もしも冬の童話祭2024のテーマが「隣人」だったら 【題名】:お引っ越ししないで
これでおしまいです。
お付き合いしていただいてありがとうございました!
もしも冬の童話祭2024のテーマが「隣人」だったら
【題名】:お引っ越ししないで
1
あるところに、あるフシギなアパートがありました。
一階だてで、よこに四つのへやがならんでいます。
むかって、ひだりから、青いドア、赤いドア、白いドア、黒いドアです。
住んでいる人たちは仲がよかったのですが、ある日、青と白と黒のドアの中に住んでいる人たちが、赤のドアに住んでいる人のへやに入って行きました。
「えっ、きみたちお引っ越ししちゃうの!?」
赤のドアに住んでいるのは、ゾマー君です。
青のドアに住んでいる、フリューリンク君が言います。
なぜかフリューリンク君は、いつもくしゃみをしています。
「はーくしょん! だってもうキミだけでいいよ、ってかれらは言ってるよ。ボクたちはもうひつようないんだって」
「そんなことないよ! ねっ、ヘルプストちゃん!」
めがねをかけ、いつも本を読んでいるヘルプストちゃん。
彼女もゾマー君に言います。
「だって、わたしなんていちばんひつようないんだもん」
「ちょっと! ヴィンター君もお引っ越ししちゃうの?」
「う~ん。オレはもうちょっといるけど、そのうち引っ越すかなぁ」
ヴィンター君もお引っ越しをするよていみたいです。
ゾマー君がけんめいにみんなをせっとくします。
「いままで仲よくやってきたじゃないか! これからもいっしょにかわりばんこであそぼうよ!」
「それがもうできなくなりつつあるんだよ。はーくしょん!」
フリューリンク君がきっぱりいいました。
2
こうしてフリューリンク君とヘルプストちゃんがお引っ越しをしてしまいました。
のこっているヴィンター君は、らいねんにお引っ越しのよていだそうです。
「ボクだけ、このアパートに残るの? となりの人たちがいなくなり、一人ぼっちになっちゃうの?」
ゾマー君はかなしみで泣きだします。
「なぁ、ゾマー君。たぶん、かれらがすこしでもがんばってくれたら、フリューリンク君もヘルプストちゃんも、もどってくると思うぞ」
「ホント! ぜったいやくそくだからねっ!」
こうして、ヴィンター君もお引っ越しをしてしまいました。
3
ゾマー君は、ひとりずっと赤いドアのへやにいます。
ときどきみんながもどってきていないかをたしかめるため、となりの青のドア、白のドア、そして白のドアのとなりの黒のドアをあけてみます。
もちろん、みんなかえってきていません。
「ずっと、ボクだけひとりぼっちなんだ……」
ゾマー君はへやにとじこもったままになりました。
4
どのくらいたったのでしょう。
ある日、ゾマー君がへやにいると、そとからワイワイと人の声がきこえてきます。
ゾマー君は赤いドアをあけて、そとへと出ました。
「あっ、みんな!」
フリューリンク君と、ヘルプストちゃんと、ヴィンター君でした。
「かれらががんばったから、このアパートにもどることができたよ」
ヘルプストちゃんが言いました。
「もう、みんなお引っ越ししないでねっ!」
ゾマー君はおおよろこび。
「それはね。かれらしだいなんだよ」
フリューリンク君が言って、四人はおおわらいしました。
これをよんだみんな。
またこの四人が、はなればなれにならないように、ちいさなことでも注意したいですね。
もしも冬の童話祭2024のテーマが「隣人」だったら
【題名】:お引っ越ししないで おしまい
春夏秋冬の公式企画のテーマを入れ替えて作品を作ってみた(2023年版) 完
えっ、2024年度版でもやる?
それより2022年度版でも、できますね。
気が向いたら、やるかもしれません。
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