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file.Sequel 死なせてしまった後悔を背負う 中編

 「え?」「え?今日は捜査協力をしてもらうようになっていると思いますが…」「(さっきのは夢か…)え、あ、ああそうでしたね。すぐ用意します」亮は身支度をして二宮と西尾と共に車に乗った。「ふぅー」「どうされたんですか?杉山さん?」「いえ、なんか前にも似たような光景を観たことがあるような気がして」「デジャヴのことですか?」「デジャヴ?」「ええ、体験したことがないのに、前にも同じことをしたり観たことがあるように感じることです。原因はちゃんと解明されていないですが、諸説だと感受性が高い人やストレスが溜まっている人などに起こることがあるとか」「そうですか…」「なにかあったんですか?」「それが…」亮がさっきまでみていた夢を二人に話した。「そうなんですか、空くんが」「はい、今のところさっきみたことと同じ内容なんですよ。まぁこういう偶然もあるんですかね?はっはっ」「デジャヴを経験したことないですからなんとも言えませんがあまり深くは考えない方が良さそうですね。もし空くんに危険があれば未然に防げばよいですから」運転していた西尾が車を停め、「あれ、小杉じゃないですか?」「本当だ降りて追いかけましょう」さっきみた光景と少し離れたところで連続窃盗犯の小杉を発見した。亮は観た夢と異なり少し安堵して車を降りた。だが、さっきと異なり、小杉がいる路地の近くにはほのかと空がいたのである。「あ!あの二人が!私は避難させてすぐに合流します」「わかりました」亮は二人と離れほのかと空の元へ向かった。

 「空くん次どこ行く?」「どうしような~」楽しく歩いている所へ亮が追いついた。「ほのか!空!」「あれ?お父さんじゃん」「あ、何しに来たの?ドタキャン」「あ、それはごめん。それよりこの近くに連続窃盗犯がいるからここから離れて」「え、そうなの?」「そうだ、それも結構近い。私は二宮さんと西尾さんと追跡しているからここは危険だ」「わかったわ、空くん行きましょ」「お父さんも気をつけて」二人が小杉と反対側の方面へ歩き始めた。亮はすぐに周りを見て小杉の影がないことを確認した。(やっぱりあれは夢だったんだよな…まさか空がな)考えすぎたと亮は考え二宮と西尾の元へ向かおうとしたが、その方面から悲鳴が聞こえた。「待て!小杉!」小杉がこちらへ走ってきてそれを二宮と西尾が追いかけていた。「どけ!」小杉が通行人を退かしながら走っておりその手には拳銃を持っていたのだ。「拳銃!?まずいな」亮の方へ走ってきた小杉が、「お前!どけ!」と突進してきた。「通すか!」亮が身体を張り小杉の突進を止めたのだ。その後、二宮達が小杉を抑えた。「観念しろ!小杉!」(よし!これで空は助かる)亮は小杉を捕らえた安堵で押さえていた手を緩めてしまった。その瞬間

 ドンッ!一発の銃声が鳴り響いた。小杉が持っていた拳銃から発泡されたのだった。「へっ!あいつは道ずれだ」拳銃が向いている方を見るとそこにはほのかが立っており胸に銃弾が当たってしまったのである。「ほのか!」亮はすぐにほのかの元へ走った。「ほのか!なんでまだここに!離れろって…」「ごめん…」「すぐに救急車を!」「空くんを宜しくね、お父さん」そう言ってほのかの身体の力が無くなり反応しなくなってしまった。「ほのか!なんで…ほのか!ほのか!」その光景に二宮と西尾は黙って見ているしかなかった。亮は泣いて叫んでいたが、その瞬間 真っ暗になり----


 カチッカチッカチッ

 ブーブーブー 亮は目を開けた。電子カレンダーを見ると日付は20XX年7月17日午前10時であった。「…やっぱりこれは夢なんかじゃない現実に起こっていることだ」亮は確信したのだ。誰かが亡くなると時間が巻き戻りやり直されることに。その後ほのかからの電話に出た。「ほのか!理由は後で話す。だから直ぐに事務所に帰ってきてくれ」返答も聞かず電話を終えた。「この事を二宮さんと西尾さんと伝えるか…信じてもらえないかもしれないけど」それからしばらくして二宮と西尾が来た。「おはようございます杉山さん。それでは今日は…」「二宮さん!捜査協力の前に少しいいですか?」「え、はい」二人に今までのことを話した。「…にわかには信じがたいですが、もし本当なら一大事ですよ」「そうなんです…なぜ起こるのか、なぜこのタイミングなのか…」亮と二宮が考え込んでいると、「もしそれが本当でも小杉を取り逃がす訳には行きませんよ」と二人を連れて現場へ行こうと提案する。

 「ですが…」「…そんなもの…誰も死ななければいいんですよ」コンコン 事務所の玄関をノックする音がした。開けるとそこには小田切がいた。「来たか、小田切」「遅れてすみません西尾さん」「小田切さん…」「小田切が来たことですし、小杉を捕らえましょう。四人なら何事もなく終わるはずです」「…はい」亮は西尾の提案に折れて現場へ行く事になった。


 一方、ほのかと空は帰路に着くため歩いていた。「お父さんどうしたんだろうね?すぐに事務所に戻ってこいって」「知らないわー、すぐに電話切れたし」

 亮、二宮、西尾、小田切の四人で車に乗り現場へ向かっていた。(小田切さん…どういうことだ?確かに一週間前にはもうこの世にはいないはずなのに…)亮は小田切を見つめていた。「あれ?杉山さんまさか小田切に気があるんですか?」西尾がからかってきた。「いえ、そんなつもりは…」「ダメだよ西尾、亮さんにはほのかさんがいるんだから」「絶対に違いますよ!」「ふふっ」四人は談笑していたが、亮がふと外を見るとほのかと空が歩いているところを見かけたのだ。(よし、ちゃんと帰っているな。あとは小杉を捕まえれば)そう考えていると、ドカァーン!!さっきまでほのかと空が居た場所が爆発したのだ。「なに!?爆発?」西尾が車を停め四人で確認をしに車を降りた。飲食店からの爆発であり火の不始末が原因だろうか。その飲食店の近くにほのかと空が倒れていた。「ほのか!空!」亮はすぐに駆け寄ったが爆発に巻き込まれ二人はすでに死んでしまった。「くそ!なんでだ!なぜ死んでしまうんだ…」亮は二人を抱きしめ悔しさに涙を流した。その瞬間 目の前が真っ暗になり----

 カチッカチッカチッ

 ブーブーブー ドンッ!亮は机を強く叩いた。日付は20XX年7月17日午前10時である。

 「やはり、何か異変が起こっているな」「ええ、ギフト。これは…」ギフトとジーンがビルの建物の屋上で街並みを見ながら話していた。「おそらくメモリーサーキュラーの試作品の仕業なのだろう。その原因は…」



ありがとうございました。

亮達は理由の解らないループから抜け出せない状態になってしまいました。メモリーサーキュラーの試作品の仕業だということですが、誰が持っているのでしょうか…

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