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第一話~森のなかで~

 ゲレンは歩いた。どれだけ歩いたかと言うとだ、


 丸三日、歩いた。


 正直魔物に襲われてないのが不思議だ。


「そういえば俺、武器ないじゃん」


 メニューを開き、道具を選択する


 「あ、あった」


 あ、そうそうメニューの操作の仕方は視界に入っている選択肢の上に手をかざし、軽く押す感じだ。


 武器の欄があった。なかを見てみると、


《武器一覧》


《炎剣フランヴァルシュ》


《氷剣ラグナログ》


 ……なんだ、このいかつい剣の名前は、


 取りあえず《炎剣》を出してみた。熱い。凄く熱い。確かに炎剣と言うにふさわしいほど燃えている。しかし、俺にはダメージは無いようだ。


 次に《氷剣》を出してみた。冷たい、凄く冷たい。確かに氷剣と言うにふさわしいほど冷気を放っている。しかし、やっぱり俺にはダメージは無いようだ。


「いや〜二刀流ってかっこいいよな〜、ってか能力(スキル)がLv.50ならさ、なんか技名とかないのかな?」


 …………。


「無いか」


 とは言うものの、武器があるのは結構でかいぞ、俺みたいな剣能力(ソードスキル)しかLvが高くない奴が剣を持って無いんじゃ意味ないからな。それこそカスだよ。


……………今さら気づいたのだが、あの、青かった太陽が今度は赤くなっている。


 ん?赤い太陽の下に塔らしき物が見えるぞ、行ってみるか。


 しばらくゲレンは歩いた。すると周りの風景はだんだんと森になっていった。


「うわ~なんかいるし、何あれ」


 ゲレンの視線の先には青い丸い球体のしかしぶよぶよしているものがいた。


「……あー、あれか、RPGで言う雑魚的存在か。取りあえずステータスを見よう」


 この本には相手のステータスを見ることができるらしい、しかし、自我があるものは本人の承諾がない限り、ランク、魔力、攻撃力、防御力しか見ることができないらしい。



《スライム》


種族:魔物


ランク:C


SP:2100


攻撃:1200


防御:1500




「……高くね?これ本当にスライムなのか?なんだよ攻撃力1200って、おれの12倍じゃねぇかよ」

 スライムはこちらを見るとゲレンに突っ込んできた。


「やっべぇ!」


 間一髪の所で左に跳んだ。


 スライムは分裂を始めた。2匹、3匹、4匹……と、どんどん増えていく。


(ヤバい、逃げなきゃ)


 走り出そうとしたがゲレンより速くスライムが行動していた。


 スライムはゲレンめがけて突進してきた。ゲレンは思わず目を瞑った。


「っっ!……………………………………………………………………………………………………あれ?」


 痛みが来ない。目を開けると粉々になったスライムがあった。


「大丈夫?」


 声がした方を向くと、少女が剣を抜いたまま立っていた。腰くらいまである金髪。初めて見たあの青い太陽を思い出させる蒼眼。声、身長から見ると少女は推定13〜15歳くらいだ。


「ああ、大丈夫だ、ありがとう」


「本当に?怪我とか………っっ!」


 おれの顔を見るなり少女は怪訝な顔をした。


「あなた、まさかっ!」


「へ?なにが?」


 一体俺が何をしたんだ?


「騙されないわよ?魔王でしょ?」


「……………」


 あ〜そうか、忘れてたけど俺、魔王とか見たら、普通びびるよな。


 少女は剣を構えこちらを睨んでいる。


 おいおい、戦うの?


「あれ?ってことは」


「私は、エルヴィナ・セイフィス、どーぞ、ステータスを見ても良いわよ?」


 凄いな、さっきとは打って変わってめっちゃ好戦的じゃん。まぁ、遠慮せずにステータスでも見るか。




エルヴィナ・セイフィス


種族:人間


ランク:☆☆☆


SP:53000000


力:53000


攻撃:530000


防御:9000000


命中:700000


回避:8000000


知力:9500000


魔力:100000000




能力(スキル)


《水魔法Lv.80》


《風魔法Lv.80》


《氷魔法Lv.80》


《光魔法Lv.90》


《幻魔法Lv.70》



剣能力(ソードスキル)Lv.40》


《勇者》


自動回復(オートヒーリング)Lv.5》





なんだよこのステータス。53万?チートかよ、おい。


「ずいぶん余裕そうね?」


 お前の目は節穴か!どう見たらそう見える?


 取りあえず、逃げよう。


 が


「逃がさない!」


 襟を捕まれた。そして後ろに投げ飛ばされた。


「痛ってぇ~」


「アブソリュート!」


 エルヴィナが魔法を使った。あれ?魔法って詠唱が要るんじゃなかったっけ?


 ゲレンの足下から周囲に向けて氷が覆った、刹那ゲレンを覆った氷が爆発した。


「っがはっ!」


 ゲレンは宙を舞った。しかし、負けじと詠唱を始めた


「燃え上がれ炎………うわあっ!」


 詠唱が終わる前にエルヴィナが斬りかかってきた。


「何のつもり?詠唱するなんて?しかもこんなに弱いなんて……あなた、本当に魔王?」


 「ま、魔王…だよ…」


 取りあえずは。肩書きだけは。


「あなた、名前は?」


「え?あ、ああ、ゲレン、ゲレン・ファルラート」


「……普通、命を狙っている人に名乗る?」


 エルヴィナは呆れた表情を見せた。


「え?あ、ああ…」


 エルヴィナはゲレンのステータスを見ると


「……能力、《魔王》や《勇者》は、魔法を使う時詠唱は要らないの」


 そう言うと、エルヴィナはゲレンに手を差し伸べた。


「ごめんなさい、ゲレンさん、あなたも【神】から連れてこられたのね?」


 何で知ってるんだ?


「私も、連れてこられたから。連れてこられた人は、ステータスが変になるの。私みたいに、異常に高かったり、あなたみたいに、異常に低かったり。そして、能力に《魔王》か《勇者》が入っているの」


 だから人間なのに《魔王》が入っていたのか……


「これ、あなたにあげるわ。いきなり斬りつけちゃったし…。私が使うには無駄が出てしまうもの」


 そう言うとエルヴィナは虹色のクリスタルを出した。


「使い方……分からないわよね。ええっと、クリスタルの先端を触ってみて?」


 恐る恐る触ってみると、クリスタルが消えた。というより、体の中に入ってきた。


「クリスタルは、ステータスをあげることができるの、色にもよるけど、よかったら私の家に来なよ?この世界の事、とか教えてあげるからさ、ね?」


(一人でこの森にいるよりはマシか。)


 そう思うとゲレンは言われるがままエルヴィナについていった。



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