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刻印術師の高校生活  作者: 氷山 玲士
第三章 誓いの刻印編
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14・レインボー・バレル

――同時刻 明星高校 刻錬館――

「ちっ!さすがにA級は厄介だな」

「だが所詮はただの人間よ。大した威力なんかないわ」

「そうなんですけどね。それでもムスペルヘイムは面倒ですよ」


 美花はムスペルヘイムに処理能力と制御能力を全て注ぎ、動くことも難しいほど集中している。香奈とさゆりも、それを承知で術式を繰り出している。だが決定的なダメージを与えることは出来ていない。


「あっちの女銃使い、やっかいな能力持ってるわね……!」

「三人とも水属性に適性が高いわけじゃなさそうなのが救いですね……。でもこのままじゃ、美花が……」

「気に、しないで!それより今から、あの女にムスペルヘイムを集中させるから……狙って!」

「無理だけはしないでよ!美花!」

「はい!」


 止めても聞かないだろうし、いずれ押し切られるだろう状況では、美花の提案に乗るしかない。ある意味で美花は、この中で一番戦闘経験が豊富と言える。美花は銃使いの女に対象を設定し、ムスペルヘイムの出力を上げた。


「まずは私からか。生意気なこと考えるわね」


 ムスペルヘイムによって生み出された炎と雷の刃が女に降りかかる。だが女は闇性C級防御系術式ダークネス・カーテンを発動させ、炎と雷の刃を防いでいる。

 闇属性に適性を持つ術師は珍しい。闇は光を遮り、光は闇を照らす、という相克関係が存在するが、炎と雷の刃も光を生み出している。そのためダークネス・カーテンによって光を遮られ、完全ではないがかなりの威力を削がれている。

 だがそこに、さゆりの土性B級広域干渉系術式クレイ・フォールが、香奈のスノウ・フラッドとともに襲い掛かる。泥の下降流と雪の洪水が相応関係によって混ざり合い、大きな雪崩となった。


「おいおい、無茶苦茶なことしやがるな」

「面白い考えだと思うけどね。でも残念だったわね」


 女はダークネス・カーテンは領域を広げ、巨大な雪崩すらも防いでいた。だが美花も香奈も、そしてさゆりも動じてはいない。この雪崩すらも囮なのだから。


「が……がはっ!」

「なっ!?」

「いつの間に……」


 クレイ・フォールと同時にさゆりが発動させていた土性B級対象攻撃系術式ダイヤモンド・スピアが、銃使いの男を貫いていた。ダイヤモンドは炭素であり、炭素は大気中に豊富に存在する。ダイヤモンド・スピアは炭素原子を圧縮させることによって硬度の高い鉱石――ダイヤモンドを人工的に生成する術式だ。ダークネス・カーテンは上空から襲い掛かる雪崩を防ぐために、防御面の設定が変更されていた。それを計算にいれた上で、銃使いの男の周囲に干渉し、大気からダイヤモンドを生成した。

 だがさゆりがダイヤモンド・スピアを発動させた理由は、それだけではない。ダイヤモンドは個体炭素でもあり、石炭の一種とも言える。石炭は戦前の重要なエネルギー源だった石油以前に使われていた重要資源であり、世界中で使用されていた。火力発電所や蒸気機関車にも使用されていたことからわかるように、燃やすことで大きなエネルギーを生み出す。ムスペルヘイムの炎がダイヤモンド・スピアに降りかかった瞬間、銃使いの男は炎に包まれた。その炎は香奈が発動させたE級干渉系術式ウインドによって煽られ、女や剣使いにも飛び火している。


「なめた真似をしてくれたわね!」


 銃使いの男は既に紅蓮の炎に焼き尽くされた。だが炎は消えていない。女はダークネス・カーテンの領域を広げ、炎を防いだが、数瞬遅かった。その証拠に髪が燃えている。


「小娘が調子に乗らないことね!」


 女は拳銃状刻印宝具から闇性S級広域対象系術式スターダスト・サルヴェイションを発動させた。夜空に輝く星は闇夜に紛れ、ムスペルヘイムを覆い尽くし、そして打ち砕いた。


「きゃあっ!!」

「美花!香奈先輩!」


 美花はムスペルヘイムを破られた衝撃で吹き飛ばされ、香奈はその余波で壁に叩きつけられた。二人は動かない。気を失ってしまっているのだろう。


「やりすぎじゃありませんか?小娘どもの命はともかく、刻印具が壊れたらどうすんですか」

「これでも手加減してあげたのよ。まったく、ここまで伸ばすのに、どれだけかかったと思ってるのかしら」


 髪は女の命とも言う。女は長く伸びた自分の髪を気に入っており、大切にしていた。だが美花、香奈、さゆりに燃やされ、任務が終わったら切るしかなくなっている。


「それであっちの小娘は俺が貰っても?ちょっと好みなんでね」

「あんな小娘のどこがいいの?」

「気の強そうな女を調教するのって楽しいんですよ。ましてやそれが、まだ男を知らない生娘ならね」

「あなたもいい趣味してるわね。その気持ちはわからないでもないけど。まあいいわ。好きにしなさい」


 男は女に敬礼を返し、さゆりに剣を向けた。


「聞いての通りだ。どうするね、お嬢ちゃん?」

「どうするもないわよ!何が調教よ!ふざけないでよ!」


 さゆりは二人の会話に嫌悪感を抑えられなかった。刻印術師優位論者に慰み者にされたという女性の話は少なくない。ニュースを聞く度に嫌な気分を味わう。しかもほとんどが二度と帰ってこない。稀に返される女性もいるが、ほとんどが自ら命を断っている。どれほどの苦痛を与えられたのか、想像もできない。まさに今、自分に優位論者の魔手が伸びているが、さゆりはかつてない程怒りに燃えていた。


「あんた達は絶対に許さない!命にかえても、必ずここで倒してやるんだから!」

「面白いことを言うな。命にかえても、など、物騒なことを言うものじゃないぞ」


 優しく諭しているように見えるが、男はさゆりを頭から足の先までなめるような目で見ている。汚らわしい視線に犯されるようで、さゆりはとてつもなく気分が悪い。そんな視線を遮るように、ラウンド・ピラーとストーン・バレット、アイアン・ホーンを同時に発動させた。


「ほう、同属性とはいえ三つの術式の同時発動させたか。面白いな」


 だが男は動じていない。男は風属性に適性を持ち、さらには刻印宝具まで生成している。並の術師では生体領域を貫くことはできない。さすがにB級術式は難しいが、それもエアー・シルトによって防いだ。


「今度はこっちの番だ」


 男はドライ・トルネードを発動させた。さゆりは風属性への適性が低い。属性相克だけではなく、生来の適性の低さも相まって、火属性術式を使ってもほとんど意味をなさない。だがそれでも、屈することだけはできない。屈するぐらいなら死んだ方がマシだ。


「負けない……!絶対に!あんた達なんかに、負けてたまるもんですか!!」


 さゆりは抵抗を続ける。何があっても心は折らない。折らせない。折らせてたまるものか。心の底からそう思った。


 その想いに反応するかのように、右手の刻印に印子が集まっていく。同時にドライ・トルネードも解除された。


「ほう……このタイミングで生成発動か。思っていたよりも優秀だな。これは尚更楽しみだ」


 印子の光が収まると、さゆりの右手には七つの銃身を持つマスケット銃が握られていた。それがさゆりの生成した長銃状武装型刻印宝具の姿だった。


「これが……刻印宝具……。名前は、“レインボー・バレル”!」


 生成したばかりのレインボー・バレルを構えると、さゆりはダイヤモンド・スピアを発動させた。


「また土系か。俺とは相性が悪いとわかっているだろうに」


 男は呆れたような顔をしている。だが生成したばかりとはいえ、ダイヤモンド・スピアは刻印宝具によって発動している。男は先程より強度を高めたエアー・シルトを発動させ、ダイヤモンド・スピアを迎え撃った。そして男の予想通り、ダイヤモンド・スピアはエアー・シルトの前に砕け散った。


「さすがに刻印宝具で発動させただけはあるな。少しでも手を抜けば、貫かれていただろう。だが残念だったな」

「それはどっちかしらね……!」


 レインボー・バレルは七つの銃身を持つ。銃身ごとに術式を設定させることができる特性を持ち、連射もできる。男もさゆりが三発の術式を撃ち出したことを確認している。だが一発目がダイヤモンド・スピアだったことに油断していた。さゆりが撃ち出した術式はダイヤモンド・スピアだけではなかった。

 砕けるダイヤモンド・スピアはまだ効果を失っていない。そこにクリムゾン・バレットが着弾し、大きな炎となり、エアー・シルトを貫いた。男の肩に着弾したクリムゾン・バレットは最後に放たれたエアー・バレットによって、さらに勢いを増している。


「ぐおわああっ!!」

「油断してるからそんな目にあうのよ!これでトドメよ!」


 だがレインボー・バレルから四発目の術式が撃ち出されることはなかった。


「お嬢ちゃん、なかなかいい考えだったけど、詰めが甘いわね」

「えっ!?」


 さゆりは目を疑った。いつの間にか女が美花と香奈の傍らに立ち、銃口を向けている。


「いい線いってたけど、残念だったわね。あなたこそ生成発動させたことで調子に乗ってたんでしょ。だからこの子達から目を離してしまった。違うかしら?」

「ち、違う!」


 さゆりは二人から目を離してはいなかった。モール・アイで見ていたのだから、それは間違いない。だが女が移動したことにはまったく気が付かなかった。


「大方探索系でも使ってたんでしょうけど、それが仇になったわね。闇性C級支援系幻惑術式シャドー・ミラージュ。聞いたことない?」

「幻惑系?まさか、影を実体化させて私の目をごまかしたの!?」

「ほとんど正解よ。付け加えるならシャドー・ミラージュは影を実体化させるだけじゃなく、周囲の影に身を溶け込ませることもできるのよ。闇系に適性を持つ人なんて、会ったことないでしょ?」


 まさしくその通りだ。高位の闇性術式など、飛鳥が使ったヘルヘイム以外見たことがない。まさかこんなところで闇属性に適性を持つ者と会うとは思ってもいなかった。しかも敵としてだ。

 無属性は火、土、風、水、光、闇のいずれにも分類されない術式をまとめているため、最近では新しい術式も開発されはじめているし、多重積層術式で疑似的に再現することも多い。そのために適正者は存在しない。しいて挙げるとすれば、複数属性特化型刻印法具の生成者達ぐらいだろう。

 だが光と闇は難易度が高いだけではなく、適性者自体が少ない。試験の難易度も、同じB級であっても光と闇はA級に相当すると言われている。


「さあ、その宝具を捨てなさい。この子達の命が惜しいならね」

「……わかったわ」


 親友の命には代えられない。だからさゆりはレインボー・バレルを手放した。


「この小娘……なめた真似してくれたな!」

「あうっ!」


 炎を消した男は右肩を押さえながら、さゆりを殴り付け、その衝撃でさゆりは床に倒れた。


「覚悟しろよ。お前は調教だけじゃ済まさねえ。生まれてきたことを後悔させてやるよ!手始めに服を脱いでもらおうか!」

「なっ!?」

「あら、面白いわね。オール・ヌードで街を歩いて貰いながら、連れて帰りましょうか」

「……」

「早くしな。それとも、お友達がどうなってもいいってのか?」


 さゆりの目には涙が浮かんでいる。自分のうかつさに、きつく唇を噛んでいる。そもそも二人の命が助かる保証はない。優位論者が約束を反故することもよくあることだ。だが万が一という可能性がある。震える手で制服の上着に手をかけると、さゆりはスカーフを外した。否、外そうとしたところだった。


「な、なんだ……これは!?」


 刻錬館に現れたのは炎の結界。その結界はさゆりだけではなく、美花と香奈をも守っている。


「これは……ジュピター!?いったい誰が!?」

「俺だ」

「く、久世雅人?そんな……何故あなたがこんな所に!?」

「雅人さん……!」

「遅くなってすまない、一ノ瀬。だが後は任せてくれ。星龍さん。すまないが彼女を頼む」

「引き受けよう」


 雅人の背後から一人の男が姿を見せた。だがさゆりを驚かせたのは男の名前だ。


「星龍って……まさか、中華連合の人?」

「心配はいらない。彼は味方だ。素性も俺が保証する」

「わかりました」


 雅人が保証するならば、これ以上の詮索は無用だ。それに星龍と呼ばれた男は、さゆりに背中を見せている。不審な点があればいつでも撃って構わない、という意思表示だろう。


「く、久世雅人!一歩でも動けば、この子達の命はないわよ!それでもいいの!?」


 女は声が裏返っている。雅人の実力は誰もが知っている。三上飛鳥、三上真桜、立花さつきと並ぶSランクの警戒対象者だ。まともにやり合えば命がいくつあっても足りない。だが雅人の視線は絶対零度の冷気でも纏っているかのように冷たい。それだけで身も心も凍てつきそうだ。


「へ、へへ……。久世雅人の首を取れるとはな!おら、何とか言ったらどうだよ!」


 雅人は氷焔之太刀を生成していない。だから男は容易に、無警戒に近づいた。だがそれが、男の最期の言葉だった。雅人はその場から動かず、瞬時に氷焔之太刀を生成し、居合斬りの要領で氷焔合一を発動させ、男を凍らせ、焼き尽くした。


「……え?う、うそ……!そ、そんな!!」


 雅人は男を斬り付けると同時に、氷の刃を飛ばしていた。絶対零度の刃が女の頬を斬りつけ、凍らせ、そして同じく焼き尽くした。


「見事。さすがはソード・マスターだ」

「その呼ばれ方、好きじゃないんですよね。それより一ノ瀬、大丈夫か?」

「は、はい。ありがとうございました!」


 雅人はジュピターを解除すると、生成されたレインボー・バレルをさゆりに手渡した。


「刻印宝具か。まさか生成するとは思わなかったな。おめでとう」

「いえ……結局何もできませんでしたから……」

「あれは君のせいではない。相手が一枚上手だったということだ。もっとも、やり口は褒められたものではないが」

「え?な、なんで知ってるんですか……?」

「俺達がここへ来たのは、ここが一番危険だったからだ。俺はサラマンダー・アイで、彼はイーグル・アイで見てたよ」


 サラマンダー・アイは火性C級、イーグル・アイは風性C級に属する探索系術式だ。ドルフィン・アイやモール・アイと同系統の術式としても有名だ。


「でも……それでも私が何もできなかったことに変わりはありません……!美花と香奈先輩に何て言ったら……!」


 さゆりの目から涙が零れた。


「それこそ気にすることはないさ。結果論だけど美花ちゃんも一ノ瀬も氷川も無事だった。それが全てだ。君が二人を見捨ててたら話は別だけど、そうじゃないんだからね」

「それにどうやら、聞こえていたようだ」

「え?み、美花!香奈先輩!」

「ごめん、さゆり……。迷惑かけちゃって……」

「私達、気を失っちゃって……本当にごめん!」


 さゆりにとっては予想外だった。守れなかっただけではなく、危うく命を失う所だったというのに、美花も香奈も自分を責めていない。逆に自分達が気を失ってしまったことを責めている。


「そ、そんなことないですよ!だって私、何もできなかったんですよ!?」

「それも私達が気を失っちゃったからでしょ。雅人先輩が来てくれるまで私達を守りながら戦ってくれたのは、さゆりじゃない」


 雅人が救援に来てくれるとは思っていなかった。真桜が戻ってくるだろうと思っていたが、その真桜は一向に戻ってくる気配がない。何かあったのではないかとさえ思えてしまう。


「そうよ。雅人さんが来てくれるとは思わなかったけど、私達も無事だったし、さゆりも刻印宝具を生成できたんだから、それでいいじゃない」

「そうそう。あっと、忘れてた。宝具生成、おめでとう」

「あ、ありがとう、ございます……」

「二人共、大丈夫のようだな。なら悪いが、付き合ってもらうぞ」

「え?何かあったんですか?」

「ああ。最悪の事態が起きた。中華連合が日本に対して宣戦布告を行った。既に艦隊が派遣されたらしい」

「せ、宣戦布告!?」

「しかももう艦隊が派遣されたんですか!?」

「事実だ。と言っても、宣戦布告したのは一時間前だ。みんなが知らなくても無理はない」


 まさに最悪の事態だ。宣戦布告ということは、日本と中華連合の間で戦争が始まるということを意味する。しかも艦隊が派遣されているなど、動きが早すぎる。国防軍がどこまで備えていたかはわからないが、おそらくそこまでの準備はできていないだろう。だが雅人のセリフには続きがあった。


「それだけじゃない。真桜ちゃんが狙われている。このままじゃ捕まるかもしれない」

「真桜ちゃんが!?」

「な、なんでそんなことに!?」

「真桜ちゃんは海岸に向かったんだろう?そこには銃装大隊の精鋭が集められていた。校内に侵入していた連中とはレベルが違う。しかも南徳光までもが来ている」

「な、なんで真桜を……?」

「真桜ちゃんでも飛鳥でも、どっちでもよかったのさ。確実に二人の動きを封じられるからね。それを許すつもりはないが」

「なら、急がないと!」

「すまないな。本来なら留まってもらいたいところだが、まだ校内に残ってる奴らがいる。そっちは飛鳥達に任せて、俺達は真桜ちゃんの救援に向かいたい」

「わかりました。行きましょう!」


 美花もさゆりも香奈も、二つ返事で引き受けた。真桜に危険が迫っているなど考えられないが、雅人がそんな嘘をつく理由もないし、必要もない。それ以前に、親友の危機を見過ごすことなど、考えられない。全員が頷きを返すと、すぐに海岸へ向けて走り出した。

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