彼女の本性
思いつきですみません。
ジョンはしばらくそこに立ち尽くし、固まっていた。
バイトの時間だから、交際拒否?彼にはその晴美の返事が納得できなかった。振られた理由が曖昧だからだ。
ここで引き下がったら 男ではない。Be a man.Do the right thing.
晴美が立ち去ってから数分、彼は晴美の後をつける事にした。バイト先だ。バイト先で晴美にもう一度その理由を聞きたかったのである。
ジョンは晴美を必死に追いかけた。とある駅前で 彼女を見つけ、身を隠すジョン。実に怪しい。しかし今気付かれたら またバイトにいかなきゃといわれ 逃げられそうだったので、実を隠さなければならなかった。
尾行する事10分。ある雑居ビルに彼女は立ち入る。 ジョンも慌ててその中へと入る。どうやら彼女はこのビルの2階に行くらしい。ビルの中のエレベーターの止まった階数で彼は確信した。2階になにがあるのか、ビルの詳細が書かれた壁を見る。
『SS探偵事務所?』
2階にはSS探偵事務所とかいうものしか存在しなかった。多分彼女はここでバイトしているのだろう。
急いでその探偵事務所に向かう。今のジョンは事務所にはいったら後の計画など頭に入っていなかった。ただ会って彼女と話がしたいのだ。その探偵事務所は2階のフロア全部ではなく、片隅にあるようだ。残りはもの置き場として使われている。 その事務所のドアの前へと体を持っていく。そのドアにはさびている看板がかかっており、SS 事務所と書かれている。SSとはその責任者の頭文字かなぁとジョンは呟く。
すると
急にドアが自動的に開いた。
『いやぁー お客さん。違いますよ。Same Sex の略です。って 君は誰なのぉ? 高校生? まさかその歳で悩みぃ?』
ジョンの目の前に突然 20代前半ぐらいの男性が現れた。身長が高く、天井に付きそうであった。髪型は、ジグザクな形、いわゆるツンツンヘアーで その風貌は、ヤクザを意識させるようなオーラをだしていた。しかし その姿と言葉はすごく違和感があった。その男は その太々しい風貌に反して、オネエ言葉を使っているのだ。
ジョンは、その突然現れた男に圧倒され、状況が飲み込めずコトバが出なかった。
『ん 黙ってないで なにか言いなさいよ』
『あの。。 ハルミ のトモダチ です』
事実だけを伝えたら その男は白い歯を見せながら にやついていた。
『あー、そうなのー。ハルミちゃんが言っていた子ってこの子なのねー。よろしくっー』
巨大な両手で握手されるジョン。 彼には今の状況が飲め込めない。
後で話を聞いてみると、彼はその探偵事務所の所長、つまりボスらしい。
『あ ハルミちゃん= お友達よぉー』
その男の台詞と風貌がすごくミスマッチで ジョンの開いた口が塞がらない。
その男は立派なスーツから 1枚名刺を取り出しボクに渡した。
『SS探偵事務所 ボス』
その野前の欄にはしっかりボスという字が。
(いや 名前ではないだろう、ボスは。)
彼はここに来た事を後悔しかけていたが、 ハルミが目の前にあらわれると その不安は吹き飛んだ。
『あ ジョン! きてくれたんだー 』
ジョンは笑顔で彼女を見つめる。振られた後にどんな顔をすればいいかわからなかったのである。
『あ もしかして つきあってほしいって バイトの面接のことぉ? 』
『えっ』
つき合う。 ジョンは彼の頭にある日本語辞典を探しその言葉を調べると、 つき合うとは(Go out with gilrs)と(Accompany with someone) つまり 恋人と付き添いの二つ意味がある事に気付いた。
ジョンは慌てて
『あ うん そそおそ そうなんですよ つきそいで きてもらいたくて』
なんてでまかせだ。彼の顔は真っ赤だ。
『そうなんだ!! じゃあ 最初からそういってもらえれば よかったのにぃー。てっきりワタシの事好きなかとおもったよ』
するとそのボスという男は笑いながら言った
『ははは ハルミはモテるわねぇーー 彼女、女の子にしか 興味ないのに』
『ああ もうー 店長ったら!』
『ちがーう ボスよーー! 何度言ったらわかるの! ハルミ!』
『すいませーんーって ボス! その事は秘密のはずなのにー』
『いいじゃない。彼アルバイトなんでしょう?ねえ そこのかわいい 坊ちゃん?』
『え えええ はい そうです』
ジョンは 下を向きながらそう言った。 完璧に話題についていけなかったのである。
(れ れ れ れぇぇぇぇ ずびあん? ハルミがぁーーー?)
彼の心にはベートーベンの運命がBGMとして流れていた。 そうそれは運命。
『うふん。ハルミちゃん ありがとうね。ワタシの好みの子 つれてきてもらって』
『そんなことないですよー でも彼 ハーフで かっこいいと思いますよー!』
ジョンは ハルミに出された ポッキーをつまみ お茶をすする。
(そう それは 運命。彼女がボクに話しかけたのは ボスの 好みそうな男だったから。 なのか。』
そう考えると また 運命が彼の中で響く。




