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【連載一時中断中】並みいるイケメン達よりも、なぜか(しかも美少女に)モテる平凡男子  作者: 波瀾 紡
八坂 見音編

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44/83

【44:二人揃って、もの凄く性格がいい】

八坂 見音達と別れ、広志と凜、伊田さんは帰路についた。その続きのシーンです

 広志は凛と伊田さんと並んで校門を出て、駅までの通学路を歩きながら、二人に尋ねた。


「二人とも案外早かったね。部活の他の人たちは?」

「まだゆっくり帰ってくると思うよ。天美ちゃんが、空野君と一緒に帰れるかなぁなんて言うから、ちょっと急いで追いかけて来たんだ」


 凛が「ねぇ〜っ」って言いながら、冷やかすような目で伊田さんの顔を覗き込んだ。伊田さんは顔を赤らめて、ちょっと焦ってる。


「えっ? ああ、そうだよー せっかく空野君が練習を見に来てくれたんだし、一緒に帰れたらいいなぁって思ったんだー」

「そっか、ごめんな。陸上部のみんなと帰るかと思って、先に帰ってきてしまったよ」

「でも追いつけたから良かったぁ〜」


 いつも元気ハツラツな伊田さんだけど、ちょっとモジモジしてて可愛い。凛がにやにやしながら、横から伊田さんの脇腹を肘でツンツンつついてる。


 自分を好きだと言ってくれる凛と伊田さんが、こんな風に仲良くしてるのってなんだか不思議だ。


 きっと凛と伊田さんが、二人揃ってもの凄く性格がいいからこそなんだろう。広志は心からありがたく思う。


「僕こそ二人が来てくれて助かったよ。八坂さんの取り巻き二人が、なぜか絡んできてさぁ」

「なかなか面白い人達だね」


 凛は普通に微笑んでる。彼らのことをホントに面白いと思ってて、嫌がるとかネガティブな感情は持っていないようだ。こういう優しいというか、受け止め幅が広いのが凛の凄いところだ。


「伊田さんもありがとう」

「いや、どういたしまして。空野君には色々世話になったからね。少しはお返ししとかなきゃ」

「えっ? お世話なんて、何にもしてないし」

「いやいや、空野君のおかげで、また陸上のやる気が出たし。ほんっとに感謝してる。やっぱり空野君に相談して良かったなぁ〜」


 伊田さんはホントに嬉しそうだ。生き生きとした伊田さんを見ることができて良かったと、広志は嬉しくなる。



 駅の少し手前の所の四つ角で、広志と凛は立ち止まって、伊田さんに「僕らはこっちだから」と、駅とは違う方向の道を指差した。


「えっ? 空野君の家ってそっち?」

「うん」

「てっきり、駅の近くだと思ってた」

「違うよ。この角を左に曲がるんだ」

「え〜っ、そうなの?」


 驚く伊田さんに、凛が不思議そうに尋ねる。


天美あまみちゃん、なんでそう思ったの?」

「だって私が足を怪我してた時に、何度も空野君が駅までカバンを持ってくれたから……てっきり空野君の家は、駅の方なんだと思ってた!」


 伊田さんは目を見開いて驚いてる。そしてすぐに、恐縮した表情になって、肩をすぼめた。


「じゃあ、わざわざ私のために、駅までついて行ってくれてたんだ」

「えっと……そうだね」


 それを聞いて伊田さんは、顔をくしゃくしゃにして泣きそうな顔になった。そして両手を出して、広志の手をガッシと握る。


「空野くーん! 知らなかったよ。ホントにごめん。空野君は、やっぱりめちゃくちゃいい人だ!」


 伊田さんは握った広志の両手を上下にブンブン揺さぶりながら、広志の顔を見つめた。


「ま、まあそれほどでもないし、気にするなって」

「いや、ホントにありがとう」


 伊田さんはウルウルした目で広志をじっと見つめて、握った手を離そうとしない。


「あの、伊田さん? そろそろ帰ろっか」


 苦笑いの広志の言葉で、伊田さんはハッと我に返って手を離した。ずっと手を握ってたのを急に意識したのか、顔を真っ赤にして自分の両手を見つめて「ご、ごめん!」と謝ってる。


「いや、いいよ。じゃあまた明日」

「う、うん。空野君も凛ちゃんも、また明日ね!」


 伊田さんは顔の横で手を振ると、さっと振り向いて、駅の方に向かってぱたぱたと走り出した。部活の時は華麗なフォームなのに、大きなカバンを抱えてるからなのか、こんな時はわちゃわちゃした走り方で可愛らしい。


「天美ちゃん、照れてて可愛いね」

「そうだね」


 凛は目を細めて、手を口元にやってくすっと笑う。広志と凛は四つ角を左に曲がって、自宅の方に向いて歩き出した。


「あっ、そうだ凛」

「なぁに?」

「さっきグランドで、伊田さんと真田が何か言葉を交わしてたよな? 大丈夫かな? ややこしいことになってない?」

「ああ、あれね。真田君が、『なんで空野とそんなに親しげなんだ?』って訊いてきたんだ」


(あの時真田は、そんなことを言ってたのか)


 広志は凛に、『伊田さんはなんて答えたの?』と訊いた。

真田と伊田さんはどんな話を交わしたのか?

次回「天美ちゃんならきっと大丈夫」をお楽しみに!

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=新連載のお知らせ=
双子なのに、性格も見た目も真逆な美少女姉妹は─→やっぱり僕に惚れている?』 【略称:真逆姉妹】
※結構王道なラブコメ。キュンとしてもらえたら嬉しいなぁ
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