表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【連載一時中断中】並みいるイケメン達よりも、なぜか(しかも美少女に)モテる平凡男子  作者: 波瀾 紡
八坂 見音編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

43/83

【43:見音様が一番です】

見音と取り巻き男子の前に、凜と伊田さんが現われて、取り巻き男子二人が羨ましそうにしている場面の続きです

 楽しそうにじゃれ合う広志達を見て、羨ましそうなことを言った鈴木と佐藤に、見音みおんは「じゃあ、あなた達も混ぜてもらったら?」と冷たく言い放った。


「いやいやいや、見音様。全然羨ましくなんてないですからっ! もちろん見音様が一番素敵です!」

「そうそう! 俺達はこの世で一番美しい見音様のそばにいるのが、一番楽しんですよぉ!」

「ふーん。信じられないわ」

「嘘じゃないですって!」

「ホントにホントですったら!」


 見音は二人をジトッとした目つきで睨んでる。鈴木と佐藤は、マンガならきっと頭の上に汗が飛び散ってるような焦った表情だ。


「ホント?」

「はいっ、ホントです!」

「神に誓ってマジです!」


 しばらく彼らをジーっと睨んでた見音の表情が突然緩んだ。きつかった猫目は目尻がちょっと下がり、とても優しい笑顔になる。口元も緩んで、そこからふわりとした優しい声が漏れた。


「ふふっ。わかった。信じるわ。いつも私のためにありがとうね♡」


 今まで見音が見せてた無表情とも冷たい表情ともまったく違う、とっても柔らな笑顔。


 西欧系ハーフのような整った顔が柔らかく変化して、広志が見てもドキッとするくらい可愛らしくて美しい。ホントに魅力的だ。


「あっ、可愛い」

「ホントだねぇー」


 凛と伊田さんも思わず口にしてしまうほどの可愛さ。


「見音様ぁ! 信じてくれて、ありがとうですぅ〜」

「見音様〜 一生ついていきますー!」


 鈴木と佐藤はフニャリとした顔になって、見音にすりすりと擦り寄ってる。彼らは見音のこのギャップにやられてるに違いない。


 ツンデレというのとは少し違う気がするけど、あのツンツンした感じからの、この優しくてとろけるような可愛らしさ。


 去年の人気総選挙3位に輝いた見音の凄さは、まさにここにあるんだってところを見せつけられた。


「ねぇ八坂さん」

「何かしら?」


 急に伊田さんが見音に話しかけた。見音みおんは笑顔を保ったまま、伊田さんの顔を見る。


「そんなに疑うなら、八坂さんも一度空野君と付き合ってみたらいいよ。空野君がホントに素敵な人だってわかるから!」

「えっ? 付き合う? 私が? 空野君と?」


 見音は急にあたふたし始めた。どうしたのかと広志が不思議に思ってると、取り巻き君が口を開いた。


「見音様は今まで男と付き合ったことがないのに、そんなことを気軽に言うな!」

「えっ? そうなんだぁ!? 意外だぁー!」


 伊田さんが目を丸くして、驚きの声を上げた。


「鈴木君! いらないことを言わないでいいの!」


 見音にギロッと睨まれて、鈴木は顔を引きつらせて慌ててる。


「いや、あの、見音様は高嶺の花すぎて、釣り合いが取れる男がなかなかいないんだ!」

「そうだそうだ! そんなのちょっと考えたらわかるだろ?」


 佐藤も横からフォローの合いの手を入れる。あわあわしてる二人に伊田さんは苦笑いして言った。


「付き合うって、男女交際の意味じゃないよ。友達付き合いをしたら、空野君の魅力がわかるよって意味だよ」

「えっ? あ、そうなの?」


 見音みおんも勘違いしてたようで、慌てた表情から、ホッとした顔になった。広志は初めから友達付き合いの意味かと思ってたから、見音の慌てっぷりが微笑ましい。


 それにしても見音はこれだけの美人なのに、男性と付き合うことには慣れてなさそうなのが意外だ。


 大金持ちのお嬢様って話だし、いわゆる箱入り娘で、そういうことには疎いのかもしれない。


 まあいずれにしても、世界三大美女の一人、八坂 見音の人となりを少し垣間見れて面白い。


 そうは思うものの、これ以上この三人のコントみたいなやり取りに付き合うのは疲れる気がする。


「あ、あの……僕たちは、もう帰ってもいいかな?」


 見音は無表情に戻って凛と伊田さん、そして広志を順番に眺めた後、

「そうね。でももう私にぶつからないように、これからは気をつけてくださる?」と言った。


「あ、ああ、もちろん」

「じゃあ、帰っていいわ」


 なんだかやっぱり上から目線だなぁと思いながら、広志は「ありがとう、じゃあ」と答える。


 広志達が見音の横を通り過ぎようとする時、彼女は独り言のように呟いた。


「空野君……ホントはどんな人なのか興味が湧いてきたわ」


 その言葉は凛と伊田さんには聞こえない小声だったけど、広志の耳には届いた。


「えっ?」


 すれ違いざまに広志が見音の顔を見ると目が合って、彼女は薄く笑みを浮かべた。


(どういうことだろう?)


 広志は疑問に思ったけど、何も言い返さずにその場を離れた。

次話は、見音達と別れたあと、凜、伊田さんと一緒に三人で帰路につく広志の会話です。

次回「二人揃って、もの凄く性格がいい」をお楽しみにっ!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
cont_access.php?citi_cont_id=335306559&s

=新連載のお知らせ=
双子なのに、性格も見た目も真逆な美少女姉妹は─→やっぱり僕に惚れている?』 【略称:真逆姉妹】
※結構王道なラブコメ。キュンとしてもらえたら嬉しいなぁ
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ