市街戦2
良也の号令で放たれた弾は数体を倒したが残りは建物の陰に隠れてしまった。
山下「くそっ!遮蔽物が多すぎる!」
桐谷「上だ!」
山下が悪態をついた瞬間、上からウルフが降っていや飛び掛かってきた。
山下「ちっ!」
ダンッ!
山下がピストルで額を撃ち抜く、たいした反応速度だ。
山下「桐谷、上から来る奴は任せるぞ!」
そう言うと山下と結城はいつのまにか正面に迫っていたウルフに向かって発砲する。
ダダダッ!ダダダッ!
短い射撃音が連続して響く。
良也「桐原!急いでこちらに来い!鈴浦さん!援護を」
鈴浦「判りました」
桐原に迫るウルフに向かって発砲する鈴浦。
「ギャウンッ!」
悲鳴をあげて絶命するウルフ。
それに怒って周りにいたウルフが飛び掛かってくるが格好の的だった。
ダダダッ!
さらに弾丸が放たれウルフは犠牲を増やした。
それを見て真正面からは不利だと悟ったのか、群れのボスらしき声が響くとウルフ達は攻撃方法を変えて側面から、建物から飛び掛かってきた。
上から下からと次々とウルフが飛び出してくる。
それを良也達は一匹、一匹倒していくがかなり迫られる。
今のところ桐原と桐谷が刀を振るって近くにきたウルフは倒しているが、すぐに疲れてゆくだろう
ここは不利だと判断した良也は先程永松とペコを派遣したポイントまで進むことにした。
良也「山下、永松達から支援を受けられるポイントまで進むぞ、佐藤さん、あいつらに援護するように連絡を」
「「了解!」」
良也「結城さんは桐原と鈴浦さんは桐谷と山下は殿を、俺と佐藤さんで一気に進むぞ、互いにカバーしろよ、……行け!」
「「「了解!」」」
良也の声を受けて皆が一斉に走りだす。
当然、ウルフがここぞとばかりに襲ってくるが、殿を勤める山下がマシンガンの弾をばらまいて牽制する。
ガガガガガガガガッ!
フルオートで弾を撃ち尽くすと山下はハンドガンに持ち変える。
仕上げに手榴弾を投げて自分も走り出す。
手榴弾に怯んだウルフは追って来れない。その間に悠々と良也達は永松達と合流した。
永松「折原、どうする?バズーカでも建物にぶち込むか?」
良也「あまり道路を破壊したくないんだが……」
山下「だが、あいつら建物の中だからな、こちらから入って行くのは自殺行為だぞ」
良也「だろうな、だが輸送隊のトラックが通れるようにしないといけないからな」
結城「なら、離れた場所に誘いこんだらどうですか?」
良也「成る程!ここで戦うことしか考えていなかったな、永松!」
永松「なんだ、折原」
良也「爆薬はあるか?」
永松「あるにはあるが少ないぜ?ボロボロのビル一つを倒壊させるのがせいぜいだな」
良也「そうか、あるんだな」
良也はそう言うと佐藤にいくらか質問を始めた。
良也「輸送隊の到着は?」
佐藤「あと5分です」
良也「近くに開けた場所は?」
佐藤「旧中心街の中心、ここから三百メートル先に公園があります。」
良也「分かった、なら作戦は決まった。山下、永松、よく聞け」
良也は二人に作戦を話した。