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【連載一時中断中】並みいるイケメン達よりも、なぜか(しかも美少女に)モテる平凡男子  作者: 波瀾 紡
八坂 見音編

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49/83

【49:人気者だと断わっちゃいけないの?】

凜が今まで告白された男子の話をしている場面の続きです

 凜が天河に告白されたことを広志に言わなかったのは、いちいち言うほどでもないと思ったから。なぜなら凜は高校だけでも、合計59人もの男子から告白を受けてるのだと聞いて、広志はなるほどと、めちゃくちゃ納得した。


 しかもその告白すべてを、凜は『好きな人がいるから』と断わったのだと言う。しかし広志は、凜が天河に対しても簡単に断わったのか気になった。


「あのさ、凜。天河に告白された時も、同じように断わったの?」

「え? そうだよ。なんで?」

「いや、天河ってイケメン三銃士に選ばれるくらい、人気者だしさ」

「人気者だと……断わっちゃいけないの?」


 凜はきょとんとしてる。愚問だった。


 凜にとっては、人気者であろうがなかろうが関係ないに違いない。


「あ、ごめん。人気者とか、そういうのは凜には気にならないのかな?」

「うん、関係ない。私にとっては、ヒロ君以外はみんな一緒」


 なんという、嬉しいお言葉!


「あ、ありがとう」

「まあでも、天河君は一番熱心だったかな」

「熱心?」

「うん。断わっても、何度か告白してきてくれた」

「そうなんだ……」

「あ、ヒロ君、心配しないで! ちゃんとその度に断わったからね」

「で、天河は諦めてくれたの?」

「うん。半年くらい経ってね」


(そうか。それは良かった)


 しかしそれほど熱心だった天河は、ホントに凜のことを完全に諦めたのだろうか? 


「凜は自分が好きな人が誰なのかって、天河には教えた?」

「言ってない。今まで断わった人の中には、私が好きな人は誰なのか教えてくれよって人もいたけどね、まあ教える必要もないかと思って、言ってなかったんだ」


(そうか。でもこの前の投票の時には、同じクラスの人たちには、その相手が僕だってことがわかったってワケか。天河は、偶然同じクラスになった僕を知って、今はどう思ってるんだろうか?)


 考え込んでる広志を見て、凜は不安げな顔をして尋ねた。


「ちゃんとみんなに、『私の好きな人は空野 広志君です!』って言ったほうが良かった……かな?」


(いやいやいや! そんなことをしたら、敵を増やすだけでございますっ!)


「いや、そんなに言いふらすことはないよ。別に内緒にする必要はないけど、それこそいちいち言わなくてもいいと思う」


 広志の言葉を聞いて、凜はほっとした表情を浮かべた。


「そっか。よかった」


 天河が自分のことをどう思ってるのか、広志は気にはなるけれども、あんまり気にしても仕方がないと割り切ることにした。だって凜は、これほど自分を大切に想ってくれてるんだから。



「じゃあね、また明日。バイバイ」

「うん、また明日」


 それぞれの家に帰るために別れる四つ角まで来て、二人とも立ち止まって挨拶を交わした。


 広志は凜と離れるのがとっても名残惜しかったし、凜もすごく名残惜しそうな顔をしてる。だけどまた明日になれば学校で凜に会えると自分に言い聞かせて、手を振って凜と別れた。





◆◇◆


 翌日。広志が親友の田中 健太と昼休みに弁当を食べてたら、健太は思いついたように、少し声をひそめて訊いてきた。


「そういや広志、なんか最近伊田さんと仲がいいらしいじゃん」

「えっ、なんで?」


 なんでと言ったものの、広志には心当たりがあるのだから、ついつい上ずった声が出てしまった。


「前に一緒にカフェに行ってたろ?」

「ああ、まあね」

「あの時はふーんって思ったんだけど、昨日凛ちゃんと伊田さんと広志が三人で下校してたって聞いたからさ」

「えっ? 誰から?」

「陸上部のヤツだよ。『空野って健太のクラスだよなぁ』って、俺に聞いてきたんだ」


(陸上部員か。真田に変な風に伝わらなければいいけど……)


「ああ、あれね。たまたま凛の部活を見に行って、帰りに一緒になったんだ。凛と伊田さんが仲良くなったみたいでさ」

「ふーん、そうなんだ。俺はてっきり、伊田さんまでもが広志に寄って来たのかと思ったよ」


 健太はなかなか鋭い。さすが一番の親友だ。


「そ、そんなことはない……と思うよ。あはは」

「でも陸上部のヤツは、伊田さんと広志がめっちゃ親しげだったって言ってたぞ?」

「そいつの勘違いだって!」

「そうかなぁ?」


 健太は納得いかない表情を浮かべてる。そしてふと気づいたように広志の顔を見た。


「そういえば凛ちゃんと伊田さんって、知らない間に仲良くなってるよな。でも三大美女の内の二人と仲良くしてるなんて、お前すげーな」

「だからそんなでもないって」

「いやいや、前から言ってるけど、俺が女なら広志と付き合いたいと思うし。ああーん広志くーん、大好き〜」

「げげっ!」


 女版の健太なんて想像したくないし、想像したら吐き気がする。だけど健太が褒めてくれてるのはわかるから、広志は苦笑いするしかない。


「これで八坂さんとも仲良くなったら、広志は三大美女制覇だな」


 そう言って健太はニヤッと笑った。

広志と健太が弁当を食べ終わったあと、缶コーヒーを買いに行ったら、まさかそこで……

次回「広志は平凡男子の希望の星」です。

次も絶対に見てくれよなっ!

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=新連載のお知らせ=
双子なのに、性格も見た目も真逆な美少女姉妹は─→やっぱり僕に惚れている?』 【略称:真逆姉妹】
※結構王道なラブコメ。キュンとしてもらえたら嬉しいなぁ
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