1 ヒーロー完成
今回の夢は完全に記憶に残ってるはずだ!今、俺はこの瞬間もあの感覚を覚えているのだから………
ゆっくりと目が覚める、朝陽が彼の全身を照らした。
「おはようございます!今日は顔色が凄く良いです」
こう話す彼女は僕の世話係のアルバイトをしている五木由実。今年25歳になる美人で冷たい雰囲気がする洞察力が鋭い僕の自慢の秘書だ。
「朝食の用意が出来ております、こちらに運びますか?」
彼女はいつもの少し冷たく感じる口調で毎日同じ言葉を言ってくれる。僕の部屋に運んでくれた方が僕にはありがたい。何故なら、食堂には顔も見たくない父親と若い名前も知らない最近出入りしている女と、頭がバリバリきれる東大卒の超エリートの兄が食事しているからだ。兄の事は嫌いではない!むしろ好きだ。いつも僕を心配してくれている。だからこそ僕が会いたくないのだ。こんな身体の弱い僕に会って欲しくないのだ。
「部屋に持って来て下さい」
「かしこまりました」僕の目を一瞬見て立ち去った
今朝見た夢は教授が言っていた通りになった!後は僕が変身する勇気があるかないかで展開が変わると教授が言っていた!
「五木さん、後で教授に連絡下さいと伝えてください。携帯に電話しても出ないのでラボで研究に没頭してると思うので!」
「かしこまりましたラボに連絡しておきます」
身体が軽くなった感じがする!!全身に力がみなぎってくるのが解る!!この感覚を早く教授に伝えなければ!早く今なら変身出来るかもしれない!超人的な身体能力と超健康体を手にする事が出来るかもしれないのだ!
「啓輔くん連絡をもらっていたらしいのだがどうした?」
「教授、今朝変身する夢を見たんです。それで目が覚めてから身体が熱くて身体から今までなかった力がみなぎる感じがするんです!今なら僕を改造出来ると思うのですが・・・!」
「そうか!来たかついに!啓輔くん!今からラボに来てくれ車を向かわせる!」
「分かりました!」
「五木さん今から出かけます。支度をして下さい!」
「かしこまりました!」
「坊ちゃん!迎えが到着しました!私も参ります。」
「いつもありがとー五木さん!」
「何回も言いますが由実でいいです!」
「すいませんついつい」
「以後気を付けて下さい」
「大谷科学薬品までお願いします!」
大谷科学薬品 大谷科学薬品工業(株)の代表兼研究者の大谷光一が所有する薬品会社で深山医療センターとは昔からの付き合いの会社である。
「どんな夢を見たんだい?」大谷が聞く
「女子高生が襲われている場面から始まり、その娘をナイフで後ろから狙う男を僕がその腕を掴み空中に投げる場面です」
「それで?」
「その瞬間、全身が熱くなり身長がかなり大きくなった感じがして、制御不能になりかけた時に、その男が真っ黒い色なり僕に向かって来ました」
「でも僕は怖くて一瞬だけ目を閉じたんです。すると身体が勝手に動いて真っ黒い男の胸に長い刀を突き立てていたんです!凄くしなやかでそして強い光を放つ日本刀を!」
「それから」
「そ、それからゆっくりとその刀を引き抜くとそいつを刀が吸収したんです。そして僕の腕に戻ったんです!」
「右腕か左腕か?」
「右腕から刀は出てました!」
「そうか!よくやった啓輔くん!」
「五木くん啓輔くんをあの部屋へ!」
「かしこまりました」
地下3階の来た事のない1室に通された。
「ここは君が目覚めた時の為に作って置いた専用の部屋でねそこに座りなさい」
まるで処刑されるような鉄製の椅子が出て来た
黙って啓輔はその椅子に座った
「それでは啓輔くん新しい自分に乾杯」
と教授が言った途端に無数の針が全身を貫通した
啓輔の呼吸が一瞬止まる、痛みが脳まで達した瞬間、誰かの声が聞こえた!
「啓輔!俺はもう一人の僕だ僕を呼びたい時は息を停めてこう叫べ!チェンジと」
「チェンジ!!」
鉄製の椅子が減し曲がり全身が2メートル位になり筋肉に包まれた啓輔がそこに居た
「啓輔くん!!啓輔くん!!私が判るか??」
「きょ教授?僕は今どうなってますか?」
「鏡を見て見なさい」
啓輔が鏡をみたそれはその姿は金剛力士像のような素晴らしい肉体と悪魔の様な鋭い目を持ち髪の毛は鋼の様に尖っていた!
「啓輔くん誰かが話してきただろ?」
「はい、もう一人の僕だと言っていました!」
「これからその姿になった時は彼が話してくれるからよくききなさい!彼は君の味方だから!今、きいてみなさい、少し落ちつきたいと」
「少し落ち着きたい、制御と言えば制御できる」
「制御!」
シューっと音がして少し小さくなった啓輔になった!
これから外に出る時はこれらの服を着なさい!後、このヘルメットを被りなさい!このヘルメットを被っている時に君の中の彼に話しかけると変身できるから!
「解放」と言うと元の啓輔に戻った
教授が用意してくれた普段とあまり変わらない服と革ジャンと皮パンに着替えてヘルメットを被るそして息を停め
「チェンジ」と心で叫ぶ
筋肉が太くなったが革ジャンは弾ける事なく金剛力士像の筋肉質の巨体をがっちりHoldしている!
「鏡を見て見なさい」啓輔が鏡を見る
そこには全身を黒の革スーツに身を包み、あの長い日本刀を持った男が居た!
「おめでとう啓輔くん!君は覚醒した!完全体になったんだよ!もう病は君の身体からなくなった!もう一人の君が病を吸収してくれたんだ!」
「ありがとう!」「別にかまわんよ!俺も君に死なれちゃー困ると思っていただけさっ!これから宜しく!」
「解放!教授ありがとーございます。これから外に出れるんですね?」
「そっそうなんだが1つ問題が」
「なんですか?」
「君が外に出れる条件は犯罪者が現れた時だけなんだ!」
「えっ?」
「普段は?」
「そっそのーいつも通り!!!」
「えーっえー?!!」
「このクソ教授がーまぁーた嘘をつきやがったー!このヤロー」
「五木くん早く鎮静剤を!」
「教授!今、僕何か言ってませんでした?」
「忘れよう!」
「それと今日から君はここで生活して貰う事になった!兄さんには伝えているから大丈夫だ!」
「少しなら外へは出れるから一時間位は大丈夫だよ。それを過ぎるともう一人の君に喰われるから気を付けてくれよ」
「喰われるとは?」
「もう元の君に戻れなくなると言う意味だ!」
「この部屋は細工を施してあるから制御可能だ」
「凶悪犯罪者が現れたら身体が反応する様に出来ているからすぐわかる筈だから」
「わかりましたよー!結局同じじゃないですかー」
「はっはっはーでも楽しいだろ?正義のヒーローなんだから!」
「本当に?」
「本当さーっ」
「今に判るよーきっと、君が産まれて来た意味が!必ず分かるから!」
「五木さん!安心したらお腹が減りました何か食べたいです」
「かしこまりました!お待ち下さい」
教授と五木が部屋を出て行った!
「教授!大丈夫ですか?彼は危険な存在ですよ!この世界に出てはいけない存在です」
「大丈夫!啓輔くんなら大丈夫!必ずやってくれる」
「この国を邪悪な魔の手から護ってくれると信じてる。」
「五木由実!君を護衛に付けてよかったよありがとーまたこれからも頼む」
「わかりましたよーまったく!」
「お待たせしました!」
「うまそーなステーキ肉ですね!頂きます!」
「由実さんこれからも宜しくお願いします!」
「わかりましたよ!もう敬語は使わないからね!」
「知っていましたよ!由実さんがそんな性格ではないことは!」
「それじゃーはよ止めさせんかい!クソガキが!まったく!」
「由実さんは優しいから僕が死にそうな時、何時も側で泣いてくれました!ありがとう」
「まさかあんた見てたの?」
「はいいつも見えてましたよ何時も僕を気にかけてくれてる事も僕の事、男前だと思ってる事も」
「アホか!!誰がこんなクソガキが男前なんじゃー」
「いつもありがとう」
「まぁーええわー!これからの対策考えなあかんなー」
「まぁ教授もいますから大丈夫でしょー?」
「まぁーな!ここを見つからない様にしないといけなんだよ」
「誰から?」
「それはおいおいなー!わかるさー」
「そうですかー少し眠いので眠ります」
「おやすみ!正義のヒーロー」




