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【連載一時中断中】並みいるイケメン達よりも、なぜか(しかも美少女に)モテる平凡男子  作者: 波瀾 紡
八坂 見音編

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55/83

【55:広志に嫌味?それとも買い被り?】

見音の自宅でバーベキューパーティが始まりました。

高級食材が並んでるシーンの続きです

 さっきから見音みおんはなぜか『さすが空野君』とか言ってるけど、広志に嫌味で言ってるのか? それとも本当に買い被ってるんだろうか?


 それにしてもなぜ三重県にこだわってるのかも謎だ。見音みおんの出身地なのか?


「おいおい空野のヤツ。高級食材の産地までわかったみたいだぞ」

「スゲーな。もしかして空野って、見音みおん様並みのお金持ちか?」


 鈴木と佐藤がまたひそひそと話してる。


(いや、僕は何も答えてないし! 八坂さんが勝手に先回りして答えただけじゃないか)


 広志が苦笑いを浮かべるのにも気づいてない様子で、見音はテーブルの方を指差した。


「じゃあ三人とも、そこの席にお掛けになって」


 見音は自分も椅子に座り、鈴木と佐藤にも席に着くように促した。


 見音を真ん中に、左右に鈴木と佐藤が座る。鈴木と佐藤は、なんとなく緊張したような面持ちだ。それと向かい合って、こちらも広志を真ん中に、左右に凛と伊田さんが腰掛けた。


 テーブルの上には、既にお皿やナイフ、フォーク、お箸などが綺麗に並べられてる。バーベキューというより、ディナーをいただきに参りました、って感じだ。


 これなら1,500円のコーヒーで手を打ってた方が、安上がりだったに違いない。


「あ、今日はお招きいただき、誠にありがとうございます」


 高級食材と見音みおんの上品な話し方につられて、広志もついついお上品な話し方になってしまう。


「いえ、どういたしまして。ゆっくり楽しんでいってくださいな」


 見音はにっこりと笑った。だけど心からの笑顔というより、どこか取り繕ったようなよそ行きな感じに、広志は違和感を覚える。


八坂やさかさん、私達まで呼んでくれてありがとう」

「わーい、美味しそうなものばっかり! さすが八坂さんだ。凄いねぇ〜!」


 凛と伊田さんはいつもどおりの感じで楽しそうにしてる。この二人は自然体というか、さすがだ。やっぱり自分の気持ちを素直に出してくれる人の方が、安心して接することができる。


(八坂さんも、時折見せる力を抜いた表情の方が可愛いのに)


「いえいえ、大したことないわ。私も涼海すずみさんや伊田さんと仲良くなりたかったから、ちょうどいい機会だわ」


 鈴木と佐藤は見音みおんの横で、今のところ大人しくしてる。見音に言い聞かされた(・・・・・・・)のだろうか。最後まで、大人しくしてくれてますようにと広志は祈る。


「じゃあそろそろ、バーベキューを始めましょうか」

「わーい、待ってましたっ! 私が焼こうか!?」


 伊田さんが、ぴょんっと椅子から立ち上がって、見音みおんに訊いた。


「あら、伊田さん。ちゃんと焼いてくれる人がいるから大丈夫よ」


(焼いてくれる人? もしかして鈴木と佐藤がこき使われるのか?)


 そう思ってたら、見音みおんは建物の方を振り返った。ちょうどその時に洋館の扉が開いて、黒いタキシードに身を包んだ一人の初老の紳士が現われた。


「紹介するわ。執事のセバスチャン」


 セ、セバスチャン~!? ほりが深くてイケメンだけど、日本人ぽい顔をしてるから、まさか外国人だとは思わなかった。


「セバスチャンさんって、どこの国の人?」

「あら、日本人よ。本名は黒田 太助たすけさんって言うの」

「なんで黒田 太助さんがセバスチャン?」

「だって執事といえばセバスチャンでしょ。だからそう呼ぶことにしたの。みんなもセバスチャンと呼んでね」

「はっ?」


(うーむ。八坂さんのセンスがよくわからない)


 何はともあれ、豪勢な食材が山盛りの、見音みおん宅のバーベキューパーティが開幕した。


「じゃあ乾杯をしましょう」


 各自がペットボトルからグラスに、ウーロン茶やジュースを注ぎ終わったのを見て、見音が立ち上がった。グラスを片手に挨拶を始める。


「えっと、あの……きょ、今日は皆様お集まりいたたただき、まこっ、まこっ、誠にありがとうございます」


 えらい噛み噛みだー!


 見音みおんって案外不器用なタイプなのかもと、広志は意外に思う。普段高飛車なのも、もしかしたら人とのコミュニケーションが苦手だからなのかもしれない。


「八坂さん。そんなにかしこまった挨拶しなくても大丈夫だよ」


 凛が優しく見音に声をかける。チラッと凜を見て、見音は首を横に振った。


「あ、いや、大丈夫だから」


 口では大丈夫と言ってるものの、とてもアセアセした顔をして、見音はもう一度仕切り直す。


「皆さま。きょ、今日はお集まりいただき、誠にありがとうございます。皆さまにとって、良きことがたくさん起きますように祈念いたしまして、乾杯をいたします。それではカンパーイ!」


 今度は上手く言えた。見音の発声に合わせて、全員でお互いにグラスをカチンと合わせる。


 それにしてもオヤジの宴会みたいな挨拶だ。これが上流階級のやり方なのか?


「凄い立派な挨拶だねー! さすが八坂さん!」

「えっ? いや、これくらい朝飯前よ」


 伊田さんの言葉にクールを装ってるけど、ヒクヒクと引きつりながらも笑顔を見せてるし、見音は満更でもなく喜んでるみたいだ。「おほほ」とか笑ってるし。


 そして彼女はホッとした顔を見せて席に着くと、黒田さんに向かって言う。


「ではセバスチャン。焼いてくれるかしら」


(マジでセバスチャンで通してるよ。真顔で言ってるし)


 セバスチャン……いや黒田さんは「かしこまりました、お嬢様」と答えて、手慣れた手つきで食材をバーベキューコンロの上に並べていく。広志達はその様子をつい熱心に見入ってた。


「ところで空野そらの君」


 急に見音みおんに呼ばれて、広志は彼女のほうを振り向いた。

見音が広志の家庭事情を訊いてきた。きっと金持ちなんだろうと思ってるようだ。

「空野君のお父様はどんなお仕事?」です。

お楽しみに~っ!

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=新連載のお知らせ=
双子なのに、性格も見た目も真逆な美少女姉妹は─→やっぱり僕に惚れている?』 【略称:真逆姉妹】
※結構王道なラブコメ。キュンとしてもらえたら嬉しいなぁ
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