14.
連投すみません。キリのいい所までいきたいなと思いまして、、、
「何の騒ぎですか、母上。」
「あら、セリオス。今、丁度貴方の話をしていたのよ。こちらにいる方達が、娘を貴方の婚約者に是非と──」
「お言葉ですが、自分の婚約者は自分で見定めたいと思っておりますので。父上もそれで良いと仰って下さいました。母上達で勝手に盛り上がられては困ります。」
「・・・そう、分かったわ。でもね、わたくしは貴方の為を思って言っているのよ?それは、分かってちょうだいね。」
「・・・勿論です。」
サッと踵を返したセリオス王子と、一瞬目が合った気がした。
「大丈夫か?リザベル。」
「レガス!私は平気よ。父様が支えてくれたもの。」
「そっか、良かった。っつーか、お前が行方不明になったって聞いた時は驚いたぞ。それ聞いたセリオスなんか、まだ挨拶待ちの奴らがいるってのに探しに行こうとしてさ。止めるのに苦労したぜ。」
「え。セリオス王子が?」
今日知り合ったばかりなのに、そこまで心配してもらえた事実に胸が熱くなる。
「そしたら王妃様が来たって言うから、列に並んでた奴らもこぞって王妃の方に行ったんだ。で、2人でリザベルを探してたら、何故かお前が王妃と話してるし。」
「・・・お騒がせしました。」
自分の知らない所で、結構心配されていたらしい。
「まぁ、無事に見つかって良かったじゃないか。なぁ、ニコラス。」
「ああ。さっきは助かった。王妃へうまく話してくれたんだろう?」
「気にするな。そもそも、俺がお前を連れ出したのが原因でもあるしな。」
父様達の会話が聞こえて、ライアン様にも何か迷惑を掛けてしまった事を知る。
「そんな顔するなって、リザベル。ほら、セリオスのとこ行こうぜ!」
落ち込む私に気付いたレガスが、手を差し出してきた。私はその手を無言でとる。
レガスって本当に面倒見が良いと思う。施設の皆が慕うのも分かるわ。
「セリオス、リザベルは無事だったぞー・・・痛ってぇ!いきなり何すんだよ!」
セリオス王子がレガスの手に手刀を落とす。その衝撃で、私達の手が離れた。
「・・・すまない。何故かイラッとした。」
「はぁ!?イラついて暴力振るうとか、やべー奴だろ!」
「お前だって俺を叩く時があるだろう。」
「肩な!?あれは俺にとって挨拶なんだよ!」
「ふっ・・・あははっ!」
2人のやり取りを見て、思わず笑ってしまう。さっきまでの沈んでいた気分がどこかへ消えてしまった。
令嬢らしからぬ笑い方をしたせいか、2人が目を見開いてこっちを見ている。
「2人とも、ありがとう。心配かけてごめんなさい。」
「いや、俺は何も出来なかった。それにリザベルが無事ならそれでいい。」
「そーそー!もーいいって!」
頭を下げる私に、2人が笑って許してくれた。
心がほわっと温かくなるのが分かる。
例えこの先何があっても、これからも変わらずこんな関係でいたいと思った。