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【連載一時中断中】並みいるイケメン達よりも、なぜか(しかも美少女に)モテる平凡男子  作者: 波瀾 紡
八坂 見音編

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38/83

【38:三大美女の一人、八坂 見音】

広志が伊田さんの部活を見に行く道中、三大美女の一人「八坂 見音」とぶつかってしまった場面の続きです。

 広志にぶつかられて倒れた八坂やさか 見音みおんは、立ち上がって制服のスカートとジャケットに付いた砂埃を両手でパンパンと払うと、広志をキッと睨んだ。



 広志の目の前まで歩み寄ってきた見音の取り巻き男が、忌々しげに広志に詰め寄る。


「おい、お前! 見音様を呼び捨てにするなんて、馴れ馴れしいヤツだ」


 見音を助け起こした男も、広志に歩み寄ってきた。


「そうだぞ! お前は誰だ?」


 よく見ると男子は二人とも、さすがにイケメン三銃士には劣るけど、まあまあのイケメンだ。しかし取り巻き感が半端ない。


 広志には見覚えのない顔で、違うクラスの者のようだ。


「あ、僕は空野 広志。今八坂さんと同じクラスなんで、名前を知ってたから、ついつい呼び捨てで言っちゃった。ごめんね八坂さん」

「空野君。名前のことはいいわ。それより……」


 見音は真っ赤な顔をしてる。それより……ってなんだろと広志は考える。でもわからない。


「それより……見たでしょ?」

「な、何を?」


 あれだけインパクトの強いものをさっき見たばかりなのだから、広志の脳裏にはまだあの白いものが焼きついてる。今度はさすがになんのことなのか、一瞬でわかった。だけど広志は、反射的に『何を?』と言っていた。


「何をって……まあ、いいわ」


 広志の顔をじっと見た見音は、何か汚いものでも見るように顔を歪めた。


(ああ、八坂さんに嫌な思いをさせて、申し訳ないことをしたなぁ。せめて『見てない』って即答すべきだったか)


「ちゃんと前を見てなくて、ぶつかっちゃってごめんな」

「見音様に近づくなっ!」 


 広志が謝りながら見音に一、二歩近づこうとすると、取り巻きのイケメン二人がぱっと間に割って入って叫んだ。


(はっ? なんだこいつら? SPかよっ!?)


「なんで?」


 広志が素直に疑問を口にすると、イケメンの一人が答える。


「見音様は美しくないモノがお嫌いなんだ。だから近づくな」

「はーーーーっ?」


 確かに僕の顔は美しくはないけど。だけどそんな言い方ってあるだろうか?


 広志は怒るとか気分が悪いというよりも、なんだかワケがわからない。


「こらこら、鈴木君。私は『美しくないモノが嫌い』なんじゃなくて、『美しいモノが好き』なのよ。間違えないで!」

「あっ、すみません見音様」

「そうだよ鈴木。お前はいつも間違えてばかりだ」

「なんだよ佐藤。お前に言われたかないよ」


 取り巻きのイケメン二人は、どうやら鈴木君と佐藤君というようだ。世界高校の制服を着てるし、本物のSPというわけじゃなく、ここの生徒のようだ。


「鈴木君。そんな言い方をしたら、空野君に失礼でしょ。悪かったわね、空野君」

「あ、いや。僕は別に失礼とか思ってないから大丈夫」

「そう。ありがとう」


 見音は言葉では申し訳なさそうで、笑顔も見せてるけど、どうも表面的に取り繕ってる感じがする。笑顔がなんとなく作り物みたいに見える。


 鈴木って男の言うように、見音は広志を『美しくなくて嫌い』と思ってるんだろうか? 取り巻きも二人ともイケメンだし。


 広志はさすがに身の程をわきまえてるから、自分をイケメンだとか美しいなんて、これっぽっちも思っていない。だけど。さすがに──


 もしも自分が美しくないモノと思われて避けられたのだとしたら、さすがに広志はちょっとだけショックだった。


 うん、ちょっとだけ。


 広志は自分の見た目とかは、あんまり気にしない方だから、ちょっとのダメージで済んでる。


 ──なんにせよ、八坂やさか 見音みおん。よくわからない子だ。

 そう思って見音の顔をボーっと見てたら、見音は顔を逸らした。


(まあいっか。こんな所で時間を無駄にしてる場合じゃない。伊田さんと凜の部活を見に行くのを、危うく忘れるところだったよ)


「じゃあ八坂さん、またね」


 広志は手を上げて、ワールドスタジアムの方に向かって駆け出す。見音は黙ったまま、広志を見送るだけだった。

伊田さんの部活を見学した後、またまた偶然八坂見音と出会う広志。

次回「八坂 見音再び」です。

お楽しみに~

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=新連載のお知らせ=
双子なのに、性格も見た目も真逆な美少女姉妹は─→やっぱり僕に惚れている?』 【略称:真逆姉妹】
※結構王道なラブコメ。キュンとしてもらえたら嬉しいなぁ
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