもどうなんですか……」

「しかも全教科あるわ……。準備良すぎじゃありませんか?」

「……ありがたいんだが、逆に釈然としねえ……」

「文句言える立場じゃないだろ。ありがたく受け取っておけよ」

「時間もありませんしね。そもそも巡回は休めないですから、それがないと本当にダブりますよ?」

「ぐぅ……」

「ごめんね、新田君。いつものことだから気にしないで」

「は、はぁ……」

「井上は気にしてないな」

「連絡委員会にいた時、矢島委員長が似たような理由で叫んでましたからね。こいつらからも聞いてましたし」

「納得だわ。矢島君、今回もダメっぽかったし」

「そうなのか?」

「そういや望って、矢島君と同じクラスだったっけ」

「ええ。試験中もけっこうな絶望感漂わせてたわよ。井上君が風紀委員会に移籍してから、連絡委員会の仕事に振り回されることも多くなってたみたいだし」

「……それってつまり、俺が抜けたせいってことですか?」

「連絡委員会ってけっこう人数いただろ。井上が抜けただけで手が回らなくなることはないと思うんだがな」

「でも井上君を引き抜いた形になっちゃったわけだし、後で矢島君にも傾向と対策を渡しておいた方がいいかしら?」

「色々あったもんね。でも用意してくれたのは雪乃だし、判断は雪乃に任せるわよ」

「そう?それじゃ井上君。巡回のついででもいいから、これを矢島君に渡しておいてくれる?」

「わかりました。お手数おかけします」

「それじゃ巡回を始めましょう。今日は初日なので、私と美花さん、戸波君と井上君、葛西君と飛鳥君、佐倉君と新田君、エリナさんと真桜ちゃん、まどかさんと久美さん、常駐はさゆりさんを中心に、酒井君、鬼塚君、香奈さん、望さんでお願いします」

「了解です」

「佐倉君、新田君をお願いね」

「ウッス。委員長も気をつけてくださいよ」

「よろしくお願いします、佐倉先輩」

「おう。こちらこそな」

「では準備ができたら行きましょう。この時期は気が緩みがちですから、十分に注意してくださいね」

「はい」


――西暦2097年7月18日(木)PM15:32 京都 護国院神社 境内――

「やっと着いたな」

「ここが護国院神社……」

「けっこう人がいるわね。観光名所にもなっているとは聞いていたけど」


 日本刻印術連盟本部がある護国院神社は、大きな神社であり、国内外からの観光客も多い。そこに現れた三人の男女も、海外からの観光客に見える。


「セシルさんもミシェルさんも、ここに来るのは初めてなんですよね?」

「ええ、私はあまりユーロから出たことがないから」

「俺も似たようなもんだ」

「でもミシェルさん、三剣士なんですから、毎年総会談に出席してるんじゃ?」

「毎年じゃないさ。一昨年は都合がつかなくて、欠席したからな」

「七師皇でさえ都合がつかなければ欠席することがあるそうよ」

「そうなんですか?」

「ああ。さすがに七師皇を選抜する年は別だけどな」

「じゃあ今年は七師皇も三剣士も、全員出席するんですか?」

「そうなるわね」

「ようこそ、日本刻印術連盟へ」

「誰だ?」


 そこに、一人の男が現れた。好意的な態度ではあるが、どこか信用ならない雰囲気が漂っている。


「これは失礼しました。私は北条ほうじょう 時彦ときひこと申します」

「北条?雅人と並ぶ日本の術師か」

「刻印三剣士の一人、ファントム・エペイストに名前を覚えていただいていたとは、光栄ですね。ですが私は、久世君ほどの実力は持ち合わせていません」

「ご謙遜ですね」

「事実ですよ。まだ日本に帰ってきて三ヶ月ですし、最近の情勢はとんとわかりません」

「日本に帰ってきた?」

「USKIAに留学していたと聞いていましたが……帰国されたのですね」

「はい。大学からは残ってほしいと懇願されたのですが、あまり自由がききませんでしたから」


 時彦は高校を卒業後、すぐにUSKIAのロンドン大学へ留学した。戦前はイギリスと呼ばれていた国だが、同盟国だったアメリカと合併し、USKIAという巨大な国家を形成している。ロンドンはそのイギリスの首都であり、世界有数の大都市であり、USKIA最大の刻印術都市でもある。


「それはそうだろう。だがよく留学できたな。俺としては、そちらの方が驚きだ」

「政府からはいい顔はされませんでしたが、連盟は個人の意思を尊重してくれます。さすがに審査を通過しなければなりませんが、他国に比べればまだ緩いと思いますよ」


 海外へ留学する学生は少なくないが、刻印術師は極めて少ない。他国では刻印術を使う機会は減り、刻印法具にいたっては生成すれば即座に国際問題か、それに準ずる問題へと発展するため、デメリットが大きい。それでも留学を望む刻印術師は多く、そのために連盟議会が審査を担当している。


「フランスとは随分違いますね」

「そうかもしれませんね。ですがそれは、日本というお国柄の問題だと思います。日本でうまくいっているからといって、他国でもうまくいくとは限りません。例えばクリストフ・シュヴァルベを死なせずにすんだ、とか」

「!?」


 まさかの一言に、ジャンヌの顔が青ざめた。


「……何のことだ?」


 ミシェルやセシルも、警戒をあらわにしている。どうやら目の前の男は、予想以上に油断がならないようだ。


「フランスの生成者の双子を知らない人はいないと思いますが?魔剣ダインスレイフ討伐において、戦死されたと聞いていますよ」

「そうですか。では彼女のこともご存知のはずですね?」

「存じています。ジャンヌ・シュヴァルベ、生成者の双子の姉」

「そこまで知っていて、何故クリスの名を出した?」

「生成者の双子の弟 クリストフ・シュヴァルベは、三剣士にも比肩する実力者と伺っていたからですよ。そんな方が亡くなられるなど、フランスにとっても大きな損失ではありませんか?」

「それで?」

「そこまでご存知でありながら、ジャンヌの前でクリスの名前を出すなど、不謹慎ではありませんか?」

「これは失礼しました。ですが悪気があったわけではないのです。私の悪い癖ですね。謝罪いたします」

「いえ……」

「お詫びと言ってはなんですが、総会談まで私が日本を案内させていただきます。いかがでしょうか?」


 慇懃無礼、というわけではないが、それに近い。そもそも、本気で謝罪しているのかも疑わしい。そんな男と共に行動するかどうかなど、考えるまでもない。


「せっかくですがお断りさせていただきます。予定がありますので」

「そうですか。それでは私はこれで」

「……あいつが北条時彦。噂通り、いけ好かない奴だな」

「あまりいい噂は聞かないわね。それよりジャンヌ、大丈夫?」

「は、はい……」

「あの男、知っていると考えた方がよさそうですね」

「ええ」


 時彦はダインスレイフの生成者が、ジャンヌとクリスだということを知っている。ミシェルもセシルも、そこに疑念はない。一斗があんな男を信用するとは思えないが、雅人と並び称される男でもあるため、ツテはいくらでもあるだろうと予想した。


「あの人……」


 だがジャンヌは、別のことを考えていた。


「北条がどうかしたのか?」

「はい……。あの人の目、すごく澄んでいたのに……誰も、何も信用していないような……何か屈折したものが、あるような……」


 ジャンヌは時彦の本質を見てしまった。クリスの名前を出した時彦の目には、憎悪と羨望の色が浮かんでいた。その上で、濁りのない澄んだ目をしていた。あまりにも恐ろしいことだった。ジャンヌの中で時彦に対する警戒心は、最大にまで高まっていた。


「それなのに目が澄んでいたって……危険すぎるわね」

「ですね。警戒だけは怠らないようにしておきます」


――PM16:12 日本刻印術連盟 代表執務室――

「日本へようこそ。私が日本刻印術連盟代表 三上一斗だ」

「フランス陸軍中尉 セシル・アルエットです。お会いできて光栄です、代表」

「お久しぶりです、三上代表」


 ミシェルと一斗は、互いに面識がある。だが七師皇も三剣士も、直接会う機会は意外と少ない。


「ミシェル君も元気そうでなによりだ。それで、彼女が?」

「ジャンヌ・シュヴァルベです。ご迷惑をおかけし、申し訳ありませんでした……」

「済んだこと、と言ってしまってはご遺族に申し訳ないが、それでもそう言わざるをえないな」

「それに飛鳥や真桜にとっても、成長するきっかけになったみたいですしね。申し遅れました、私は三上菜穂。代表補佐を務めています」

「存じています。日本三華星の一人、スター・イリュージョニスト。三上代表と同等の実力者と伺っております」

「私の事も知っているなんて、さすがはフランス軍ね」

「知らない人はいないと思いますよ」


 菜穂は一斗のパートナーという認識が強いが、昔からそうだったわけではない。ライバルというわけではないが、張り合ったことは一度や二度ではない。しかも菜穂には、ある意味では一斗より有名であろう理由がある。


「しかし君達まで、随分と早い到着だな。総会談までまだ二週間近くあるというのに」

「本当はギリギリに来日する予定でしたが、ジャンヌのことがありましたので。君達まで?」


 一斗のセリフに、ミシェルの頭にクエスチョン・マークが生成された。確かに予定より早く来日したが、無計画というわけではない。むしろ予定、というか、約束があるからこそ、予定を前倒しにすることができたと言える。


「失礼します。代表、お連れしました」


 そこに雅人がやってきた。雅人とさつきは総会談の準備のため、連盟本部に呼び出されていた。そこに三剣士の一人がやってきたのだから、雅人が呼び出されるのはわからないでもない。だが雅人は、一人でやってきたわけではなかった。


「お久しぶりです、ミシェルさん」

「アーサー!お前も来てたのか!」

「俺も驚いたが、昨日着いたんだ」

「アーサーって……それじゃあこの人が三剣士の一人、クレスト・ナイト……!?」

「三剣士が揃うと、さすがに壮観ね。せっかくなんだし、どこか観光でも手配しましょうか?」

「ありがたいお話ですが、よろしいのですか?」

「その代わり、護衛はないぞ。君達には必要ないだろうがな」

「僕は教授の代わりに来日しましたので、明日から総会談まで、鎌倉という街に行く予定なんですが」

「教授って、マーリン・フェニックス教授のことか?」

「そうです。三上代表のお嬢様が、鎌倉にある神社で、前世と思われる人物の行動をとると聞きましたから」


 刻印三剣士最後の一人 アーサー・ダグラスは、オーストラリアにあるシドニー大学の学生だ。軍からの要請でいくつかの任務を受けたことはあるが、アーサーは軍人より研究者としての道を選び、刻印術師前世論を唱えた学者マーリン・フェニックスに師事している。


「真桜さんが?」

「その話は以前から聞いていてね。フェニックス教授も一緒に来日すると聞いていたんだが?」

「ちょっと事情がありまして、教授は来れなくなったんです。なので僕が予定を早めて、代わりにお会いさせてもらおうと思ったんです」

「なら丁度いい。俺達は総会談が終わってから行く予定だったが、アーサーも鎌倉に用があるなら、それに便乗させてもらおう」

「ミシェルさんも?それじゃあもしかして、この人がジャンヌ・シュヴァルベ?」

「私のことを知ってるんですか?」

「ええ。あなたにもお会いしたかったんですよ」

「私にも、ですか?」


 アーサーはミシェルから詳細を聞かされている。ジャンヌが双子の弟 クリスと愛し合っていたことも含めて。刻印神器の生成者は、飛鳥、真桜、ジャンヌを含めても世界で六人しか存在しない。そのためアーサーが同じ刻印神器の生成者として、直接会ってみたいと思っても、さほど不思議ではない。


「しかしよりにもよって鎌倉か。他にも見る場所はあるぞ」


 雅人が口を挿んだ。鎌倉は観光名所でもあるが、日本三景と呼ばれる天橋立、宮島、松島や富士山、距離はあるが北海道など、他にも有名な観光名所は多い。特に天橋立は同じ京都だ。


「いいじゃねえかよ。じきに学校も休みに入るんだろ?観光はその時にすればいいさ」

「では明日のリニアを予約しておこう。だが三剣士が揃って行動するわけだからな。多少の騒ぎには目をつぶってくれよ」

「それは仕方がありません。最悪の場合、トランス・イリュージョンを使いますよ」

「それは無理だ。リニア・トレインにはテロ対策として、幻惑術式を無効化する対策が施されている。特に光の屈折率を操作するトランス・イリュージョンには敏感だ。使った瞬間、即座に最寄り駅に停車し、警察が大挙してやってくるぞ」

「マジか……?」

「噂には聞いてましたが、そこまでだったんですね……」


 日本のリニア・トレインは、世界各国でも最高の交通機関の一つとして有名だ。陸上交通機関としては世界最速であり、時間も正確、人命にかかわるような事故も一度も起こしていない。前身の新幹線から受け継がれた伝統は、今もしっかりと受け継がれている。そのためかはわからないが、テロや犯罪に対する対策は、過剰ともいえるほど厳重だ。トランス・イリュージョンに限らず、人体に影響のある刻印術のほとんどに反応する警戒刻印が、車内のあちこちに施されている。だが精度の高さは、海外では意外と知られてはいないようだ。


「人気者の宿命だと諦めたまえ」


 だが三人は納得していない。

 そもそも刻印三剣士の称号は、三年前にオーストラリアで開催された世界刻印術総会談で、一斗が発案したものだ。雅人は一斗と保奈美が、ミシェルはジョルジュ・ロッシュ少佐が連れてきており、その席で両手に刻印を持つアーサー・ダグラスと知り合った。年齢が近いこともあり、三人はすぐに意気投合したが、当時のアーサーは刻印融合術を知らなかった。酒が入っていたこともあり、その場で雅人とミシェルが教え、その結果誕生したのが聖剣エクスカリバーだ。

 この事実にオーストラリア政府は歓喜したが、既に七師皇の選抜は終わってしまっていた。

 そこで一斗が、雅人、ミシェル、アーサーの刻印法具が剣状という点に着目し、刻印三剣士という称号を考案した。当時は三人とも学生だったため、七師皇には若すぎる。とはいえ、目の前で刻印神器を生成した若者を無視することなどできないし、一斗とドイツのイーリスに匹敵する戦闘力を持つ若者達も同様だ。アイザック・ウィリアムを除く七師皇もそれに賛同し、その結果、刻印三剣士が誕生した。なお煽ったのは一斗だけではなく、ロシアのグリツィーニアとブラジルのリゲルもで、それもかなりノリノリだったらしい。

 そしてそれは、オーストラリアとしても願ってもないことだった。七師皇が認めたとなれば、それだけでも十分と言える。同時に次代を担う刻印術師として、不本意ながらも三人は各国のメディアから引っ張りだことなってしまった。

 その元凶に納得しろと言われても、それは無理というものだ。


「……とりあえず、変装アイテムを調達しなきゃだな」

「ジャンヌ、私達は少し離れていきましょうね」

「え?あ、はい?」


 セシルの提案もわからないでもない。三剣士と行動を共にするなど、予想外の事態だ。ジャンヌは軽く混乱している。もう決定事項のようなのでどうすることもできないが、鎌倉に行く目的もある。

 償いのために、ジャンヌは日本にやって来たのだから。

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