表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【連載一時中断中】並みいるイケメン達よりも、なぜか(しかも美少女に)モテる平凡男子  作者: 波瀾 紡
八坂 見音編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

40/83

【40:鈴木君と佐藤君】

帰りにまたまた見音とぶつかってしまった広志。

取り巻きの二人から、なんやかんやと言いがかりを付けられてるシーンの続きです。

「あの……いいかな、佐藤君」

「俺は鈴木だっ!」「佐藤は俺だっ!」


 二分の一の確率だし、適当に言ってみたら間違った。広志は今日の自分の運勢は、やっぱりあんまり良くないんだと気づいた。


 ふと男二人の後方を見ると、八坂やさか 見音みおんは腕を組んで、無表情で広志を眺めてる。凄く綺麗なのだけれども無表情。やっぱりパンツを見られて怒ってるんだろうか。


 いつも教室では取り繕った笑顔を見せてるみたいで、こんな感じだとは気づかなかった。見音っていったいどんな子なんだろうか。


 でも女の子を転倒させてしまったのは確かに自分なんだし、広志は見音とその取り巻き二人に向かって詫びを言う。


「悪かったよ」

「じゃあお前は、自分がスケベだと認めるんだな!?」

「いやいや、そうじゃなくて。たまたまだけど八坂さんにぶつかったことを謝る」

「な~に~? お前はまだしらばっくれるのか? いかにもモテないくせに」


(いや、なんでそこまで僕がモテないことを強調するかなぁ? まあ確かに間違ってはいないけど)


「ねぇ鈴木君。いい加減それくらいにしといたら? 空野君はわざとじゃないって、言ってるんだしねぇ」


 見音は言葉は優しいことを言ってるけど、どうやら広志を疑ってるような冷たい言い方だ。やっぱり自分は見音にもスケベと思われてるのかと、広志は少し悲しくなる。


「え? まあ見音様がそうおっしゃるなら、わかりましたけど……」

「でもね、鈴木君。空野君のことをモテないって決め付けてるけど、彼は案外・・モテるのよ」

「えっ? 嘘でしょ。見音様。こんなに冴えないヤツが?」


 広志はあまりの言われように、もう苦笑いするしかない。確かに取り巻き君達は二人ともまあまあイケメンだけど。


「ホントよ。ウチのクラスの女子が、空野君のことを好きだってカミングアウトしてたもの」

「へ~っ、世の中には物好きもいるもんだ」


 バカにしたような鈴木の言葉に、調子に乗って佐藤も乗っかってくる。


「どうせその女、ブスなんだろ?」


 どんどん悪口がエスカレートする鈴木と佐藤に、さすがに広志も言われっぱなしはマズイと思ってきた。自分が悪く言われるのは全然いいけど、凜のことを悪く言われるのは嫌だ。


「あの、悪いけど鈴木君と佐藤君。その女の子のことを悪く言うのはやめてくれない? 凜はブスなんかじゃないし」


 その時見音が両手で、鈴木と佐藤の肩を後ろからぽんぽんと叩いた。二人は何ごとかと見音の方を振り返る。


「二人とも、ホントにもうやめときなさいって。空野君を好きだって言ってるのは、あの涼海すずみ りんだし」

「えっ? あの(・・)って……?」

「去年の人気総選挙で、ウチの学年の一位だった涼海 凜。君達も知ってるでしょ?」


 鈴木も佐藤も大きく口を開けたまま、広志の顔を見つめて固まってしまった。二人とも呆然としている。そして数秒経った後に、二人揃って大きな声を出した。


「「ええええぇぇぇぇ!!?? あの涼海 凜~!? 嘘だろぉ~!?」」


「お、お前、涼海さんの弱みでも握ってるのか?」


 お決まりのリアクションだな、と広志は苦笑い。もう、自分が凛の弱みを握ってることにしといた方が、話が早いんじゃないかとまで思う。


「ん〜、なんて答えたらいいのかな……」


 広志がちゃんとした事情を言いあぐねてると、見音は薄ら笑いを浮かべた。


「そうなのかどうかは、私はホントのことは知らないけどね」

「見音様。やっぱりコイツは、涼海さんの弱みを握ってるんじゃ……」


 広志はめんどくさいから、もう否定するのはやめとこうかと思ったその瞬間に、後ろから弾けるような明るい声が聞こえた。


「私は弱みなんか握られてないよ!」


 広志が振り向くと、そこにはにっこり笑顔の凛が颯爽と立ってた。栗色のミディアムヘアが、風にさらさらと揺れている。制服のスカートも風になびいてる。


 まさに颯爽と呼ぶのが相応しい姿で、凜は凛とした姿で立っていた。


(うん、凜は可愛いだけじゃなくて、カッコ良くもあるな)


 いや、凜に見とれてる場合じゃないなと広志は思い直した。


「あれ? どうしたの、凛」

「ちょうど帰ろうと思って通りがかったら、校舎の陰から私の名前が聞こえたからさ。何かと思って覗いたら、ヒロ君だった」


 凛のにっこり笑顔を見て、鈴木と佐藤が呆然とした顔で口々に呟いた。


「ああ、本物の涼海さんだ。親しげにヒロ君とか言ってる……」

「なんかあの男、羨ましいぞ」


 すると突然校舎の角からズザっと靴音を立てて、元気な女の子が現れた。こちらもにっこり微笑んでる。


「私も居るよ〜」

「あ、伊田さん」


 突然現れた三大美女の二人を目の当たりにして、鈴木と佐藤はびっくりした顔になった。

さあ、世界三大美女が全員揃っちゃって、どうなるのか?

次回「世界三大美女の揃い踏み」をお楽しみにっ!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
cont_access.php?citi_cont_id=335306559&s

=新連載のお知らせ=
双子なのに、性格も見た目も真逆な美少女姉妹は─→やっぱり僕に惚れている?』 【略称:真逆姉妹】
※結構王道なラブコメ。キュンとしてもらえたら嬉しいなぁ
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ