file.15 なぜ、新たな道へ進むにはこんなにも大変なのか
前回のLostMemoryは、ついに石動要の所まで辿り着くことができた。だがそこにあったのはメモリーサーキュラーという電波に乗せ人々の記憶を改竄させて思い通りにする装置を作っていたのだ。それにギフトも実は探偵をしていたとは…
「人類記憶改竄計画を始める!」亮手を上げ石動要が大声を出した。「させるか!」「おっと、下手なことをすると命が勿体ないぞ」「くそ!」亮は石動に近づきたいが拳銃のせいで近づくことはできなかった。「杉山亮!」ギフトが大声で亮の名前を呼んだ。「今はお前は石動を止めるのが先決か!?」「勿論だ!」ニヤッとギフトが笑った。「なら、利害が一致したな。少しばかり共闘としよう」「わかった…」ドンッ!ドンッ!石動が二人に発砲をした。「調子に乗るなよ…実験動物の分際で!」二人は物陰に隠れ様子を伺っていた。「遂に本性が現れてきたな」ギフトは石動から目を話さないように観察していた。そこに亮が「あなたも探偵だったんですね」「そのようだな」「なら、この事件が終わってからでもやり直せます!」「……」ギフトは返答はせず沈黙していた。「その話は後だ。みろ誰か来たぞ」亮は入り口をみるとそこにほのかがいた。「はぁ!はぁ!お父さん!」
「やあ、ほのかじゃないか久しぶりだな。元気そうで何よりだよ」「こんなことはもうやめて!」ほのかは石動要を説得しようとしていた。「お父さんがしたかった科学ってこんなことをするためのものだったの?」ほのかがゆっくり石動要に近づきながら説得していたが、ドンッドンッ!虚しく響く銃声がほのかにむかった。「うわ!」その場でほのかが倒れた。「お父さん…」「ほのか!」
「できの悪い娘だ。私が生み出したもので一番の失敗作だ」「石動!!」亮とギフトはほのかに油断した隙に石動に走って近づいた。ドンッ!亮は拳銃を持った手を押さえ、ギフトは石動の上に馬乗りになった。「やめろ!私の偉大な…」命乞いをする石動要に、「お前は本物のくそやろうだ。知るか、これは今までの分だ」「うわー!やめっ…」ギフトは大きく振りかぶった拳を石動要の顔面に叩きつけた。石動要はその後鼻血を出し気絶をした。
「大丈夫ですか!杉山さん!」遅れて二宮率いる警察が乗り込んできた。「二宮さん!ほのかが撃たれてしまった!早く救急車を!」「わかりました!」ほのかは警察に運ばれていった。石動要も数人の警察で取り押さえられ連行されていった。
警察が搬送や連行で、一時この部屋から全員でて亮とギフトだけになった。二人とも疲れ大の字になり横になった。「これで…やっと終わった…」「ああ、これで共闘も終わりだ。おれも終わりだ」亮は起き上がり、「さっきも言ったが、あなたはやり直せる。石動要の被害者なんですよ?だから…」ドスっ!ギフトは亮の頬を殴った。「なにするんですか!」「お前は何か勘違いをしているようだな…俺はお前が思うほどの善人ではない!」「…!」「記憶がなかろうと被害者だろうと、俺が今までやってきた罪は消えない。人々を恐怖に陥れたんだ。もうそっち|《正義》には戻れない…だから!俺と戦え!杉山亮!」
「ギフト…」ギフトは亮に殴りかかろうとしたが、亮はギフトを力を絞り押さえた。「やめろ、やめてくれ!そんなことはしなくていいんだ!」「ぐっ!甘ったれたことを言うな!街の悪を見逃すのか!」亮を突飛ばし殴ろうとしたギフトの手が顔の前で止まった。「くそ!一発も当てれなかったか…」ギフトがお腹を押さえていて、見ると血がなだれていた。「まさか!さっきの二人で石動を押さえたときの」「ああ、だから死ぬ最後まで敵でいようと思ったんだがな」「早く言えよ!誰か!重傷者がいます!」亮が警察に聞こえるように大声を出したがギフトはそれを止め、「やめろ、この終わり方でいいんだ…最高の好敵手って感じだろ?」「ギフト…」「敵にも泣くのか、お人好しにも程があるぞ」
「私の手の中で…どれだけ人が死んでいくんだ!生きろ!」「ははっ、嬉しいね。最後に良いことをした…」
「くそっ…」
これでサルガタナスの事件は解決した。ギフトは亡くなり石動も逮捕され近日裁判にかけられるだろう。
メモリーサーキュラーは起動することなく未遂で終了した。人柱にされていた人達は重度の栄養失調だったが全員命に別状はなく元の生活に戻れるだろう…そして、ほのかは…「亮!」「ほのか!もういいのか?」「ええ!不死身だもの!」 「それは良かったよ本当に…」「それより、なにやってるの?」退院して探偵事務所に来たが荷物が段ボールに詰め込まれていた。「私は理由はどうあれ、偽って探偵をしていたんだ。これ以上はここで探偵を続けることはできない」「やめるってこと!?」「そうだ、一回の喫茶店もね…せっかくNeverStartって再始動を込めて開店させたのにな」「どこに行くの?」「わからない、とりあえずふらっと旅行にでも行ってリフレッシュするかな?色々あって心身共に疲れちゃったからね」「…一人で?」「ん?ああ、空は両親が人柱になっていたが回復してこれから一緒にまた住むそうだ。だから私の役割は終わった」「じゃあ!あたしもその旅行について行く!」「え?でも」「亮が前に言ってたじゃない!着いてきてくれるかって!…だからずっと着いていくね」「…好きにしな」「ああ!顔が赤ーい!むっつり!」「違うって!」
亮とほのかは墓前で手を合わせていた。「久しぶり、師匠。遂にサルガタナスのボスを捕まえたよ。だけど、まだおれの記憶は戻っていないんだ。でもこれでも良いかなって。だからこれからゆっくりとほのかと未来の記憶を紡いでいくことにするよ。応援してて」墓を後にした二人は階段を下っていた。「幸太!君も見ててくれよ!」
ありがとうございました。
一旦はこれで終了ですね…終わり方が難しいですね
次回は番外編にしようかと…