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想いの詩(仮題)

月下想雪

作者: 浮き雲

強い寒波に覆われても、空が晴れていれば、月は冴え冴えと明ります。

やがて来ると聞いた雪雲は、まだ、山の向こう側で気配を覚えません。

空にある月に尋ねてみたくなりました。

自分のこころの中の雪は、尋ねるまでもなく降り続いています。

もう、汚れてしまった雪です。




()てつく空の目に見えぬ 寒気(かんき)に、いまは(おお)われて


昨日(こぼ)れた鉢植(はちう)えの 水も夜半に凍りつき


(しだ)けば、夜にこだまする




夜が晴れれば、地の熱は 空に溶けいで、底冷(そこび)えの


地表に(しも)の降りる頃


満ちたる月は西の空 静かに夜を照らしゆく




風がなければ、流れゆく 雲はゆるりと空にあり


月の光は、薄雲の 変わる形に、物の()


妖しき目ともなりはてる




月は、流れる雲のうち 小さき虹を身に(まと)


少し(ぬる)んでいるような 光に、夜を浮かべては


浮かべぬ我をあざ笑う




雨は降るかと(たず)ねれば いまは遠くを降る雪の


あの山越えて流れきて 朝の明ければ、ここいらも


白く染まると月は言う




染まるものなら、()り来ては (はかな)く消ゆる初雪の


眞白(ましろ)さよりも、降り積もり、(どろ)に汚れてゆく雪を


我は見たくも思い立つ




雪を夢みる西国(さいごく)の 青き冬にも雪よ降れ


雪よ降れとぞ、(こいねが)う 我が心には、降る雪の


すでに汚れてあるらしい





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