闘い(サバイバル)
とりあえず連続投稿です、今のところ週一で投稿の予定です
〜〜〜GAMESTART〜〜〜
それが何を意味するのか理解できた者はいなかっただろう、俺もまたそうだった、ただ気付いた時にはすべてが始まっていた。
「ダメだ!防ぎきれない!」
「弾が足りないぞ!」
「誰か援護してくれ!」
あらゆる悲鳴や怒号が響き渡っていた。場所は学校から三百メートル程離れた通りだ。
そこでは高校の制服を着た男子生徒が銃を持って闘っていた。
『部隊に連絡、増援としてT部隊を送った!学校前で合流しろ!』
そんな中一人の男子が持つ無線からそんな声が聞こえてきた。
『前線、了解!』
男はそう返事すると周りに大声で指示を出し始めた。
「今からT部隊の奴らがでかいのをかますから校門まで引くぞ!怪我人を纏めたら狙撃部隊とマシンガン持ってる連中は援護しろ!」
その指示を周りにいた生徒が実行する為に走りだす、そしてその動きはまるで熟練の兵士を思わせる程だった。
「鬼が来るぞ!」
「撃てぇ!」
「「「ガガガガッ!」」」
指揮官らしき男の声で一斉に弾が撃たれる、彼らが相手をしているのは一言でいうならば鬼であった。周りにらさらに狼らしき死体が転がっている
「ブオオオッ!」
撃たれた仕返しとばかりに鬼が吠えると近くにあったコンクリートの塊を投げてくるそれに反応して落下地点からは「退避!」といった声が聞こえてくる。
「隊長!怪我人の収容完了しました」
「わかった、それじゃあ全員に連絡、煙幕を張って引き上げる、スモークを張ったら近くのトラックに乗り込め!乗り遅れやがったら置いていくと伝えろ!」
「了解!」
指示を受けた男が無線に向かって指示を出し始める、一方、指示を出した男はトラックに乗り込んでタバコを吸い始めた。
よく見ると高校生らしからぬ風貌をしているが彼は列記とした高校生だ。
鳳凰学園 三年D組所属
松川 大輝 通称 ボス
通称に関しては見た目もさることながらタバコを吸っている姿とどっしりと落ち着いていることから名付けられている。
そして素手で熊を殺したと言われる程の巨漢でもある。
「隊長!準備完了しました!」
松川がそうしてタバコを吸っていると先程指示を出した部下が走ってきた
「おう、わかった、それじゃあ野郎共!準備はいいか!?」
「「「いつでも!!」」」
「スモーク展開!おら!テメェら尻まくってとっとと逃げろ!!」
そう言って松川は部下達が脱出していくのを確認すると最後に戦場を離脱した。
「隊長、松川部隊が見えました」
「鬼は?」
「見えました、数は三体、少し多いですね」
「距離は?」
「約二百メートル」
「仙崎に連絡、松川の部隊がラインを越えしだい砲撃開始せよ」
「了解、仙崎さん、松川部隊がラインを越え次第砲撃開始せよとのことです」
「仙崎了解!」
指示を受けた男、仙崎 進は周りに指示を出し始めた。
各隊長に連絡!俺の合図と同時に砲撃開始、しくじんなよテメェらぁ!
「「「了解!!」」」
仙崎の指示に威勢のいい返事がかえってくる。
「仙崎さん、松川部隊がラインを越えました」
「了解! 砲撃準備!………撃てぇ!」
瞬間、轟音が辺りを包んだ。
「全弾命中!」
「松川部隊の収容急げ!」
「目標は?」
「ただいま確認中!」
大声が響く中……煙が晴れてくると鬼の姿は無くなっていた。
「目標の撃退成功!」
「鬼は完全消滅した模様」
『作戦終了!被害報せ!』
総指揮官の声が流れ、一日の戦闘の終わりを告げた。
あれからこのような戦闘が毎日のように繰り返されるようになった。
あの日のことは昨日のように思い出せる、異変が起きたのは昼だった。
教師が4時間目の終了を告げた瞬間、世界は変わった。
まず教師が消えた、一瞬皆は目を疑ったがしかし現実は変わらなかった、皆、始めは驚いたものの次の瞬間にはいつもの昼休みが始まっていた。
しかしそんな平和は5分と持たなかった。
まず外を見た生徒が違和感を覚えた。
次に携帯をいじっていた生徒が携帯がつながらないことに気がついた。
そして、学園から教師が消えてしまっているのに気がつくに至って騒ぎが始まった。しかし、大半は状況を上手く把握できずに呆然としていたが、そこに校内放送が流れた。
『生徒の皆さんは至急講堂に集まってください』
聞いたこともない声だったがようやく事情が分かると思った生徒達はその放送に従った。そして俺もそんな一人だった。
「なあ、一体何だと思う?」
「さあ、停電したんじゃねえの?」
周りは呑気な会話を交わしていたが俺は嫌な予感がしていた。
そして講堂につくとその予感が的中していたことに気付いた。
『高校生の皆さん、あの世とこの世の境目へようこそ、皆さんにはこれからある選択をして頂きます、なお選択することには個人の意思を尊重させて貰うことになります』
講堂に入った俺を出迎えたのはそんな声だった。
いきなり、意味不明なことを言い出したその男?に疑惑の視線が集まったがそいつはそれらの一切を無視して話しを進めた。
『選択とは簡単です、これからある試練を皆さんに与えますがそれを受諾するか否かです拒否するでという人は手を挙げてください』
いきなりの男の言葉に皆戸惑っていたが、誰も手を挙げなかった。
『ふむ、全員承諾ですか……』
男はうなづくと何やら話し込んでいる様子を見せたがやがて天井にこんな文字が表示された
〜〜STAGE1 CLEAR!〜〜
「………は?」
俺は不覚にも間抜けな声を出して固まってしまった。いや、俺の周りもそうだったのだから仕方なかったのかもしれない、何故ならいきなり頭上に文字が現れたのだ、たとえ正常な時であろうと反応は同じであっただろう
しかしその後やつから告げられた一言が全て吹っ飛ばした。
『皆さんにはこれから命を懸けて戦って貰います』