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file.1 なぜ、この街に探偵が必要なのか

はじめまして

観てくださりありがとうございます。パッと思いついた設定で急に始めた初めての連載になります。基本的に二話構成で考えており、分かりづらい部分も多々ありますが伏線や人間ストーリーを散りばめ飽きないようにしていきますので、宜しくお願いします。

 皆はこんな不思議な現象に襲われたことはないだろうか。

なにか、だれかを思い出したいのに、その周りのものばかり頭に浮かんで大事な名前が思い出せないベイカー・ベイカーパラドクスに。あのもどかしい気持ちに名前をつけた人に感謝したい。この世界には様々な物に名前がある。例えば、「昔観ていた好きなドラマ名」は思い出せるが「そのドラマに出ていたキャラ」の名前は思い出しづらい。この現象が起こっても何かの拍子に思い出せるだけまだ良いが、記憶が定着するには相応の努力が必要で容易に忘却してしまうのだ。

 だが、家族や友達やあの時の青春など自分にとって大切な記憶や印象に残った記憶はそんな簡単に忘れることはない。良い記憶や悪い記憶を人生のなかで味わって"今の自分"を形成してきているはずである。それを忘れたら人間はどうなってしまうのか、この街 鴨市には妙な噂がある。自分の人生から何かが抜け落ちた気がすると。


 「では、依頼されていた旦那様の不倫調査の結果ですがこのようになりました。」小洒落た雰囲気のある事務所に男女二人が机をはさみ向かい合っていた。そう言って、探偵の亮は封筒から写真を数枚机に並べた。今回の依頼人は、最近旦那の様子が怪しく不倫をしているのではないかと不安に思い調査依頼した20代の女性だ。

「旦那さんは不倫はしておりませんでした。同僚の女性と仕事終わりに会っていましたが、それは奥さまへの誕生日プレゼントの選定を一緒にしたり、サプライズを考えていたようですね。」

「…そうだったんですね」奥さまの目から涙が溢れていた。「私のために一生懸命考えてくれていたのにあの人を疑って…なんて私は最低な女なの!?」

「その不安になる気持ちお察しします。」探偵は女性の肩をさすり落ち着くのを待った。次第に涙は治まり一呼吸置き「ありがとうございます。これからはもっとあの人のことを信じ支えていきたいと思います。では、これ依頼料です」

お金を受け取り「あなたの悩みの解決に貢献できて光栄です」事務所の玄関で依頼人は一礼し退室した。ここは杉山探偵事務所。この街 鴨市にある今はたったひとつの探偵事務所だ。二階に探偵事務所がありそこの所長をしているのが私 杉山亮だ。一階は趣味で喫茶店Neverstartを営業しており、午前中のみで臨時休業も度々するが、毎回来店してくれる常連客が大半の席を埋めてくれるくらいには繁盛している。探偵業も不倫からいぬ探しまで幅広く受けている。この名探偵杉山亮の名前を世に広めるためにな…はっはっはっ。

 「なにデカイ独り言言ってんだよ?」ふいに後ろから声が聞こえた。「幸太」

この男は飯田幸太、私の相棒をしてくれている。実はこの私、杉山亮は数年前までは訳あって顔を表舞台には出さず活動しており、現在は顔を出して探偵業をしていて、幸太は表舞台に出てから相棒をしてくれている。どんな経緯があって彼を採用したかって?どうしてだっけな、それはよく思い出せないが、いつの間にか居たって感じだな事務仕事と情報をまとめるのが得意だ。そんなわけで今はこの二人で探偵をしている。

「今月の収支もまぁギリギリ黒字だなー」紙を見ながら幸太は呟いていた。「なぁ亮、もう少し依頼料取ってもいいんじゃねーか?お前と俺の能力的にもっと見合った料金貰ってもいいはずだろ?さすがに安すぎないか?」

コーヒータイムをしていた亮はデスク越しに持論を語った。「いいか、確かに私と幸太の能力ならもっと依頼料を貰っても良いが、探偵に頼る人なんて訳ありな人ばかりだ。身近な人に言えない悩みを抱えているんだ、相応の料金だとしてもいざ頼むとなるとそのお金もバカにならない。そのせいで、私達なら解決できることなのに依頼することをやめ不幸になって欲しくないんだ。だから親しみ込めての今の価格だ」

 幸太は拍手をしながら「素晴らしい演説だ、そのお陰で俺達はギリギリだけどな!」

「Neverstartで帳尻合わせられてるんだ良いじゃないか。」

ピンポーン 事務所のチャイムが鳴った。二階のチャイムが鳴る時は依頼人が来た証拠である。応対し椅子に座ってもらった。見た目は若くジャージにカバンを提げた男の子で松葉杖をついて、少しうつむいていた。

 依頼の内容はこうだ。《依頼人 光沢学園高校二年沖野弘 陸上部に所属しておりその友達秋山勇一くんと一緒に先週開催された全国大会予選を目指し練習をしていた。練習中に沖野くんは、足にケガをして大会に出られなくなってしまった。秋山くんが「おれがお前の分まで走ってやるよ」と言ったはずなのに大会当日彼の姿はなかった。後日理由を問いただすと「大会?なんだそれ?てか、お前なんでケガしてるんだよ」頭がパニックになってしまった。何がどうなっているのかさっぱり分からず、杉山探偵事務所に依頼し真相を知りたい。》とのことである。うーん不可解なことが多いな

「秋山くんはただ単に約束を破ったわけではなく?」

沖野くんは机を叩き「秋山はそんなやつじゃない!約束を破るなんて…そんなことしないのはおれが一番分かっています!」急な大声に亮と幸太は驚いたが、「これは失礼しました。依頼を受けましょう短い間ですが、宜しくお願いします」背伸びをしながら「じゃあ、細かい関係と二人の周りの情報収集からだなー」幸太は沖野くんに質問をし始めた。今日は事務所に缶詰になるかな、亮はポケットからスマホをとりだしメールを打った。『空、今日は事務所にこもるかもしれない。冷蔵庫に夕食入っているから温めて早く寝るんだよ』メールを打ち終え仕事にかかった。

 一階の喫茶店の奥には私と空が住む居住スペースがある。今から三年と少し前に、空はある事件がきっかけで両親の元を離れ一緒に暮らしている。今年で小学二年生になる年だ、しばらく一緒に住んでいるがあまりコミュニケーションを取れていない。なぜなら、空は声がてないのだ。あんなことがあったんだ、幼い心にはあまりにも深く突き刺さる出来事だった。出会った頃から空の笑顔を見ることができなく、YES、NOのジェスチャーをしてくれるくらいだ。どうか話せないか試行錯誤したが効果はない状態が続いている。

 依頼人は帰宅し、二人で明日以降の予定をたてていた。「私はとりあえず秋山くんに会ってくるよじゃないと、何も始まらないからね」

「だな、俺は本業があるから情報が集まったら教えてくれ」

 この事件、"奴ら"のにおいがする。この街では、ここ数年にわたり不可解な出来事が起こる。それは住民から記憶が失くなってしまうことだ。それに関与していると思われる連中がいる。サルガタナスが

film.1 ご覧いただきありがとうございます。

初回ですから、変に説明口調が多かったですね、物語の最後の方は少し不穏な感じで終わってみました。

皆さんは思い出したいけど、思い出せない記憶はありますか?

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